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『国土経済論(後編)①』三橋貴明 AJER2018.2.27
https://youtu.be/d1Wb6lbcE4I
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韓国大統領府は、昨日、文在寅大統領が4月末に、北朝鮮の金正恩委員長と板門店で首脳会談を開催することで合意したと発表しました。
『韓国と北朝鮮、4月末に首脳会談 「米と対話用意」表明
https://www.asahi.com/articles/ASL366QCVL36UHBI03B.html
韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が4月末、南北軍事境界線上にある板門店の韓国側施設「平和の家」で南北首脳会談を行う。正恩氏と5日に会談した韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長が6日夜に合意内容を発表した。韓国側の説明によれば、北朝鮮は非核化の意思を表明し、対話が続く間は核実験や弾道ミサイルの試射を行わないとした。
実現すれば、南北首脳会談は2000年6月、07年10月に続いて3回目。正恩氏にとっては初めてだ。(後略)』
金正恩は、今年の元旦の「新年の辞」において、
「昨年、国家核戦力の完成という歴史的大業を成し遂げた」
「核のボタンが私の机の上に置かれている」
と、核「戦力」の保有を宣言すると同時に、韓国に対しては平昌冬季五輪開催を祝福。実際に、五輪に「美女軍団」を送り込み、巧みに南北融和ムードを醸成していきました。
北朝鮮の「国家戦略」は、
1. 核武装を果たし、アメリカと対等の立場を獲得。金王朝存続を図る。
2. 韓国に親北政権を誕生させ、「連邦国家」というゴールを目指す。
の二つです。
この二つは、金日成、金正日時代から金正恩へと引き継がれ、一度も揺らいだことがありません。
昨年5月に、廬武鉉の秘書室長だった文在寅が韓国大統領の座を射止めた時点で、今回(首脳会談決定)までのシナリオが描かれたのでしょう。すなわち、17年中に核武装を果たし(厳密には「果たしたことにし」)、平昌五輪で融和ムードを高め、南北首脳会談につなげる、です。
日本のマスコミは、南北首脳会談を「核・ミサイル問題の解決」に結び付けようとするでしょうが、現実には核・ミサイル開発について「話し合い」が行われることすらないでしょう。
過去に南北首脳会談は二回行われています。すなわち、2000年の金大中と金正日、2007年の廬武鉉と金正日です。
いずれも、北朝鮮の核・ミサイル開発が問題視されていた時期でしたが、話題は「統一」に終始しました。
文在寅としては、南北首脳会談終了後に、
「緩やかな連邦制をとることで合意した」
と、共同記者発表をするところまで持っていきたいのではないかと推測しています。
となると、当然の話として韓国の「保守派」は猛反発。韓国は朴槿恵末期同様に、またもや混乱に陥ることになるでしょう。
韓国が混乱し、日米との協調や連携が難しくなる中、北朝鮮は淡々と核、ミサイル開発を進める。とにもかくにも、北朝鮮が「核放棄」という決断を下すなど「あり得ない」ことを理解する必要があります。
報道にある「非核化の意思の表明」とは、具体的には、
「北朝鮮に対する軍事的脅威が解消され、北朝鮮の体制の安全が保証されれば、核を保有する理由がない」
というもので、これまでの「立場」と変わりがないのです。朝日新聞の記事では、金正恩が「譲歩した」風にも読み取れてしまいますが、そういう話ではありません。
北朝鮮は、経済制裁やアメリカの軍事的圧力を、韓国との「平和外交」で誤魔化しつつ、核兵器とミサイル開発を続けます。具体的には、アメリカが北朝鮮の核保有を認めるまで、です。
そして、アメリカが北朝鮮の核保有を認めた時点で、我が国は「事実上」アメリカの核の傘から外れるという話になります。
同時に、韓国は「北朝鮮の核の傘」に入り、「核兵器を保有する連邦国家」が朝鮮半島に誕生するという悪夢の未来が訪れるわけです。
中国の「覇権国化」もそうですが、我が国が「泰平の眠り」あるいは「お花畑的平和主義」から強制的に覚まされる瞬間が近づいています。この状況でありながら、政治の世界で、
「プライマリーバランス黒字化を達成するために、防衛費の大幅な増額はできない」
などとやっているとなると、我が国に繁栄の未来はありません。
国防という、国家の基本的役割を果たすためにも、PB黒字化目標は撤回されなければならないのです。
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