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『国土経済論(前編)①』三橋貴明 AJER2018.2.20
https://youtu.be/A-NfdYbNwkk
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地域社会と「人手不足」の関係にばかり注目してきましたが、結局のところ人手不足解消には二つしか方法がないわけです。
(1) 新たにヒトを雇う
(2) 生産性向上
(1)について、現在、人手不足で先行しているのは、東京のような都市部ではなく、むしろ地方である。政府は貧困化が進む東京圏から、地方への生産者の移動を促すインフラ整備、税制を政策として打ち出すべきです。
外国人労働者については、「文化伝統」「外国人犯罪増加」といった話を抜きにしても、
〇言語的コミュニケーションの問題、安全性の低下
〇様々な付随的業務発生によるコスト増
〇技能実習生や留学生は期限付き雇用となる(戦力に育ったところで帰国する)
〇中長期的に日本社会にリスクが生じる(=移民政策のトリレンマ)
〇生産性向上のための投資が進まず、中長期的に人手不足解消を継続できるとは限らない
〇日本政府の「政策」に依存する
〇送り出し国(外国政府)側の「政策」に依存する
〇技能実習生失踪などのトラブルの発生と対応
〇日本人の若年層への技能継承は不可能
〇地政学的リスクの問題
といった様々な問題があるわけでございます。この種の問題に対する対応策を、移民推進派から聞いたことはありません。
さて、(2)の生産性向上ですが、直近で「モノになる」ことが確実だと思える技術は、
〇サイバーダイン社HALに代表されるパワードスーツ
〇ドローン測量、コマツのICT建機に代表されるi-Construction(特に、フルコントロール!)
〇RFIDを用いた完全自動レジ(できれば、塗布型半導体のRFIDで)
〇隊列走行
などになるわけでございます。上記四つは、今年中、遅くても五年以内には「大々的に普及」という段階に至るでしょう。(ドローン測量、コマツのICT建機は、すでに普及の段階に入っています。「人手不足合宿」で事例をお聞きしたのですが、結構すごいです)
それでは、隊列走行ではなく、単独の自動運転はどうでしょうか。
『日産・DeNA 3月に公道で自動運転タクシー実験
https://mainichi.jp/articles/20180224/k00/00m/020/191000c
20年代に実用化目指す
「魅力ある車を届ける本業に加え、多くの皆様に新しいサービスを提供する」。日産の西川広人社長は横浜市内で開いた発表会で、新サービスの意義を強調した。同席したDeNAの守安功社長も「交通が抱える課題をインターネットや人工知能(AI)の力で解決したい」と意気込んだ。
「Easy Ride(イージーライド)」と呼ぶ新サービスの実験は3月5~18日、横浜・みなとみらい地区の公道約4.5キロの限定コースで行う。300組の参加者は、スマホに取り込んだ専用アプリで目的地を決めて車を呼び出し、乗車して移動、降車するまでの流れを体験する。 (後略)』
隊列走行に続き、自動運転タクシーもまた、公道実験が始まります。
もちろん、例えば下北沢など、東京の狭隘な路地を、自動運転タクシーが走り回る日は、相当、先にはなるでしょう。とはいえ、「使えるところ」もあるわけです。
特に、タクシーの成手すらいなくなりつつあり、かつ交通量が少ない地方では、自動運転タクシーは「需要はあるが、供給能力が足りない」インフレギャップを解消するソリューションになる「かも」知れません。
いずれにせよ、国家全体で見ても、企業単体で見ても、
「人手不足を完璧に解決してくれる!」
といった、完全なるソリューションは存在しません。いずれにせよ、中途半端で、不完全で、それでも試行錯誤しながら前に進むしかないのです。
少子高齢化による生産年齢人口比率低下を受けた日本の人手不足は、新たな技術に対する需要を膨張させています。技術的なブレイクスルーは、まさにこの種の需要膨張期に起きるのです。
日本は今回の人手不足を受け、再び世界の技術をリードできる可能性すらあるのです。
その技術大国への道を破壊するのが、もちろん「移民受入」になります。現在の日本にとって、移民受入は、
〇将来世代に「移民国家日本」という、異なる日本を引き渡すことになる
ことに加え、
〇技術大国化への道を破壊する
からこそ、絶対に選択肢はならない政策なのです。
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