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『グローバル化疲れ(後編)①』三橋貴明 AJER2018.1.30

https://youtu.be/zTZAffiW9yU
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 現在の日本では、少子高齢化により「当然の話」として生産年齢人口比率が低下し、各地、各業界で人手不足が深刻化していっています

 人手不足は、少なくとも20年は続きます。理由は、少子化が終わり、子供がたくさん生まれたとしても、20年は働かない可能性が高いためです。


 2017年の若年層(15歳―24歳)失業率は、4.6%。世界が羨む数値でございます。


 改めて繰り返しますが、人口構造の変化を受け、全国各地(特に地方)で人手不足の解消が、経営者に対する強烈な圧力となっています。


 先日の「人手不足解消合宿」で、ゲスト講師の方が仰っていたのですが、
「地方の景気が悪いかといえば、逆に良い。マスコミの情報とは逆です」
 とのことです。


 マスコミは「人口流出する地方は景気が悪化し、衰退する」といった幼稚なレトリックで報道しがちですが、現実には流出している人口は若年層なのです。


 若い担い手が不足した地方では、「地元に残った若者」にとって、
「仕事はあるにも関わらず、競合(ライバル)がいない
 状況をもたらし、働けば働くほど儲かる、生産性向上に成功すると、さらに大いに儲かるという構造が生まれつつあります。


                           


 さて、地方(特に、人口が流出している地方)を皮切りに、なぜ「働けば儲かる、生産性向上すればさらに儲かる」環境が、全国になかなか拡散しないのかといえば、やはり「デフレが未だに終わっていない」に尽きるのです


消費者物価指数、1月は+0.9% プラス幅横ばい=総務省
https://jp.reuters.com/article/japan-cpi-idJPKCN1G630J
 総務省が23日公表した1月の消費者物価指数は、指標となる生鮮食品を除くコアCPIが前年比0.9%上昇した。プラス幅は昨年11月以来3カ月連続の横ばいで昨年初めからのプラス幅拡大が一服しつつある。 』


 デフレ状況を確認するためには、コアCPIではなく、コアコアCPI(食料・エネルギーを除く総合)で見る必要があります。


 2018年1月のコアコアCPIは、対前年比+0.1%。上げ幅は前月と同じでした。


【日本のインフレ率の推移(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_59.html#CPI18Feb


 末端の価格(消費者物価)が上昇しない以上、人手不足による人件費の上昇は、バリューチェーンの間に入っている企業が吸収せざるを得ません


 というわけで、現在の日本では、

「人手不足深刻化により人件費は上がっているにもかかわらず、それを価格に転嫁できない
 形で苦しんでいる企業(主に中小企業)が多いわけです。


 結局のところ、
「人手不足が深刻化し、人件費が上がれば、デフレ脱却できる」
 といったシンプルな話ではないのです。


 何しろ、我が国は20年以上も継続的に価格が下がるデフレーションに苦しめられてきました。しかも、実質賃金の低迷が続いている以上、バリューチェーンの下流(消費者物価を決める段階)にしても、安易な値上げはできない状況が続いているわけです。


 というわけで、このままでは我が国は折角訪れた「人手不足」という機会を活かせず、間に入った企業の人手不足廃業が増えていくというシナリオに突っ込みかねません。


 安倍政権は「五年」もやっているにも関わらず、未だにコアコアCPIがきちんと上昇しないという現実を受け入れ、
「人手不足による人件費高騰を、各社が販売価格にきちんと転嫁できる
「最終消費者が物価上昇を受け入れることが可能なように、実質賃金を引き上げる
 ことを目指さなければなりません。


 そのためには、結局のところ政府が「安定的、継続的」に需要を拡大していくしかないのです。すなわち、財政拡大が必至の局面なのでございます。

「財政拡大が必至の局面だ!」に、ご賛同下さる方は、

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