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『グローバル化疲れ(後編)①』三橋貴明 AJER2018.1.30

https://youtu.be/zTZAffiW9yU
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 福井県の豪雪災害の影響は、未だに続いており、県北部のガソリンスタンドの四割が休業中。五割弱が給油制限という状況になったいます。車社会北陸において、ガソリン不足は深刻な事態です。

 何しろ、タンクローリーがまともに走れない状況であるため、補充が追い付かないようです。


 福井県石油業協同組合の担当者は、
「お店には、もうまるっきりない」
「これほどの燃料不足は初めて」
 と、コメントしていますが、問題は「初めて」の原因です。


 昨日のエントリーでも増えましたが、グローバリズム、市場原理主義において、我々日本国民や企業は「非常事態に備える余裕」を失ってしまったのではないか。


 少なくとも、政府が緊縮路線を継続し、余裕を「ムダ」の一言で切り捨てていっている以上、あり得る話でございます。


 さて、この状況でまたもや西日本上空に強い寒気が流れ込み、北陸や近畿北部において、12日から13日にかけて「大雪」の恐れがあると、気象庁が報じています。


 気象庁は、
「比較的雪が少ないとみられる11日のうちに、安全を確認して除雪を進めてほしい」
 と呼びかけていますが、問題は「除雪の能力」になります。

         
                  

 実は、現在は広島県北部でも7年ぶりの大雪となっており、除雪「能力」が不安視されています。


『総力の除雪、積もる不安 北広島7年ぶり積雪2メートル超
http://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=409253&comment_sub_id=0&category_id=256
 最大積雪量が7年ぶりに2メートルを超えた広島県北広島町で、除雪車がフル稼働している。車両を出すのは自治体の委託を受けた建設業者など。住民の生活を支える除雪作業は今、車両を操作するオペレーターの確保や機械の維持に不安を抱えている。数年に1度とされる強い寒気の影響で連日、雪が降り積もった今月上旬の早朝、豪雪地の同町芸北地域に入り、作業に同行した。(後略)』


 広島県もご多分に漏れず、公共投資削減や各種の規制緩和(談合禁止、一般競争入札化など)により建設業許可業者数が減っています。


 ピークの1999年には15,135社あった業者数が、2014年には11、817社まで減少しています。減少率22%というわけです。


 そもそも、業者数が二割以上も減っている状況で、除雪車両を操るオペレーターも高齢化。北広島町では平均年齢が50代となっています。


 北広島町が委託している業者数は、現在は41業者。十年前と比較し、8業者減少。


 当たり前ですが、除雪とは「ノウハウの塊」になります。何しろ、道路が「見えない」状況で除雪作業を進めるわけですから、雪に隠された構造物を傷めないように除雪するだけで、技術や経験の蓄積が必要になります。


 とはいえ、例により技能継承は進んでおりませんので、このままでは北広島町とっても、二十年後くらいには、
「除雪をしたくても、オペレーターがいないためにできない」
 状況に至るでしょう。


 しかも、除雪車両の維持や修繕にはコストがかかりますが、地方自治体の委託費は「出勤実績」に応じて支払われるため、安定した収益も望めません。雪が降らない年には、コストがかかるだけで、売上はゼロになってしまうわけです。


「お天気様次第」
 で、除雪車両や除雪能力を維持するのは、年を経るごとに困難になるでしょう。


 結局、土木・建設業に妙なルサンチマンを抱き、公共投資削減や談合禁止等、貴重な土木・建設の供給能力を痛めつけることを支持してきた日本国民が、自業自得的に苦難に突っ込んでいっているというのが現状なのです。


 解決策は、
「公共投資を継続的に拡大し、業者数を維持する」
「自治体は地元優先で仕事を発注し、各地の供給能力を維持する(談合も認める)」
 ことで、再土建国家化を目指す以外にないと思いますが、この手の主張を政治家がするだけで、「既得権益を庇うのか!」等々、バズワードで攻撃されることになるでしょう。


 日本の土建能力の弱体化を招いたのは、もちろん始まりはアメリカ(ベクテルなど)や反公共投資派(武村正義、五十嵐 敬喜など)、さらには緊縮路線を採りたかった財務省なのですが、究極的には「国民が支持してきた」ことに変わりはないのです。


 我が国は「除雪できない豪雪大国」化しようとしています。これを「発展途上国化」あるいは「後進国化」と呼ばずに、何と呼べばいいのでしょうか。

「日本の再土建国家化」路線に、ご賛同下さる方は、

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