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『グローバル化疲れ(後編)①』三橋貴明 AJER2018.1.30

https://youtu.be/zTZAffiW9yU
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 政府の地震調査委員会が、各地の大地震の発生確率を引き上げ始めています。


 東海、東南海、南海地震の連動、すなわち南海トラフ巨大地震の30年以内の発生確率は、これまでの70%から最大80%へと引き上げられました


『南海トラフ地震発生確率 最大80%に引き上げ
http://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000120677.html?r=rss2&n=20180210064204
 政府の地震調査委員会は、これまで70%程度としてきた南海トラフ地震が発生する確率を最大で80%に引き上げました。
 地震調査委員会は毎年、その年の1月1日を基準に全国の地震の発生確率を公表しています。南海トラフ地震に関しては最大でマグニチュード9クラスが予想されていて、今後30年以内に発生する確率は去年が「70%程度」としていましたが、今回、「70%から最大80%」に引き上げました。また、北海道根室沖の巨大地震についても「80%程度」に引き上げました。確率は地震が発生した間隔などをもとに計算されていて、時間の経過によってその確率は上がるということです。地震調査委員会は「巨大地震が起こるということを忘れないで備えてほしい」としています。』


 これまでの発生確率は2017年1月1日が基準日でした。


 今回は、算定基準日から一年が経過したということで、基準日を18年1月1日として再計算が行われたものです。


 新聞などでは、南海トラフ巨大地震の30年以内発生確率について「最大80%」といった書き方がされていますが(間違っていませんが)、厳密には「70-80%」に引き上げられたのでございます。


         
                  

 さて、福井県の大雪はようやく峠を越え、最大1500台の自動車が立ち往生した国道8号線も開通。物流も、復旧しつつあります。


 もっとも、ガソリンや食料品の流通は未だに滞っており、在庫も底をつきつつあります


 逆に考えれば、各店舗が経済合理性「のみ」を考え、十分なガソリン在庫や食料在庫を用意していなかった場合、今回の大雪で福井市は修羅場に突入したことになります。(その場合、政府がヘリで物資を空輸しようとするでしょうが、今回の大雪の中で滞りなく運べたのでしょうか・・・)


 大地震にせよ、豪雪災害にせよ、非常事態に備えるためには「余裕」が必要です。そして、この余裕が「ビジネス」や「経済学」の場では、しばしば「ムダ」と呼称されるわけです。


 昨日の両備グループではないですが、例えばバス会社が赤字路線でも維持しようとするのは、
地域住民の足を奪うわけにはいかない
 という、最終的にはナショナリズム(国民意識)に繋がる使命感であり、愛郷心故でしょう。


 とはいえ、現実にバス会社が「ムダ(赤字)な路線」を維持するためには、余裕が必要なのです。全てが赤字路線になってしまった場合、使命感も愛郷心もあったものではありません。普通に倒産するだけです。


 すると、地域住民の「足」は一気に消滅することになります。


 この種の余裕あるいは「ムダ」の存在を認めず、緊縮財政、規制緩和、あるいは自由貿易と、グローバリズムのトリニティにより、国内の生産者をキリキリと締め上げてきたのが、過去の日本政府であり、現在の安倍政権というわけです。


 結果的に、ついに我が国は世界屈指の自然災害大国でありながら、大震災や豪雪に対して備える「余裕=ムダ」すら失おうとしている


 これが、現在の日本の姿なのだと思います。


 カネ、カネ、カネ、と、カネばかりを重視し、人間が生きていくために本当に必要なもの、すなわちモノやサービスを生産する力を毀損してでも、カネ稼ぎを進めようとする。カネを切り詰め、いざというときに備える余裕すら捨てる


 カネがなくても国民は生きられるでしょう。とはいえ、モノやサービスを生産する力や、それによって維持される「余裕」が存在しない場合は、国民は「死ぬ」ことになるのです


 この現実を日本国民が理解しない限り、我が国の将来は暗澹たるものにならざるを得ないでしょう。


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