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『グローバル化疲れ(後編)①』三橋貴明 AJER2018.1.30
https://youtu.be/zTZAffiW9yU
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福井県や石川県など、北陸地方の豪雪災害が続いています。
記録的な大雪となった福井市では、鉄道網やバスもストップ。道路も次々に通行止めになっていき、街全体「孤立状態」に至りました。
福井市内の私立高校は、入学試験を中止。
逆の意味で怖いのですが、この状況で北陸新幹線は1月6日に一部(つるぎ)が運行停止になったのみで、普通に金沢まで走っていました。(さすがに6日は徐行運転だったようですが) サンダーバードやしらさぎなどの特急が、ことごとく終日運休となったのとは対照的です。
北陸新幹線は先頭車両に「スノープラウ」と呼ばれる「雪かき」がついているのですが、それにしても凄いです。北陸新幹線が敦賀まで開通していたならば、相当に状況は異なったでしょう。
さて、実質賃金。
『17年の実質賃金、2年ぶりマイナス 物価上昇が影響
https://www.asahi.com/articles/ASL266QVWL26ULFA04F.html
厚生労働省が7日発表した2017年の毎月勤労統計調査(速報)によると、物価変動の影響を除いた賃金の動きを示す実質賃金指数が前年を0・2%下回り、2年ぶりに低下した。名目賃金は上昇したが、物価の上昇に追いついておらず、実質的な購買力を示す実質賃金は減少した。
名目賃金にあたる労働者1人当たり平均の月額の現金給与総額(パートを含む)は前年比0・4%増の31万6907円で、4年連続で増えた。このうち基本給などの「きまって支給する給与」は同0・4%増の26万793円、賞与などの「特別に支払われた給与」は同0・4%増の5万6114円だった。
一方、実質賃金の算出に用いる消費者物価指数は、電気料金やガソリン価格が上がった影響で前年より0・6%上昇。このため、実質賃金指数は前年より0・2%低下した。(後略)』
原油価格はWTIで見ると、二年前には1バレル40ドル切っていたのが、今は60ドルを超えています。
結果、電気料金やガソリン価格が上昇し、実質賃金が下がってしまったわけですが、まずは、
「そもそも、外国から輸入せざるを得ない原油関連を『インフレ率』の評価に含めるのはやめろ!」
と、突っ込みを入れておきます。
少なくとも日本の場合、インフレ率は(消費者物価で見たいならば)コアコアCPI(食料・エネルギーを除く総合)で見るのが正しいと思います。
2017年のコアコアCPIは、対前年比▲0.1%でした。つまりは、国内需要を中心とした物価は上がっておらず、デフレ脱却「道遠し」という感じです。
実質賃金を見る場合は、もちろん「生活実感」と関係があるため、コアコアではなく「持家の帰属家賃を除く総合」で見る方が適切です。「持家の帰属家賃を除く総合」で見た2017年のCPIは、対前年比+0.6%。
名目賃金の方はそこまで増えておらず、実質賃金がマイナスになってしまったという話です。
つまりは、現在の日本は、
(1) 見た目(コアCPIや「持家の帰属家賃を除く総合」)のインフレ率上昇は、国内需要の拡大ではなく、外国から輸入する原油価格上昇の影響
(2) 原油価格上昇の影響を、名目賃金アップでカバーしきれず、国民の貧困化(実質賃金下落)が続いている
という状況にあることになります。
怖いのは、五年間も政権を担いながら、デフレ脱却に失敗した安倍政権が、
「インフレ率は(コアCPIで)対前年比+0.5%と、着実にデフレ脱却に近づいている」
「実質賃金は下がって『見える』かも知れないが、雇用は改善している」
などと、国民の貧困化を無視し、財務省路線(緊縮財政)を突っ走る可能性が極めて濃厚という点です。
とにもかくにも、我が国では多くの経済指標やデータが緊縮財政に活用される(都合が悪いデータは無視される)傾向が強いわけです。
というわけで、一日本国民としては安倍政権の緊縮財政を押しとどめるためにも、
「インフレ率上昇は原油価格上昇の影響に過ぎない」
「実質賃金が下がっている以上、国民の貧困化は続いている」
と、声を大にして訴えざるを得ないのです。
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