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『グローバル化疲れ(後編)①』三橋貴明 AJER2018.1.30
https://youtu.be/zTZAffiW9yU
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ビットコインの価格が、コインチェックのトラブルなどを経て、ついに100万円を下回りました。
『ビットコイン価格 一時100万円を下回る
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180201/k10011312271000.html
インターネット上の大手取引所から多額の仮想通貨が流出した問題などを背景に、1日の仮想通貨の取り引きでは売り注文が膨らみ、代表格のビットコインの価格が一時100万円を下回りました。
仮想通貨の大手取引所「ビットフライヤー」によりますと、1日の取り引きで幅広い種類の仮想通貨に売り注文が広がり、代表格のビットコインは一時、1ビットコイン当たり100万円を下回りました。
ビットコインは去年1年間でおよそ20倍に値上がりし、去年12月に220万円という最高値をつけました。
このため投機の過熱を指摘する声が高まっていましたが、このところ価格の下落が続き、半分以下に落ち込んだことになります。(後略)』
なぜ、ビットコイン・バブルの崩壊を繰り返し取り上げるのかと言えば、「フロー」と「ストック」の関係について理解して欲しいためです。
何度も書いていますが、ビットコイン事態は「国際決済」では役に立つと思いますが(手数料が安いため)、国内経済においては、その辺の「石ころ」と同じです。
ビットコインによる支払いを認める店も出てきていますが、こうも乱高下するのでは、そのうちに撤退するでしょう。何しろ、ビットコインによる支払いを認めている店舗にしても、仕入れは「日本円」でやるしかないのです。
ある意味で、ビットコインは「金(きん)」と同じです。いや、金の場合はレアメタルとしての価値がありますが、ビットコインはそれ以下です。
繰り返しますが、国際決済を安い手数料で行いたいという動機を持つ以外の人にとって、ビットコインは単なる「数字」でしかありません。
この「数字」が、なぜここまで高騰したのか。もちろん、誰もが、
「もっと価格が上昇するはずだ」
と、キャピタルゲインの欲求を抱き、借金(信用取引)をしてまでビットコインを買いまくった結果、一時は1BTC=220万円に達しました。
とはいえ、ビットコイン自体は所有者に配当金や金利など、何らかの所得をもたらすわけではないのです。
ちなみに、ビットコインへの投機(投資ではありません)はギャンブルなので、やりたい人はやればいいのです。購入価格よりも高い金額でビットコインを売り抜けられれば、キャピタルゲインが出て良かったね、というだけの話に過ぎません。
問題は、信用取引によりビットコインを購入していた人が、「ビットコイン・バブル崩壊」に直面すると、確実にフローの世界で消費や投資を減らしてしまうという点です。本来は、ストック(資産)の世界における価格の変動が、実体経済(フロー)に悪影響を及ぼすのでございます。
これが、大々的に起きたの91年以降の日本のバブル崩壊なのです。
【日本の地価の変動(対前年比%)】
http://mtdata.jp/data_58.html#tika
上記の通り、バブルのピークには対前年比で50%(!)を越える上昇を見せていた日本の地価は、バブル崩壊後にマイナスに転じました。
借金で購入した土地の価格が下がっていく。当然ながら、国民(主に企業経営者)が負債の返済に走り、消費や投資が減り、そのタイミングで橋本政権が「消費税増税」「公共投資削減」「医療費の自己負担引き上げ」といった緊縮財政に踏み切った結果、日本はデフレに突っ込みました。
借金で購入した資産の時価が下がると、国民は負債返済に走り、消費や投資が減り、国内の需要が減る。
この、当たり前のことが起きたのが91年以降の日本なのです。
それにも関わらず、経済学者は日本のデフレについて意味不明な理屈をこねくり回し、「需要不足」を認めることもなく、最終的には、
「デフレは貨幣現象。おカネの量(とはいっても、単なるマネタリーベース)を増やせば解決する」
と、奇想天外なソリューションが「いわゆるリフレ派」により展開され、失敗に終わったのが過去五年間の日本でした。
デフレとは、資産価格の暴落により、国民の負債返済が増え、消費や投資という需要が減ったからこそ、発生する。現在のビットコインバブル崩壊の顛末を見ていれば、誰にでも理解できるはずです。
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