国民が飢えに苦しむ国へ

テーマ:

株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから 

三橋貴明のツイッター はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

『財務省が日本を滅ぼす(その2)①』三橋貴明 AJER2017.11.21
https://youtu.be/UXDrKkdq3yk
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆>

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 昨日は、愛媛県大洲市で講演だったのですが、講演後の質問に立たれた農家の方(多分)が、
「車で走っていると、かつての田畑が荒野になっている。このままでは、日本国民が再び飢えに苦しむ時代が来るのではないか?」
 と、語っていましたが、仰る通りです。


 田畑で農産物を作る。これは国家の基本です。


 現在の安倍政権の緊縮財政、農協解体、農業解体路線を突き進むと、田畑が次々に他目的で転用されていくか、あるいは耕作放棄地として「荒野」と化し、農業技術の伝承もされず、外国からの食料輸入が途絶えた途端に「国民が飢える」国になるでしょう。というか、もはやなりつつあります。


 日本の食料安全保障は、すでに成り立っていないのです。


 というわけで、本来であれば政府は、
「全ての田畑を耕し、農産物を生産して下さい。生産された農産物は全て適正価格で政府が買い取ります
 といった政策を打ち、農業の生産能力を維持し続けなければなりません。


 ところが、現実の日本政府は大東亜戦争敗北後、アメリカの小麦・配合飼料流入でコメの需要が次第に減る中、「減反」という形でしのごうとしてきました。


【日本の水稲の作付面積の推移(㌶) 】

http://mtdata.jp/data_58.html#sakutsuke


 1970年代には300万㌶を越えていた水稲の作付面積が、今や150㌶を割り込む状況になっています。それはまあ、「荒野」が増えるのも無理もありません。


 なぜ、このような事態になったのか。


 大東亜戦争敗北後、我が国の国民の「胃袋」あるいは「カロリー」は、次第に小麦、畜産物で満たされるように「改革」されていきます。理由は、もちろんアメリカの小麦や配合飼料の「市場」が必要だったためです


 昭和35年、日本国民は一日に1106キロカロリーをコメからとっていました。それが今や、わずか549キロカロリー


 反対側で、小麦、油脂、畜産のカロリーが激増します。(カロリー総量はそれほど変わっていません)


 小麦はもちろんアメリカ産。畜産物にしても、アメリカの配合飼料を食べ、日本で生産されます。


 戦後の日本国民の「胃袋」という市場は、アメリカの穀物の消費地として「改革」されたのです。

                      


 本来、日本政府は国民の胃袋とは無関係に、300万㌶を超す水稲作付面積を維持するべきでした。もちろん、コメが過剰に生産されることになりますが、それでいいのです。過剰米含めて日本政府が全量買い取り、コメの生産能力が維持されることを政策目標と掲げなければならなかったのです。


 それが「食料安全保障」でございます。


 ところが、日本政府は「減反」という形で、生産抑制に走りました。結果、作付面積がピークの半分未満になってしまった。


 この「減反政策」が、来年、廃止されます。減反が廃止されると、作付面積は一時的には広がります。とはいえ、政府の「全量買い取り」といった政策がない以上、コメ価格はひたすら落ちていくでしょう。


 すると、価格競争に耐えかねた農家が廃業し、作付面積はさらに減っていくことになります。


『コメ安定生産を後押し=減反廃止後の調整役担う-民間主体で全国組織
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017112800153&g=eco
 自民党は28日、国によるコメの生産調整(減反)が2018年度に廃止されるのに伴い、年内にも市場の需給情報などをまとめる全国組織を設立する案を決定した。新組織は民間主体とし、減反廃止によって懸念される過剰生産を防ぐなどコメの安定生産を後押しする。ただ、強制力はないため、実効性を確保するのは困難との見方も出ている。
 1971年に本格的に始まった減反政策は、過剰生産でコメの価格が下落するのを防ぐのが目的で、国は各都道府県に主食用米の生産数量目標を配分してきた。国による配分は18年度から行われなくなり、減反に協力した農家に支払う10アール当たり7500円の補助金も廃止される。JAグループなどは混乱を懸念し、全国規模で需給調整を行う必要があると訴えていた。(後略)』


 別に、減反政策が善であると言いたいわけではありません。


 とはいえ、政府の「全量買い取り」といった政策無しで、コメ価格暴落を防ぐには、減反しかなかったというのが現実なのです。


 本来、政府が減反政策を放棄するのであれば、全ての農家にコメを生産してもらい、適正さ価格で「政府」が買い取り、農家の所得を維持しなければなりません。日本以外の先進国は、実際にそうしています。


 政府が買い取った余剰のコメは、いかようにも「処分」すればいいのです。


「もったいない!」
 と、思われるかもしれませんが、日本のコメの生産能力が維持されるため、食料安全保障は強化されます。


 現在、日本の穀物自給率は30%を割り込んでいます。もちろん、コメの自給率は100%ですが、それは「需要が減った」ためであり、コメのカロリーを他の「輸入穀物」で代替しているためなのです。


 すなわち、外国からの穀物の輸入が停まれば、コメをフル生産したとしても、穀物自給率は50%にも満たず、数千万人が「飢える」ことになります。


 それでも、いいのですか?


 我が国は、明らかに将来的に「国民が飢えに苦しむ国」へと向かっている。それにも関わらず、作付面積をさらに減らすことが明らかな減反政策廃止に、政治家が異を唱えない


 我が国は、狂っています。

「国民が飢える国にしてはならない!」に、ご賛同くださる方は、↓このリンクをクリックを!

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
新世紀のビッグブラザーへ blog
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページは↓こちらです。
 
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。