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『財務省が日本を滅ぼす(その2)①』三橋貴明 AJER2017.11.21
https://youtu.be/UXDrKkdq3yk
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 ようやく、「国の借金」問題の根本的な間違いが、少し世に広まりつつあるように思えます。


『「日本は借金まみれ」という人の根本的な誤解 「政府の借金」と「家計の借金」は同じではない
http://toyokeizai.net/articles/-/197886
(前略)「借金が増え続けている」というフレーズだけを聞くと、不安に思う一般の人々が多いのは仕方ないかもしれない。たとえば年収500万円の人が、1000万円の借金を抱えることになれば、その負担が大きいのは確かだ。そして、日本は国民1人当たりの借金が数百万円に達するなどと頻繁に伝えられている。

 しかし、メディアでいわれる「日本の借金」とは、個々の家計が抱える借金とはかなり異なるのが実情である。国民1人当たり数百万円の借金があるという言い方は、機械的に計算するとそういう数字が出てくるだけにすぎない。 
 これは、日本の財政状況の危機が深刻であるかのように政治的にアピールする方便の1つだと筆者は常々考えている。この事実を理解するには、政府・企業・家計という主体別にバランスシートを分けて考えたうえで、俗にいう「日本の借金」は、実は政府の負債であり、家計や企業から政府が借金しているという貸借関係を頭に入れる必要がある。
 そうすると、「日本の財政状況は、家計が大規模な借金を抱えている状況」というイメージと実情がまったく異なることが理解できる。よく知られている話かもしれないが、政府部門では、2017年3月末時点で、借金である国債などが1052兆円の負債として計上されている。
 政府は借金の一方、日本人は国債という資産を保有
 だが、政府よりも大きなバランスシートを持つ金融機関と家計・企業によって、この1000兆円規模の国債(政府負債)の多くが「資産」として保有されている。つまり、政府は借金しているが、一方で日本人が「国債という資産」を保有していることになる。
 実際に国債を大量に直接購入しているのは銀行、生命保険会社などの金融機関であり、約1000兆円の国債などを金融機関が資産側に保有している。
 一方、家計・企業が国債を資産として保有している分は限られる。ここで、なぜ銀行や生命保険会社が国債を大量に保有するかを理解する前提として、金融機関と家計・企業のバランスシートの関係を理解する必要がある。(後略)』

        


 思えば、わたくしが最初にこの問題の「嘘」について言及したのが、確か2007年(デビュー直前頃)でした。あれから十年が経過するわけですが、未だに、
「日本は国の借金で破綻する」
「1000兆円の借金が」
 といった認識の国民が多数派でしょう。


 そもそも、「国の借金で破綻する」云々言い出してから22年が経過しているんだが・・・。赤字国債が問題として騒がれ始めてからは、35年(!)だっ!(朝日新聞が最初に「財政 "サラ金地獄に"」と煽ったのが、1982年)


 国の借金ではなく、日本の借金でもなく、政府の負債。


 1000兆円とは政府の負債であり、国民の借金ではない。


 政府に貸しているのは、国内の金融機関であり、外国ではない。


 などなど、この手の「事実」についてわたくしが理解できたのは、わたくしが財務分析のプロであることが理由です。企業の財務分析で、バランスシート(貸借対照表)の一か所のみをクローズアップし、
「破綻する~っ!」
 などと騒ぎ立てるコンサルはいません。


 というわけで、わたくしは日本国家全体のバランスシートを更新し続けています。最新がこちら。


【2017年6月末(速報値)日本国家のバランスシート(億円)】

http://mtdata.jp/data_57.html#BS17Jun


 おカネとは貸し借りで増える「債務と債権の記録」であるため、特定の「モノとしてのおカネ(例えば現金紙幣)」などを各経済主体が貸し合っているわけではありません。


 政府が銀行から借りているのは、日銀当座預金という日銀の負債。企業や家計が銀行から借りているのは、銀行預金という銀行の負債です。


 政府が銀行の国債10兆円分を償還(返済)したとき、政府の資産である日銀当座預金10兆円が銀行に移り、銀行の借方の国債10兆円と、政府の貸方の国債10兆円が消滅します。すなわち、おカネが消えます


 おカネは使っても消えませんが、借入金の返済では消えます。なぜならば、おカネとはそもそも「債務と債権の記録」であるためです。


 結局のところ、おカネの正体あるいは「真実」を国民が理解しなければ、「国の借金」という虚偽情報が修正されていくことはないように思いました。


 というわけで、一年前に「日本人が本当は知らないお金の話 」を刊行し(先日、またもや増刷になりました)、新たな経営者向けのコンテンツとなる「人手不足解消合宿 ~人手不足は利益拡大の絶好のチャンスだ!~ 」においても、おカネの話から始めることにしたのでございます。


 借金というのも、実はおカネである。この真実が国民に広まらない限り、
「国の借金で破綻する~っ!」
 のプロパガンダは終わらず、日本国の小国化、発展途上国化、中国の属国化は止まらないでしょう。

「おカネについて正しく「真実」を知ろう」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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