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『財務省が日本を滅ぼす(その1)①』三橋貴明 AJER2017.11.14
https://youtu.be/sRjEjSTLbTQ
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 さて、2017年7-9月期の国民経済計算が発表になりました。


 GDPデフレータは、何とかプラスになったものの(対前年比+0.1%ですが)、内需は縮小。輸出の増加と、輸入の「減少」 により、経済成長率がプラス化するという「内需縮小型経済成長」という、大変情けない状況に陥っています。


『7~9月期GDP1.4%増 外需好調で7期連続、消費は減少
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO23495020V11C17A1MM0000/
 内閣府が15日発表した2017年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質の季節調整値で前期比0.3%増、年率換算で1.4%増となった。プラス成長は7四半期連続で、約16年ぶりの長さとなった。海外経済の緩やかな回復を背景とした輸出の伸びが成長をけん引し、長雨や台風などの影響で減速した個人消費を補った。(後略)』


 経済成長率(実質GDPの成長率)を見るときは、少なくとも二つ、注意点があります。


 一つ目は、総需要である名目GDPが縮小してしまったとしても、インフレ率であるGDPデフレータが大幅なマイナスになると、実質GDPはプラスになってしまうという点です。


 二つ目、GDPにおいて輸入は「控除項目」であるという点になります。


 内需が縮小し、輸入が急激に減ると、その分、GDPは「プラス」になり、経済成長しているように「見えてしまう」のでございます。


 一つ目の「デフレ型経済成長」に陥っていたのが、今年の1-3月期。
 二つ目の「内需縮小型経済成長」に陥ったのが、今年の7-9月期でございます。


    


 17年7-9月期のGDPは以下の通り。(数値は全て対前期比)

● 民間最終消費支出 ▲0.5%
● 民間住宅 ▲0.9%
● 民間企業設備 0.2%
● 政府最終消費支出 ▲0.1%
● 公的固定資本形成 ▲2.5%
● 輸出 1.5%
● 輸入 ▲1.6%


 上記の通り、設備投資(辛うじて+0.2%)を除く内需が総崩れ状態に陥り、「輸入が減った」結果、実質GDPが対前期比+0.3%になったというのが、17年7-9月期でした。


 要するに、日本経済は成長していません


 最近、昨今の実質GDPの「デフレ型経済成長」と「内需縮小型経済成長」について、「いざなぎ景気」と比較するおバカさんな論調を見かけるので、いざなぎ景気と、第二次安倍政権発足以降の対前年同期比経済成長率を比較しました。


【いざなぎ景気と第二次安倍政権発足以降の経済成長率比較(対前年同期比)】

http://mtdata.jp/data_57.html#izanagi


 このグラフを見てなお、第二次安倍政権以降が「いざなぎ超え」だ何だと口にできますか


 何と、情けない・・・・。

 最近の安倍政権は、デフレ型経済成長や内需縮小型経済成長で、だらだらと実質GDPのプラスが続いていることを、
「経済政策の成果だ!」
 などと謳い、自分を誤魔化そうとする、見事な認●知●的●不●協●和に陥っているように見えます。


 結果的に、「経済成長している」と思い込んでいる政権により、緊縮財政が進められ、国民経済はデフレ化が進む。


 現在の「見た目の経済成長」は、日本国の「国難」を一層、深刻化させているように見えてならないのです。

 安倍政権はいい加減に「現実」を見るべきです。

「安倍政権は現実を見ろ!」にご賛同下さる方は、

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