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『ビットコイン①』三橋貴明 AJER2017.10.24
https://youtu.be/DZlNjsT05aA
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 いよいよ小学館「財務省が日本を滅ぼす 」が発売になりました。



 藤井聡先生が週刊ポストにご登場されていました。


『2014年の消費増税なければ今頃日経平均3万円も…
http://www.news-postseven.com/archives/20171031_625049.html?PAGE=1#container
(前略)増税の後遺症による景気の落ち込みはいまも続いている。安倍政権ブレーンもその懸念をはっきり認めている。内閣官房参与を務める藤井聡・京都大学大学院教授が語る。
 「総務省の家計調査などをもとに試算すると、増税後の3年間で家計の実質消費は1か月あたり平均2万8000円も減少、実質賃金は4%以上ダウンしています。民間企業の投資も大きく落ち込み、日本の経済成長率は増税の直前には4%成長(2014年1~3月期)という近来にない高い伸びを示していたのに、増税後はいきなり1.3%に下がり、直近の名目GDPはマイナスに転じた。日本経済は再びデフレ化しつつある状況なのです」(後略)』


 藤井先生の補足。
ちなみに、この4%→1.3%という数字は、成長率でなく「民間投資」の統計ですねw ちなみに名目内需成長率は4.5%→1%へとめちゃ激しく凹んでいます)』
 とのことでございます(藤井先生のフェイスブックより)。


 日本銀行は、10月31日の金融政策決定会合において、17年度の物価上昇率の見通しを7月時点の1.1%から0・8%に、18年度は1・5%から1・4%にそれぞれ引き下げました


 日本銀行の説明によると、輸出や生産が伸び、雇用も堅調なものの、賃上げの勢いが鈍い、と。9月の物価上昇率はコアCPIで0・7%、コアコアCPI(食料<酒類を除く>エネルギーを除く総合消費者物価指数)では+0%でした。


 すなわち、食料やエネルギーを除いた物価は全く上昇していません

                             


【図 日本のインフレ率(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_57.html#CPI17Sep


 正直、日本のインフレ率が上昇しない責任を日銀に押し付けるのは気の毒です。日銀は精一杯、金融緩和をしています。


 日銀が金融緩和を継続したところで、政府が緊縮路線を改めない以上、モノやサービスの購入は増えません。そして、モノやサービスの購入が増えない限り、インフレ率が上がるはずもないのです。

 無論、CPIやコアCPIは輸入するエネルギー価格の上昇など、国内の需給と無関係に上昇するかも知れません。とはいえ、それでは意味がないのです。


 デフレ脱却とは、あくまで、
国内需要が拡大し、モノやサービスが買われ、国民の実質賃金が上昇する形で物価が上昇する
 でなければなりません。


 なぜならば、GDP三面等価の原則により、需要=所得になるためです。

 単に、原油やLNGの価格上昇で物価が上がるだけでは、国民の可処分所得はむしろ減ります。輸入単価上昇による物価上昇は、下手をしないでもデフレ圧力です。


 というわけで、インフレ・デフレの判断をする際に、CPIやコアCPIを見るのはナンセンスで、やはりコアコアCPI(及びGDPデフレータ)で見なければなりません。そのコアコアCPIが、9月は対前年比0%。物価は全く上がっていないのです


 結局のところ、デフレ脱却を標榜して誕生した安倍政権が、「デフレは貨幣現象」という出鱈目理論に則り、金融政策+緊縮財政というアクセルとブレーキを同時に踏む政策に乗り出してしまったことが問題なのです。13年6月のPB黒字化閣議決定がなければ、消費税増税も不要でした。日本の再デフレ化は避けられたはずです。


 改めて、岩田教授や浜田教授ら「いわゆるリフレ派」の理論は、財務省にとって実に都合が良い考え方です。何しろ、金融政策で期待インフレ率が上昇すれば、デフレ脱却できるのです。


 岩田教授の「「量的・質的金融緩和」の波及経路」には、「財政」が見事なまでに含まれていません。財務省からしてみれば、さぞやありがたい「考え方」だったのでしょう。


 いずれにせよ、緊縮財政路線が続く限り、日本のデフレは続きます。デフレとは、国民の貧困化であり、国家の小国化であり、日本国にとっては「中国の属国化」である


 上記を前提に、高い経済成長率を取り戻すために、とにもかくにも「正しい形」でデフレから脱却しなければならない。そのためには、PB目標の破棄と、緊縮路線の転換が必要なのです。


 このまま緊縮路線が続く限り「財務省が日本を滅ぼす 」は普通に「過去形」になることでしょう

「財務省の緊縮路線の打破を!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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