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『ビットコイン①』三橋貴明 AJER2017.10.24
https://youtu.be/DZlNjsT05aA
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 いよいよ小学館「財務省が日本を滅ぼす 」の発売日です。



 これで、我が社に国税の査察官がやってくることになるわけですね。

 昨日は、GDP全体の話(要は中国問題)を取り上げましたが、本日はミクロな国民の貧困化、つまりは実質賃金の低下です


8月の実質賃金、確報値は0.1%減に下方修正 毎月勤労統計 
https://www.nikkei.com/article/DGXLASFL20H6D_Q7A021C1000000/
 厚生労働省が20日発表した8月の毎月勤労統計(確報値、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.1%減となり、速報値(0.1%増)から減少に転じた。減少は3カ月連続。基本給など名目賃金がそれぞれ速報段階から下方修正された。(後略)』


 速報値から確報値になり、数字が変わるのは当然ですが、「+0.1%」が「-0.1%」というのは酷い修正ですね。プラスとマイナスでは、状況が真逆になります

 別に、故意だったり、何らかの意図があるとは思いませんが。


 -0.1%というのは現金給与総額で、わたくしが重視する「きまって支給する給与」は、-0.4%と、速報値(-0.1%)からマイナス幅を拡大してしまいました


【日本の実質賃金の推移(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_57.html#JCAug17


                            


 実質賃金が低下しているとは、国民が「米を買える量が減っていく」という意味です。要するに貧困化ですが、同時にマクロ的には生産性が向上していないことを意味します。


 あるいは、労働分配率の低下です。


 青木先生がコラムで解説して下さいましたが、実質賃金は「生産性」と「労働分配率」の掛け算で決まります。



 実質賃金の低迷とは、生産性の低下か労働分配率の低下、もしくは「その双方」が原因ですが、実際の日本は「双方」です。生産性が下がり、かつ労働分配率も落ちていっています。


 次の本(徳間書店「2018年」)で詳しく解説しましたが、昨今の日本はフルタイム雇用から短期雇用(パートタイム、アルバイト)への切り替えが進んでいました(最近、ようやくフルタイムが戻り始めましたが)。


 団塊の世代(フルタイム)が引退し、企業がパートタイムやアルバイトでしのごうとし、一種の「ワークシェアリング」が行われた結果、実質賃金の低下と雇用の改善が同時進行しているのが、現在の日本です。(これだけ雇用が改善すれば、普通は実質賃金が上がる)


 同時に、企業は労働分配率を引き下げていっています。利益が出ても、配当金、自社株買い、そして内部留保の現預金に資金が回され、人件費は上昇しません。


 結局のところ、何が問題かと言えば、
「企業が人手不足が深刻化する中、自信をもってフルタイムの雇用を増やし、生産性向上のための投資に踏み切り、実質賃金や労働分配率を引き上げても人員を確保する気になれない
 という点が、現在の日本の問題なのです。


 そして、なぜ企業が「自信を持てない」かといえば、過去二十年間、デフレという需要不足に苦しめられてきたためです。


 というわけで、政府がやるべきことは、「安定的かつ長期的」に需要が拡大することをコミットし、企業経営者が、
フルタイムの人員を確保し、さらに生産性向上のための投資に踏み切らなければ、機会損失により大損する!
 と、思い始める環境を構築することです。


 答えは「財政出動(しかも、長期安定的)」しかないわけですが、当然ですが「財政を」などと政治家が言いだしたとしても、PB黒字化目標が妨害します。精々が補正予算までで、「安定的、長期的な財政拡大」は絶対に不可能なのです。


 何しろ、PB目標とは「財政の全体の規模を一定に保つ」という、奇天烈な思想なのです。経済成長、全否定でございます。


 最低限、PB目標を閣議決定で破棄しなければ、我が国の実質賃金が安定的に上昇する局面は訪れません。国民の貧困化は続きます。


 今の財務省は、冗談でも何でもなく、日本国民の貧困化のために存在している省庁なのです。この「事実」を日本国民が共有しなければ、我々が「国民が豊かになる経済」を取り戻すことは不可能です。


 PB目標破棄の閣議決定を!

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