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『失業率と実質賃金(後編)①』三橋貴明 AJER2017.9.26
https://youtu.be/a-seRvhJg5s
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 アメリカ軍と韓国軍による、朝鮮半島有事を想定した共同訓練が朝鮮半島近海で始まりました。


 韓国紙の報道によると、北朝鮮のミサイル車両が出現と消失を繰り返しているなど、予断を許さない状況です。


 さて、コンビニエンスストア。


外国人技能実習に「コンビニ」、業界が要望…弁護士「問題多い制度を使うべきでない」
https://www.bengo4.com/c_5/n_6793/
 コンビニ各社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会は、外国人技能実習制度の対象として、コンビニの店舗運営も加えるよう、年内にも政府に申請する見通しだ。
 同協会は、「日本のコンビニをパッケージとして輸出したい。技能実習の対象となれば、実習生が店舗運営のノウハウの一番の理解者となってくれる」と海外展開を見据えた意義を説明している。コンビニでは現在、人材不足が慢性化しているが、同協会は「人材不足を補うためのものではない」と否定している。
 これまで、外国人技能実習生は、工場や農家などが中心で、過酷な労働環境などが問題視されることが多かった。(後略)』


 外国人技能実習生制度とは、短期外国人労働者を雇用する仕組みではありません。厚生労働省の言葉を借りると、
「我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としています」


 日本が未だに「先進国」なのかどうか、わたくしには確信が持てなくなっていますが、それはともかくとして途上国の人々に日本で働いてもらい、吸収した技能、技術、知識で祖国の発展のために尽くしてもらうことこそが、技能実習制度の(表向きの)目的なのです。


 日本フランチャイズチェーン協会は、コンビニ業務を技能実習生の対象に加えることについて、
「人手不足を補うためのものではない」
「コンビニ各社の海外展開を後押しし、発展途上国の流通業の発展に貢献するため」
 などと説明していますが、違うでしょ。安い労働力が欲しいだけでしょ


 という話は今更ですが、コンビニの技能実習生制度対象化について、弁護士の指宿昭一氏は、技能実習制度に根本的な欠陥があり、多くの人権侵害事件を引き起こしていることを指摘(これは事実)した上で、
「コンビニ店舗で外国人労働者によって人手不足を解消しようとするなら、新たな外国人労働者受入れ制度を作るべきです」
 と語っていますが、それも違うでしょ


 コンビニの人手不足は、資本主義国として「技術投資」「設備投資」により解決するべきです。すなわち、生産性向上です。


                                  


 コンビニで最も人手がかかるのが「レジ」です。パナソニックとローソンが守口市で完全自動レジを実験をしていることは何度か紹介していますが、今回はその「基幹技術」となるRFIDの電子タグについて。


無人化に向けコンビニ商品にRFIDタグ 村田製作所 
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21417120S7A920C1000000/
 村田製作所は、コンビニで販売する商品にRFIDタグを貼り付け(図1)、購入時の精算処理や、在庫管理を自動化するデモを自動認識総合展(2017年9月13~15日、東京ビッグサイト)で実施した。少子高齢化に伴う労働人口の減少による人手不足の解決策になると同社はみている。(後略)』


 村田製作所のRFIDタグは「シール」形式です。村田製作所によると、コストについて、
タグの価格を1円以下にする必要がある
 とのことでございます。


 RFIDタグのコストの問題の切り札になるのではないかと考えている技術が、こちら。 


印刷ICをCNTで世界最高速に 東レが920MHz帯の使い捨てRF IDを実用へ
http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/020206095/?rt=nocnt
 東レは、塗布型半導体の電子移動度を81cm2/Vsに高める製造技術を開発した。920MHz帯の電波を使うRF IDタグの電子回路に使え、既存品に対して桁違いの低価格化が見込めるという。(後略)』


 つくばの産総研が開発したCNT(カーボンナノチューブ)を用い、東レが「塗布半導体」を開発中です。つまりは、シールを張るのではなく、コンビニの商品のパッケージに「印刷」するだけで、RFIDタグを実現できる可能性が高まってきているのです。(というか、できるのです)


 すでに、数メートル離れた無線リーダーから、商品に印刷したCNTのRF IDタグに電波を発し、IDなどの情報を含んだ信号を同じ920MHz帯の電波で返すところまで技術開発が進んでいます。電子タグは無線リーダーからの電波をエネルギーとして利用するので、本当に「印刷する」だけでRFIDが実現できてしまいます


 こちらも、やはり課題はコストで、現在は10円から15円。大量生産の技術が進化し、1円を切るところまでもっていけば、日本のコンビニの完全自動レジ化が一気に進むと思います。


 ちなみに、カーボンナノチューブは産総研が「日本国民の税金」を使い、発見、開発した新素材です。


 いずれにせよ、資本主義に「労働者を増やし、生産量を拡大する」という発想はありません。そうではなく、資本(民間、公共)、技術に投資し、労働者一人当たりの生産量を増やす生産性向上こそが、資本主義国における経済成長の黄金循環を回すのです。


 現実に、コンビニの完全自動レジ化に向けた技術開発は進んでいます。


 ここで、技能実習生をコンビニに適用すると、完全自動レジ化の流れが止まってしまうかも知れないのです。外国人労働者(=移民)による人手不足解消は、生産性向上のスピードを緩め、経済成長率を抑制します。


 日本国の経済成長のためにも、コンビニの人手不足は「技術投資」「設備投資」により解消しなければなりません。それこそが、資本主義の王道なのです。
 
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