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『失業率と実質賃金(後編)①』三橋貴明 AJER2017.9.26
https://youtu.be/a-seRvhJg5s
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 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。


【Front Japan 桜】消費増税という国民貧困化政策 / 「人づくり革命」の矛盾[桜H29/9/29]
https://www.youtube.com/watch?v=6RDbukvB_lM


 さて、Front Japan 桜でsayaさんが鋭い問題提起をされていましたが、「人づくり革命」特に「待機児童問題」に関する矛盾


【保育所待機児童の現状】
http://www8.cao.go.jp/shoushi/shoushika/whitepaper/measures/w-2017/29pdfhonpen/pdf/s3-1-2.pdf


 上記の通り、2016年4月11日時点で、待機児童数は2万3553人。しかも、首都圏、近畿圏の7都府県、政令指定都市及び中核市において、待機児童の74%を占めます


 さらに、低年齢児(0~2歳)の待機児童数が全体の約86.8%


 わたくしは、日本で一番全国を旅して(講演で)回っている男ですが(確信あり)、
「地方に待機児童問題なんかないよ」
 という声を、何度も聞きました。


 要するに、待機児童とは「高々(あえて書くけど)」2万数千件の問題であり、しかも都市部の「0歳~2歳児」に偏った問題なのです。


「いや、0歳から2歳くらい、自分で育てろよ」
 と、思われた方が多いかも知れませんが、安倍政権のデフレ化政策により、子持ちの女性がパートタイムで働かざるを得ない状況に追い込まれているのですよ、都市部では。だから、低年齢児を預けたいという需要が多いのです。


 ついでに、都市部のパートタイム、つまりは短時間労働の増加が、日本の総実労働時間を押し下げ(今や、リーマンショック直後よりも短い・・・)、
失業率は下がるものの、実質賃金が上がらない
 という現象の一因になっています。


 メインの働き手の実質賃金が上昇すれば、都市部の子持ちの女性が働きにいかざるを得ない状況が解消され、待機児童問題は消えます。


 ところが。。。

                   


安倍首相、「人づくり革命」で2兆円対策表明 財源に増税活用も
https://jp.reuters.com/article/abe-revolution-ctax-idJPKCN1C00UO
 安倍晋三首相は25日午後に官邸で開いた経済財政諮問会議で、「人づくり革命」を安倍内閣の最大の柱に位置付け、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げの財源活用も視野に、幼児教育無償化や高等教育の充実などで2兆円規模の政策対応を行うと表明した。
 賃上げと投資拡大を目指す「生産性革命」を含め、年内に新たな政策パッケージを作成する方針も示した。
 首相は、内閣の最大の柱である「人づくり革命」の実現に向けた具体策として、1)高等教育における給付型奨学金や授業料減免措置の拡充、2)すべての3─5歳児の幼稚園・保育所の無償化と低所得世帯におけるゼロ─2歳児の無償化、3)待機児童解消へ20年度末までに32万人分の受け皿整備、4)介護人材の処遇改善──などに取り組むとし、これらへの対応で「2兆円規模の大胆な政策を実行したい」と表明した。(後略)』


 さ、さんじゅうにまんにん!!!! (驚きのあまり平仮名)


 2万数千件しか発生していない待機児童問題の解消として、受け皿が「32万人分!」準備される!


 しかも、幼児教育の「無償化」が併せて推進される。(財源は、ご存知の通り消費税増税分の転用)


 何をやりたいのか、分かりますね。安倍政権はついに、「低年齢児育児」までをも「ビジネス」と化そうとしているのです


 そのために、幼児教育を(税金で)無償化し、低年齢児保育の需要を一気に拡大させる。今まで、おカネが理由で保育園に預けられなかった親御さんたちが、続々と子供を施設に入れ始める。


 そうなると、到底、現状の保育士さんたちでは賄えないため、各種の規制緩和が行われ、「新規参入」で儲けまくる連中が出てくる


 保育の質が下がることを懸念した保育士さんたちが、無償化や規制緩和に反対の声を上げると、

「この既得権益が!」

 と、例の手法で攻撃し、沈黙させる。


 ルサンチマンにまみれた愚民(日本国民)たちも、保育士どもが自分たちの権益を守りたいから、規制緩和に反対している。などと、嘲笑する


 愚劣な社会。今まで、土木・建設、農業・農協、医師会、獣医師会、電力産業、公務員などの分野でさんざん見てきた、愚劣な光景


 挙句の果てに、人手不足が解消しないことを理由に、外国人労働者の導入が進む。外国人保育士を供給していくとなると、例によりパソナが儲かる。


 介護分野が、上記とほぼ同じスキームで規制緩和が進み、ついに11月から外国人技能実習生が供給されることになります。


 これが、「人づくり革命」によりビジネスを(低年齢児育児分野で)創出するスキームです。


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