株式会社経世論研究所 講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから
三橋貴明のツイッター
はこちら
人気ブログランキング
に参加しています。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『第零次グローバリズム(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.8.22
https://youtu.be/-5uKaphgykI
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆>
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
不思議だと思いませんか?
いきなり、消費税増税の使い道のメインが「政府の負債返済」であったという真実が、次々に報じられるようになりました。
国民の多くは、
「消費税増税分は、社会保障の充実・安定化に使われる」
あるいは「使われている」と信じていたはずです。
例えば、厚生労働省の「平成28年度における社会保障の充実(平成28年4月21日)」には、
『消費税率(国・地方)を、2014年4月より8%へ、2017年4月より10%へ段階的に引上げ
○消費税収の使い途は、国分については、これまで高齢者3経費(基礎年金、老人医療、介護)となっていたが、今回、社会保障4経費(年金、医療、介護、子育て)に拡大
○消費税収は、全て国民に還元し、官の肥大化には使わない』
と、書かれています、
大手マスコミの論調も、おおむね上記の路線でした。
とはいえ、現実には安倍政権は14年度以降にプライマリーバランス赤字を圧縮し、さらに介護報酬、診療報酬を削減しました。つまりは、社会保障支出を削り、増税し、浮いたお金で政府の負債を返済したのです。
実は、2012年の三党合意において、消費税増税による増収分の二割を年金や医療、介護や子育て支援の充実に、五割強を財政赤字の削減に充てることが決定されていたのでございます。
つまりは、表向きは国民受けが良い、
「社会保障の充実のための増税ですよ」
という耳障りが良いレトリックのみを報じ、実際には「存在しない国の借金問題」の解決を装い、日本のデフレを継続させるために使われるのが、消費税増税の真実なのでございます。
例えば、政府が消費税収のうち、5兆円を負債返済に使うと、日本経済はそれだけでマイナス1%分の縮小圧力を受けることになります。
『安倍総理「財政黒字化」2020年度の旗降ろす方針
http://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000110452.html
安倍総理大臣は政策にかかる経費を借金に頼らずに賄う、いわゆる基礎的財政収支を2020年度に黒字化する財政健全化目標の旗を降ろす方針であることが分かりました。
政府関係者によりますと、安倍総理は衆議院の解散と合わせて2020年度の財政健全化目標の旗を降ろし、先送りを表明する方向です。新たな目標として「2020年代半ば」などを示すかどうか検討しているということです。消費税10%への増税分約5兆円は国の借金返済がほとんどで、残りを医療介護などに使いますが、安倍総理はそれを教育の無償化に変えると訴える方針です。教育の無償化は大学まで含めると数兆円に上り、国の借金返済が遅れ、さらに膨れ上がることになります。
中央大学法科大学院・森信茂樹教授:「(財政健全化を先送れば)ハイパーインフレの可能性が高まる。(本来は)高齢者への過剰な社会保障を削って(子育て支援・教育などへの)予算の組み替えが同時に行われ、他の歳出削減もしっかり行われていくべき。(今の方針では)単なるバラマキに過ぎない」』
もちろん、政治家の多くは消費増税分の多くが「負債返済」という、日本国民を貧しくするために使われることを知っていたのでしょう。ところが、誰もそれを口にしないため、国民は気が付かないままで、
「消費税増税で社会保障が充実するんだ」
と、無邪気に信じ込んでいました。
今回、総理が「使い道」について言及したため、実は消費税は「負債返済=国民の貧困化」のために使われるという真実が、明るみに出たわけでございます(別に、総理を褒めたいわけではありません)。
日本の緊縮病は、ここまで異常な状況になっているという話です。何というか、栄養失調でガリガリに痩せこけた人が、リストカットするような「狂気」を感じてしまいました。
しかも、消費税増税を「負債返済に使わない」と政治家が言い出すと、大学院教授という立場にある人物が、
「ハイパーインフレの可能性が高まる」※ハイパーインフレとは、インフレ率13000%の事です。もちろん年率です。
と、頭がおかしいことを言い出す。
日本国は、狂っています。情報が狂い、国家が亡びようとしています。
PB目標にしても、破棄ではなく、2020年度半ばに先送りということは、今後十年近く、予算制約がかかり続けるわけです。失われた三十年が確定です。
せめて、日本国民が「なぜ、自分たちは貧しくなり、国が小国化したのか?」を正しく知らなければなりません。正しい情報なしでは、我が国を立ち直らせることは未来永劫、不可能でしょう。
「情報を正確に認識し、国家を正そう」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページは↓こちらです。
◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。