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『第零次グローバリズム(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.8.22

https://youtu.be/-5uKaphgykI
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 ちょっと驚いたニュース。

 昨日、自民党の石破茂元幹事長が福岡市の講演で、2019年10月に予定されている消費税率10%への引き上げについて、
地方や中小企業の景気回復や社会保障改革の道筋の提示が前提になる
 との見解を示しました。


 もちろん、石破元幹事長が「反増税派」になったわけではありません。消費税増税が「前提」にはなっています。


 とはいえ、消費税を予定通り19年10月に上げるよりは、地方経済や中小企業が立ち直るまで延期するほうがマシです。さらに、延期よりは凍結のほうがマシです。もちろん、凍結よりも「消費減税」の方がマシです。


 今のところ、安倍総理は「予定通り上げる」と言明しています。つまりは、総理よりも石破元幹事長の方が現実の日本経済を見ていると言わざるを得ません


 あれですかね。
消費税増税は地方の景気回復が前提
 と、語っている以上、石破元幹事長は地元(鳥取市など)から突き上げを食らったのでしょうか。


 ちなみに、石破元幹事長の地元の鳥取市は、インフラ整備が遅れに遅れ、悲しいほどに廃れてしまっています。というわけで、わたくしは鳥取で講演があるたびに、地元の惨状について、
「地元の政治家(石破元幹事長)の責任です。このままでは、今後は投票できないと圧力をかけて下さい」
 と、煽りまくっていたわけでございます。


 それはともかく、安倍総理はインド訪問中ですが、本日、インド西部グジャラート州アーメダバードで、日本の新幹線方式の採用が決まっているインドの高速鉄道の起工式に、モディ首相と共に参加します。

 別に、インフラ「輸出」を否定する気はないのですが、少しは国内の新幹線整備に目を向けて欲しいものです


            


長崎新幹線6割、肯定的
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/462563
 佐賀新聞社と長崎新聞社は、九州新幹線長崎ルートに関し佐賀、長崎県民200人にアンケートを行った。「新幹線は必要か」との問いに対しては両県とも約6割が「必要」または「あったほうがいい」と肯定的な認識を示したが、整備方法では「全線フル規格化」が4割を超えた長崎に対して、佐賀は「全線フル規格化」「リレー方式」「在来線のまま」の三つの選択肢に回答が割れた。「時間短縮効果が佐賀よりも大きい長崎、整備効果を実感しづらい佐賀」という図式が映し出された格好だ。(後略)』


 佐賀新聞と長崎新聞が、共同で興味深いアンケートを実施しました。すなわち、長崎新幹線は必要か?です。


 結果は、「どちらかといえばあった方がいい」と「ぜひ必要」を合わせ、長崎で60%、佐賀で57%が新幹線整備に前向きというものでした。


 もっとも、ご存知の通り、長崎新幹線は「整備するか、否か」ではなく、いかなる手法で整備するかがポイントになります。すなわち、問題の新鳥栖-武雄温泉間を、
(1) フル規格新幹線を整備するのか?
(2) FGT(フリーゲージトレイン)を開発し、FGT開発まで特急リレー方式でしのぐのか?
(3) ミニ新幹線(山形新幹線や秋田新幹線のように)で整備するのか?
 という問題です。


 結果は、(1)の「FGTをあきらめ全線フル規格で整備」が佐賀32%、長崎43%と最も多かったのです。


 とはいえ、フル規格新幹線になると、佐賀県の負担が800億円増えることを説明すると、佐賀県は「フル規格化」が4ポイント減り、28%となりました。(長崎は変化なし)


 ちなみに、インドの新幹線は、その八割が日本の円借款(約1.4兆円)により整備されます。もちろん、円借款なので返済はされるのですが、償還期間は50年(据え置き期間15年)、金利は0.1%です。


 しかも、今回、整備する「ムンバイ~アーメダバード間」の距離は、ちょうど東京と大阪と同じくらいなのですが、建設期間は何と5年!


 外国に兆円単位のおカネを貸し出し、五年で500kmの新幹線を整備する国が、国内の60km(新鳥栖-武雄温泉)の路線を、「800億円」のせいでフル規格整備できない!


 何というか、言われなき理不尽さを感じてしまったのは、わたくしだけではないでしょう。


 もちろん、佐賀県に800億円を負担しろと言いたいわけではありません。日本政府が普通に建設国債で費用を賄えばいいのです。


 長崎新幹線の整備は、別に長崎県のためのみに行われるわけではありません。九州全体、ひいては日本国家全体の経済成長と安全保障強化に繋がるのです。


 インドは別に、ムンバイやアーメダバードの地域のために日本から1兆円をこすおカネを借り、高速鉄道を整備するわけではないでしょう。インド国家全体のためにやるのです


 新幹線は、日本国家全体のために整備する。この当たり前の感覚を、日本国民や政治家は早急に取り戻す必要があります。
  
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