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『第零次グローバリズム(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.8.22
https://youtu.be/-5uKaphgykI
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国連安全保障理事会が対北朝鮮制裁決議を可決したことを受け、北朝鮮の国連代表が、
「既に完成の域に達した北朝鮮の核開発を逆戻りさせようとする米政府の方針は対立を過熱させている」
「米国は経験したことのない痛みに直面する」
と、警告しました。
予想通り、北朝鮮は安保理決議を「大義名分」として、さらなるミサイル実験、核実験を推進していくことになるでしょう。
北朝鮮のゴールは、「アメリカに届くICBMに核を搭載できる」ことをアメリカに認めさせることであり、そこに自国(というか、金王朝)の存続を賭けているわけです。
アメリカが北朝鮮の「自国」に対する破壊能力を認めた瞬間、我が国は「アメリカの核の傘」から外れることになります。アメリカが、自国が核攻撃される可能性がある状況で、「日本国民のため」に動くなどということはあり得ません。
普通に考えれば、現時点でアメリカの核の傘が外れる可能性が生じた以上、我が国は「核武装」の議論を始めなければならない段階です。お花畑的平和主義に国民が毒され、政治家も核武装の議論に逡巡するような有様では、手遅れになる確率の方が高いわけです。
それどころか、現在の日本の言論空間や政治空間から考えると、アメリカの核の傘が外れたことが決定的になったとしても、核武装はもちろん、敵基地反撃能力の保有にすら日本政府は全く動かない。といった、もはや悲劇を通り越して喜劇の領域に達する事態が想像できてしまうのです。
ゆでガエル現象というものがあります。
カエルを水を入れた鍋に入れ、火をつける。次第に水が温まっていくわけですが、カエルは気が付かず、そのうち熱湯になり、カエルは死んでしまう。という警句でございます。
実際には、水が熱くなった時点で、カエルは鍋から飛び出して逃げ出すそうですが、現在の日本国は、ゆでガエル現象の警句そのものに見えてなりません。
トランプ大統領が、11月に来日します。
『トランプ大統領 11月に日本や中国など訪問検討
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170913/k10011137211000.html
アメリカのトランプ大統領は、11月にベトナムで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するのに合わせて、日本や中国などへの初めての訪問を検討していて、今後、日程などの具体的な調整が行われる見通しです。
複数の外交筋によりますと、トランプ大統領は、11月10日からベトナムで開かれるAPEC=アジア太平洋経済協力会議の首脳会議に出席するのに合わせて、日本や中国、それに韓国などへの初めての訪問を検討しているということです。
そしてトランプ政権は、訪問を前に日本に先遣隊を派遣する方向で調整を進めているということです。
トランプ大統領に対しては、安倍総理大臣と、中国の習近平国家主席がそれぞれの首脳会談で、年内の日本や中国への訪問を要請していました。
これについてホワイトハウスの当局者は、12日、NHKの取材に対し「この秋にトランプ大統領はアジアを訪問する予定だ」とする一方、「詳細は決まっていない」と述べていて、今後、日程などの具体的な調整が行われる見通しです。
日本や中国への訪問が実現した場合、トランプ大統領は、安倍総理大臣や習主席と首脳会談を行い、核やミサイルの開発を加速させる北朝鮮への対応や通商政策などをめぐって意見を交わすものと見られます。』
オバマ前大統領の2014年の訪日を思い出して下さい。
当時は、中国の尖閣諸島周辺への領海侵犯がクローズアップされていました(今も続いていますが)。
オバマ大統領が、尖閣諸島について日米安全保障条約の適用対象であることを明言し、日本のマスコミが、
「やった~っ! アメリカ様、ありがとうっ!」
といった論調の記事を書いている裏で、安倍総理がTPPについて大幅に譲歩させられていたわけでございます。
11月の来日において、トランプ大統領が、
「いかなる状況になろうとも、(アメリカの国益になる限り)日本はアメリカの核の傘に守られる!」
と、勇ましい発言をし、( )内を日本のマスコミが省略して報道。
「やった~っ! アメリカ様、ありがとうっ!」
と、日本国民が属国根性丸出しで浮かれた裏で、日米FTAの交渉開始が決まってしまう。といった、未来が見えてしまうのです。
それにしても、我が国は本当に「主権国家」ではない。大東亜戦争に敗けて以降、非・主権国家に改造されてしまったんだなあと、昨今の北朝鮮危機をめぐる対応や報道を見ると、つくづく感じいってしまうのです。
ゆでガエル現象は、あくまで「警句」であり、カエルは危機に瀕すれば逃げ出します。
日本国の安全保障は、日本国民が確立するしかない。この基本、国家としての当たり前の事実すら理解せず、危機に際しても、
「何とかなるさ」
「アメリカ様が何とかしてくれるさ」
などと思考停止に陥っていた場合、その人たちはカエルにすら劣るという話になってしまうのです。
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