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『第零次グローバリズム(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.8.22
https://youtu.be/-5uKaphgykI
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先日、福井県小浜市に講演に行ったのですが、敦賀まで鉄道で、そこからは高速道路でした。
予想はしていましたが、敦賀-小浜間のほとんどは、暫定二車線(片側一車線対面通行ポール立て)でございました。
【舞鶴若狭自動車道(敦賀-小浜間)】
地元の方に聞くと、やはり事故が多いようです。ポールをなぎ倒して反対車線から突っ込んでこられると、避けようがありません。
交通事故、特に高速道路における事故は悲惨です。
特に、運送業界は人手不足になりつつあります。今後、体力のない女性や高齢者が高速道路で大型トラックを運転していくことになるのかも知れません。
自動運転まではいかずとも、ADAS(運転支援システム)の現場導入は、必至になるのではないかと思います。と言いますか、政府は運送業界へのADAS導入に対して補助金を付けるなど、運送業界を支援するべきです。
補助金と言えば、政府が「連結トラック」に対し、補助金をつけることを決定しました。
『「連結トラック」購入費補助へ…運転手不足対応
http://www.yomiuri.co.jp/economy/20170827-OYT1T50109.html
トラック運転手の人手不足が深刻化する中、政府は大型トラック2台分の荷物を運べる「連結トラック」を導入する運送会社に、補助金を出す方針を固めた。
購入費の一部を補助することで輸送力の高いトラックの普及を促し、物流の効率化を図る。2018年度予算の概算要求に関連費用を計上する。
連結トラックは、大型トラックの後ろに荷台部分をつなげ、運転手1人で2台分の荷物を運べるようにしたものだ。一度に運べる量が増え、温室効果ガスの削減にもつながると期待されている。
しかし、普及は進んでいない。仕様にもよるが、1台の値段は約3000万円で、通常の大型トラックよりも1000万円ほど高いためだ。このため、政府が購入費の一部を補助することにした。補助は購入費の3分の1とする方向だ。』
連結トラックは、わたくしがよく話題に出す「隊列走行」とは違います。電子的ではなく、物理的に荷台部分を接続する方式になります。
通常の大型トラックが2000万円に対し、連結トラックは3000万円。政府が1000万円(購入費の三分の一)を補助してくれるということは、通常の大型トラック一台分の費用で、連結トラックを購入できるということなのでしょうか。
連結トラックを導入すると、ドライバー一人当たりの「運送サービス」の生産は二倍になります。分かりやすい生産性向上効果ですね。
ところで、アメリカのテスラが自動運転機能を備えたEVトラックを開発中で、試験走行の実施に向けて動いているとの報道が入ってきています。テスラは隊列走行(アメリカでは「プラトーン走行」と呼ぶそうです)や無人走行システムの試験走行を実施したいようです。
わたくしは、こと運送業界の生産性向上(ADAS導入や隊列走行)は、間違いなく日本が世界を牽引すると確信しています。理由は、単純に運送サービスが極端な人手不足に陥っているためです。
人手不足という需要こそが、生産性向上の技術開発を促進します。
政府は、今月初めに、後続車無人の隊列走行の実現目指す新しい総合物流施策大綱を決定しました。隊列走行については、
「世界に先駆けた自動運転の社会実装。特に、後続車無人の隊列走行については、社会実装を目指し、必要な技術開発、社会的受容性や事業面を検討」
と、書かれています。
より具体的には、来年から隊列走行の試験走行を開始し、2020年までに新東名高速道路で「後続車両無人」の隊列走行を実現することを目指しています。さらに、2022年以降に、東京-大阪間の後続車両無人の隊列走行を「事業化」するという目標が設定されています。
隊列走行が実現すれば、少なくとも高速道路を使った運送サービスは、生産性が三倍、四倍になるわけです。
正直、高速道路を運転することが多いわたくしは、
「割り込みに対する対処は、どうなるのだろうか?」
「運転手がパーキングで休憩しようとしたとき、二台目以降はどうなるのだろうか?」
「悪天候で通信が途絶したりしないのだろうか?」
などと、色々と疑問がわいてくるわけですが、この辺りの問いも、技術開発が進めば、少しずつクリアになっていくのでしょう。
別に、運送サービスに限りませんが、日本では「人手不足」を「危機」として認識する人が多いわけです。もちろん、企業経営にとってリスクの一つですが、同時に人手不足は「技術投資」「設備投資」「公共投資」「人材投資」という生産性向上のための四投資を引き出すトリガーになるのです。
「人手不足だ! 大変だ! 外国人労働者を!」
ではなく、
「人手不足は儲け時だ。生産性向上の投資が上手くいけば、業績が上がる」
といったマインドに転換して欲しく、わたくしは今日も明日も明後日も、全国で(主に)経営者相手に講演をさせて頂いているわけでございます。
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