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『プライマリーバランス黒字化というという毒針(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.7.25

https://youtu.be/5G_x11KDpKE
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 毎回書いていますが、わたくしが「安全保障」という言葉を使うとき、それは何も「防衛安全保障」のみを意味しているわけではありません。防衛に加えて、防災、防犯、食料、エネルギー、医療、物流などなど、
「国民が豊かに、安全に生きる」
 ことを実現する経世済民の「基盤」のことを、安全保障と呼んでいるのです。


 国民が敵国の侵略で死なない。に加え、自然災害を国民が生き延びる。犯罪から守られる。飢えることがない。必要なエネルギーを確保できる。CQA(コスト、質、アクセシビリティ)が適切な医療サービスを受けられる。いかなる事態になっても、物流が途絶えることがない。


 などなど、諸々の安全保障を確保することもまた、経世済民の一環になります


 とはいえ、本日は防衛の話。


トランプ氏「軍事解決の準備完全」、北朝鮮は米国非難
http://www.asahi.com/international/reuters/CRWKBN1AR1LU.html
 北朝鮮が米国が朝鮮半島を核戦争の間際に追い込んだと非難するなか、トランプ米大統領は11日、米国が軍事的解決をとる準備は完全に整っていると述べ、北朝鮮を再度けん制した。 
 ニュージャージー州ベッドミンスターのゴルフリゾートで休暇中のトランプ氏は、「北朝鮮が浅はかな行動をとるなら、(米国の)軍事解決に向けた準備は完全に整っている」とし、北朝鮮の指導者、金正恩朝鮮労働党委員長が「別の道を模索するよう願っている」とツイートした。(後略)』


 今回は日本国ではなく、アメリカ(グアム)が標的になっているためなのか、日本政府は比較的「主体的」に動いています


 自衛隊は本日、中四国4県への地対空誘導弾(パトリオット3)の展開を完了します。北朝鮮がグアム周辺へのミサイル発射計画を宣言したことを受け、日本国土における迎撃態勢を整えるわけです。


 昨日、書きましたが、小野寺防衛大臣は北朝鮮のミサイル発射について、集団的自衛権の「武力行使の新3要件」の一つ「存立危機事態」に該当する可能性について言及しています。


 さて、改めて「安全保障」について考えてみたいのですが、対北朝鮮ミサイル発射を受け、パトリオットを各地に配備するためには、「コスト(費用)」がかかります。もっとも、北朝鮮が最終的にミサイルをグアムに向けて発射しなかった場合、上記のコストは「払い損」になってしまうのです。


 それでも、やらなければならない、という話です。


                                       


 結局のところ、安全保障の確立とは「ムダ」が生ぜざるを得ないのです。


 津波に備え、巨大な防潮堤を建設したとして、未来永劫、津波が来なかった場合、それは「払い損」になってしまいます。それでも、国民の生命や財産を守るために、やらなければなりません。


 ましてや、昨今の日本は明らかに「豪雨」の頻度や雨量が悪化しており、毎回毎回、
「かつて経験したことがない雨量」
 というコメントを、気象庁やニュースキャスターが発する有様になっています。


 さらに、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震は、30年以内の発生確率が七割を超えているのです。


 北朝鮮のミサイルは、発射される「かも知れない」。首都直下型地震や南海トラフ巨大地震は、起きる「かも知れない」。


 あくまで「かも知れない」ですが、それが実際に起きた際に、国民が受ける被害は甚大です。だからこそ、政府が存在するのです。


 「かも知れない」に対処しても、実際には何も起きないかも知れません。とはいえ、起きるかもしれない


 この手の事態に備えるのは、「利益」を追求する企業では無理という話です。起きるか起きないか分からない事態に備えたところで、利益が増えるわけではありません。単なるコスト増です。


 繰り返しますが、だからこそ政府が存在するのです。


 この世界は、企業(株式会社)式の「ムダは削るのが正しい」「利益最大化は常に善」といった価値観のみでは成り立たない


 そんな、当たり前のことを、長年の平和ボケと長期デフレーションにより忘れ去ってしまったのが、現代の日本人というわけでございます。


 同時に、世界は「ムダは削るのが正しい」「利益最大化は常に善」といった奇想天外な前提に基づき、緊縮財政、規制緩和、自由貿易を強力に推し進める「思想」に支配されています。


 すなわち、グローバリズムです


(明日に続く)

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