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『プライマリーバランス黒字化というという毒針(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.7.25

https://youtu.be/5G_x11KDpKE
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 トランプ大統領が、北朝鮮が「炎と怒り」で報いを受けるとの表現を使い、「好戦的過ぎる」と批判されたことを受け、
「いい加減に、誰かがこの国や各国の人々のために声を上げるべきだ。だからむしろ、あの発言には厳しさが足りなかったかもしれない
 と、反論しました。


 北朝鮮がグアム近郊にミサイル四発を発射することを検討していることについては、
「グアムに対して何かすれば、誰も見たことのないような事態が北朝鮮で起きることになる
 と発言。


 また、日本の小野寺防衛大臣は、北朝鮮が日本上空を通過する弾道ミサイルをグアムに発射した場合、集団的自衛権を行使して迎撃する可能性に言及しました


 同盟国アメリカのグアムへのミサイル発射は、集団的自衛権の「武力行使の新3要件」の一つ「存立危機事態」に該当するとの判断です。


                                       


  さて、読者の皆様はいい加減にウンザリしているでしょうし、わたくしもウンザリしていますが、財務省の財政破綻プロパガンダが続いている以上、仕方がありません。


 毎度お馴染みの「クニノシャッキンガー」でございます


国の借金1078兆円=1人当たり851万円-6月末
https://www.jiji.com/jc/article?k=2017081000925&g=eco
 財務省は10日、国債と借入金などの残高を合計した「国の借金」が6月末時点で1078兆9664億円になったと発表した。3月末時点から7兆4070億円増え、過去最高を更新した。7月1日時点の人口推計(1億2675万人)を基に単純計算すると、国民1人当たりの借金は約851万円になる。(後略)』


 何度も(恐らく1000回以上)書いていますが、「国の借金」ではなく、「政府の負債」です。具体的には、政府の負債としての国債、財投債、国庫短期証券の合計になります。


 政府が国債や国庫短期証券を発行し、国内の金融機関から資金を調達した、英語で言う「government debt」(政府の負債)のことを、財務省は「国の借金」と呼び、呼称を変えるプロパガンダで国民を煽っているのです。


 しかも、国民はおカネを貸している側であるにも関わらず、「国民1人当たり851万円の借金!」と、煽ってきています。(注:厳密には、国民が銀行の「銀行預金という負債」の債権者で、銀行は政府の「国債という負債」の債権者という関係になっています。政府は銀行から日銀当座預金を借りており、銀行預金を借りているわけではありません


 現在、日本銀行は量的緩和政策を続けており、政府の実質的な負債(日銀以外への負債)は猛烈な勢いで減ってきています。


【日本銀行保有の国債・財投債・国庫短期証券と日銀以外保有分】

http://mtdata.jp/data_56.html#BOJ


 日本政府の「実質的」な負債は、ピークの2012年9月末(738兆円)から、17年3月末(551兆円)にかけて186兆円も減りました。


 もちろん、日銀以外が保有している国債等についても、現実には永遠に借り換えされるわけです。政府が負債を実質的に返済する必要など、よほどインフレ率が高い(=需要過剰)かバブルでもなければありません。


「いくら日銀が日本政府の子会社だからと言っても、借金は借金じゃないか!」
 と、日銀保有分の国債についてまで「返済」を主張する人に対しては、
「そんなに気になるならば、政府が無期限無利子国債を発行し、日銀保有国債の償還期限がきたものから交換してしまえばいいじゃん
 で、話は終わります。


 もちろん、日本銀行は売りオペのために、ある程度は日本国債を保有している必要がありますが、いずれにせよ「クニノシャッキン」など、その程度の問題に過ぎないのです。

 それにも関わらず、日本では未だに「クニノシャッキンでハタンスル~ッ!!!」プロパガンダが終わらず、プライマリーバランス黒字化目標が維持され、亡国に向かって全速力で突っ走っています。


 ことは、「レトリックの戦い」なのです。毎度お馴染みの「クニノシャッキンガー」という、間違っているくせに印象的なプロパガンダを、正しいレトリックで打ち破れなければ、我が国の繁栄はあり得ません。
 

「クニノシャッキンガー」プロパガンダを打破しよう!に、ご賛同下さる方は、

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