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『プライマリーバランス黒字化というという毒針(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.7.25

https://youtu.be/5G_x11KDpKE
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 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。


【Front Japan 桜】本日の経済ニュース / 日本の政治的マトリクス~シンポジウム「モンサントとグローバリズム、そして日本のコンテンツ」[桜H29/8/2]
https://youtu.be/mGvaMicwMFU
http://www.nicovideo.jp/watch/1501660667


 なぜ、わたくしが財務省の「財政構造改革法」や「プライマリーバランス黒字化」発想を「お小遣い帳」と表現するのか。


 財務省の発想は、「家計簿」にすら劣るためです。小学生レベルの考え方なのでございます。


 例えば、皆さんが3000万円のローンを組み、住宅を購入しました。その月の給与が30万円だったとします。
 その場合、皆さんは家計簿に、

(1)
収入 30万円
支出 3000万円
 
 と、記載するのでしょうか。そんなわけはありませんね。月々の支出に計上されるのは、あくまで利払いを含むローン返済金額のみです。


(2)
収入 30万円
ローン返済 10万円


 上記ならば、分かります。ところが、財務省は冗談でも何でもなく、(1)のスタイルで財政を考えているのです。何しろ、財務省は消費系の支出(政府最終消費支出や所得移転)と、投資系の支出(公共投資、科学技術予算、教育費)を区別していません。


 実際、現在のPB黒字化目標では、インフラという固定資産が残る、明らかに投資系支出である建設国債発行も、赤字国債と同様の扱いを受けています


 投資系の支出は、企業会計では「減価償却」という形で、分割して費用化されます。ところが、財務省は政府の投資系の支出について、支出額そのまま、その年の収支に突っ込んでいるのです。


 頭がおかしいか、もしくは「おこちゃまでしゅね~」としか言いようがないのです。財務省の発想は、家計簿にすら劣る。だから「お小遣い帳」なのでございます。こんな低レベルの連中が日本の財政を差配し、我が国は「亡国」に追い込まれつつあります。


 さて、財務省の緊縮財政は、グローバリズムのトリニティの一つになります。現在の世界は、グローバリズムが行き詰まり、その「後」の世界の在り方を見いだせない状況にあります。


 グローバリズムは、国家を「勝ち組」と「負け組」にわけます。さらに国家の中においても、国民を「勝ち組」と「負け組」に二分します


 先進国の勝ち組(投資家)と、後進国の労働者の所得が伸び、先進国の中間層は所得が下がり、貧困層に落ちていく。いわゆる「エレファントカーブ」が社会を混沌化し、かつ軍事バランスを壊し、最終的には戦争という「暴力」に導きます


                              


 グローバリズムの「その先の悲劇」を、わたくし達人類は回避できない有様になりつつあるのです。


アジアでの武力紛争避けられず
【編集長インタビュー】自著『グローバリズム その先の悲劇に備えよ』を柴山桂太京大准教授に聞く

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170801-00010002-socra-int
――師匠である佐伯前京大教授とともに10年以上前からグローバリズムに警鐘を鳴らして来ていますが、あえてこの本を出されたのはなぜですか。
 グローバル化がもたらしたものは何でしょうか。世界銀行の首席エコノミストだったミラノヴィッチ氏らが「エレファントカーブ(所得の伸びを世界中の所得の層別にグラフ化したところ象の鼻のようにみえることからこう呼ぶ)」として解説していることですが、グローバル化で富を獲得したのは、新興国の労働者と先進国のトップ1%の人々だけ。先進国の労働者はまったく富を増やしていないと明らかにしています。
 トランプ大統領はメキシコと中国の労働者に米国の労働者から富を奪ったと大統領選の時から唱えている。大統領選で最後までヒラリー・クリントン氏と民主党候補を争ったサンダース氏は、トップ1%の強欲な金持ちに富を奪われたと主張しました。
 どちらもいわゆるエリートでない「民衆」の支持を得たという点でポピュリズムなのですが、いまの日本ではポピュリズムというと悪いことととらえられがちです。グローバル化の負け組が騒いでいるだけ、訴えているだけというとらえ方が一般的ではないでしょうか。日本の普通のサラリーマンなら勤務先が国際企業ですから新自由主義以外の選択肢を知らない。
 しかし、なぜ米国は一種野蛮とも言えるトランプという政治家を大統領に選んだのか。なぜ英国はブレグジット(英国のEUからの離脱)を国民投票で選んだのか。トランプ大統領がうまくやれるとはおもいませんが、かといって米国再生へ舵を切ったのがもとに戻るとも思いません。
 ポピュリズムは悪という理解では間違えてしまう。深く読み解いていかないとはき違えてしまうと思っています。それが本書出版の最大の動機です。(後略)』


 チャンネル桜のFront Japan 桜の後半で、先日のシンポジウム「モンサントとグローバリズム、そして日本のコンテンツ」の映像が一部が流れています。


 このまま安倍政権のグローバリズム路線が続くと、日本国民は一部の富裕層と、大多数の貧困層に二分化されていきます。日本の誇るべき治安は崩壊し、暴力と犯罪、暴動、テロが日常となるでしょう


 かつ、中国との軍事バランスが崩壊し(しつつあります)、最終的には戦争という悲劇を回避することは不可能だと思います。


 もっとも、インタビューで柴山先生が語っているように、グローバリズムを破壊する「総力戦」に至るかどうかは、これは分かりません。


 現在の世界は、グローバリズムの「先」の構造、モデルを見いだせないが故に、揺れ動いているという段階なのだと思います。


 本来、グローバリズムの「先」の安定的な社会構造を提示するべきは、世界で最もグローバル化が進んでいない我が国であるべきです。人類のために歴史を変える、千載一遇の機会を逸しているからこそ、わたくしは安倍晋三内閣総理大臣率いる日本政府のグローバル化路線を批判し続けているのです。


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