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『プライマリーバランス黒字化というという毒針(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.7.25

https://youtu.be/5G_x11KDpKE
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 昨日は、大手町で月刊三橋・三橋経済塾合同の夏のシンポジウムが開催されました。テーマは「モンサントとグローバリズム、そして日本のコンテンツ」でした。


【シンポジウム出演者の皆様と】

※右から鈴木宣弘先生、平松禎史様、堤未果様。(わたくし、でかいですね・・・)


【シンポジウムの光景 その1】

【シンポジウムの光景 その2】

【経営科学出版のスタッフの皆さん】


 さて、堤さんとわたくしがご一緒させて頂いた際の「定番ジョーク」があるのですが、
「これで、堤さんのところに、『なんで三橋なんかと一緒に仕事してんだ!』と、苦情が来ますね」
「これで、三橋さんのところに、『なんで堤なんかと一緒に仕事してんだ!』と、苦情が来ますね」
 というものになります。


 評論家の中野剛志先生が作って下さった、日本の政治的なマトリクスをご紹介。



【日本の政治的マトリクス】

出典:中野剛志


 現在の日本は、右も左も「グローバル化」の勢力が強大化し、国民の利益を損なう規制緩和(構造改革)、自由貿易、そして緊縮財政という「グローバリズムのトリニティ」が猛烈な勢いで推進されていっています。


 本来は、「反グローバル化」つまりは国民中心主義の政策を推進する際に、右も左もないはずです。例えば、冷戦期(グローバル化以前)の自由民主党は、社会党など左派が主張する社会保障政策を採り込み、かつ経済成長路線を採ることで、日本は「一億総中流」という、経済成長のために最も都合がいい構造を実現するに至りました。


 現在の日本は、図の上半分のパワーが圧倒的になっており、右も左もグローバリズムです。たとえ、民進党が政権を採ったとしても、グローバリズムのトリニティは終わらないでしょう


 もっとも、反グローバル化勢力は「政党」は弱い(共産党しかありません)のですが、組織としては厳然と存在しています。


 左下の「左の反グローバル化勢力」が労働組合であり、右下の「右の反グローバル化勢力」が農協なのでございます。

                           

 

 そもそも、協同組合とは「グローバル化」勢力の中心である大資本に、弱者である労働者や農家が対抗するために生まれた組織なのでございます。(ちなみに、弱者である消費者のパワーを束ねるのが、生協です)


 だからこそ、「グローバル化」勢力は、日本労働組合総連合会(以下、連合)をマトリクスの上部に引っ張り上げ、マトリクスの上部に上がってこない農協は「潰す」という方針を採っているのでございます。


『「残業代ゼロ」容認、連合見送りへ 批判受け方針再転換
http://www.asahi.com/articles/ASK7V2VG4K7VULFA006.html
 専門職で年収の高い人を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」を条件付きで容認する方針転換をめぐって混乱していた連合の執行部が、高プロの政府案の修正に関する「政労使合意」を見送る方針を固めた。条件付きの容認から従来の反対に立場を戻す。(後略)』


 「おはよう寺ちゃん活動中」でも解説しましたが、第一次安倍政権の時代に「ホワイトカラーエグゼンプション」という呼称で導入しようとした残業代ゼロ制度について、連合が「賛成」を表明し、わたくしは吃驚してしまったわけです。


 ちなみに、お判りでしょうが「規制緩和」は一気呵成には行われません。まずは「蟻のひと穴」をあけ、そこから穴を大きくしていく形で、最終的にはダムを全て破壊します。労働者派遣制度の導入が、まさにそんな感じでした。


 今回、「高度プロフェッショナル制度」として、年収が高い人を労働時間規制から外したとして、今後は対象範囲が拡大していくことになります。最終的には、全ての日本人を労働時間規制の対象外とすることが目的なのです。


 そんなことは、端から分かっているにも関わらず、一旦は連合が賛成したわけですから、愕然としたわけです。一体、いかなる手打ちが行われたのでしょうか。


 いずれにせよ、現在の日本(だけではないですが)の政治状況は、今までのように「右だ、左だ」などとやっていては、全く理解できません。中野先生のマトリクスの通り、「グローバル化? 反グローバル化?」の軸を足し、四つの象限で分析しなければならないのです。


 上記を理解したとき、わたくしが堤未果様や鈴木宣弘先生をお招きし、シンポジウムを大々的に開催した理由がお分かり頂けるのではないでしょうか。


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