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『プライマリーバランス黒字化というという毒針(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.7.25

https://youtu.be/5G_x11KDpKE
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 WiLL2017年9月号  に連載「反撃の経済学 プライマリーバランス黒字化目標という毒針」が掲載されました。

 経済界2017年9月号  に連載「三橋貴明の深読み経済ニュース解説 PB黒字化目標という扇の要を破壊せよ!」が掲載されました。


 民進党の蓮舫代表が、辞意を表明しました
 稲田防衛大臣もまた、辞任の意向を表明しました。



 以前、チャンネル桜の番組で語りましたが、蓮舫氏は自らの国籍問題について数々の「嘘」をつき、さらに(時効ですが)公職選挙法違反を犯し、国会議員に当選した以上、民主党代表の座を退くのはもちろんのこと、議員辞職するべきです。現在の日本の政治あるいは「社会」の問題の一つは、「嘘」が何となく許容されてしまう「空気」だと思うのです。


 また、同じく桜で語った通り、本日、発表となる防衛省の特別防衛監察結果で、国会答弁において「嘘」をついていたことが明らかになった場合、当然ながら稲田防衛大臣にも国会議員の職を辞するべきだと思います。


 さて、17年6月の消費者物価指数が発表されました。


『6月の全国消費者物価、0.4%上昇 エネルギー価格など上昇 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL28HJV_Y7A720C1000000/
 総務省が28日発表した6月の全国消費者物価指数(CPI、2015年=100)は、値動きの大きな生鮮食品を除く総合指数が100.2と、前年同月比0.4%上昇した。上昇は6カ月連続で、QUICKがまとめた市場予想の中央値は0.4%上昇だった。ガソリンなど石油製品の価格や電気料金の上昇が押し上げた。(後略)』


 というわけで、6月のインフレ率(対前年比)は、CPI+0.4%、コアCPI+0.4%、コアコアCPI(食料(酒類除く)エネルギーを除く消費者物価指数)は▲0.2%と、全数値が5月と同じでした。


 要するに、未だデフレが継続しているわけです。


【日本のインフレ率の推移(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_56.html#CPIJun17


                          

 

 日本銀行はインフレ目標(コアCPIで2%)達成を、19年度に先送りしましたが、政府が緊縮路線を改めない限り、日本経済のデフレ脱却は「遠い夜明け」のままです

 先日来、加計問題と安倍政権の支持率急落に関するわたくしなりの解釈を、グローバリズムや国民のルサンチマンに絡めて書いていますが、「新」経世済民新聞への佐藤健志氏の寄稿で、「なるほど」と思いましたので、ご紹介。


【佐藤健志】炎上政治と内閣支持率急落
https://38news.jp/default/10826


 佐藤氏は、支持率急落の理由として、長期的要因と短期的要因に分けて分析されています。


短期的要因:森友・加計学園問題、自民党議員や閣僚の度重なる失言やスキャンダル、都議選惨敗
長期的要因:緊縮財政志向+消費増税によるデフレ脱却の失敗


 安倍政権の政治手法には、「農協改革」が典型ですが、特定の「国民」を悪者化し、それを攻撃することで支持率を上げる「ルサンチマン・プロパガンダ」が見受けられます。7月1日の都議会選挙の選挙応援の際に、総理が「か・え・れ!」コールや「(安倍)や・め・ろ!」コールに対し、
 「こんな人たちに、私たちは負けるわけにはいかないんですっ!」
 と、叫んだことが、まさに典型です。


 桜の討論でも語りましたが、総理は本来は、
「皆さんのように、わたくしに不満を持っている国民の皆様をも守るのが、内閣総理大臣の使命です」
 といった形で、ヤジに応えるべきでした。ところが、総理は多くの人が指摘している通り、国民を「味方と敵」に二分してしまった。


 デフレの時期は、国民が貧困化するため、ルサンチマン・プロパガンダが実に効果を持つようになります(いわゆる「炎上」)。1930年代の大恐慌という「超デフレ期」に、ドイツで国民のルサンチマンを煽り、政権を握ったのが、まさしくナチス・ドイツでございます。


 安倍政権の構造改革が、ルサンチマン・プロパガンダに基づき推進される以上、結局、日本は「脱デフレ」してはならなかったのです。デフレから脱却し、国民が豊かになっていくと、ルサンチマン・プロパガンダは効きにくくなります。


 すなわち、ルサンチマン・プロパガンダに基づく構造改革と、デフレ継続はコインの裏表なのです。安倍政権が構造改革を推進している以上、総理の思惑はともかく、日本は「デフレでなければならない」という話なのでございます。


 そして、安倍総理はデフレ下におけるルサンチマン・プロパガンダによる構造改革の推進は、その攻撃対象が「自分にも向かいかねない」という、よくよく考えてみれば当たり前の事実を、身をもって証明したわけでございます。


 現在の世界は、グローバリズムが「限界」に突き当たり、各国で政治的な混乱が生じています。


 相対的にグローバル化が進んでいない日本国では、欧米のような「グローバリズム 対 民主主義」の争いは起きないのではないかと予想していたのですが、現実にはそうではなかった。


 所得格差を拡大するグローバリズム、構造改革は、特にデフレ下では国民の貧困化を加速し、最終的には構造改革自体を困難にする(少なくとも、民主主義国では)。という、グローバリズムの袋小路が、今の日本の政治から見えるように思えるのです。


 安倍総理は、
「政府が緊縮財政を推進する限り、中央銀行がおカネをどれだけ発行しても、デフレ脱却できない」
 ことに加え、
「デフレ下のグローバリズム推進は、国民のルサンチマンを高め、最終的にはグローバリズム推進自体が困難になる」
 ことをも証明したのではないかと、わたくしは考えているわけでございます。


 いずれにせよ、今後の我が国の政治は、安倍政権の失速を受け、混乱していかざるを得ないでしょう。安倍総理は「失敗した」のです


 日本の夜明けは遠いままです。


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