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『デフレを深刻化させる竹中指標①』三橋貴明 AJER2017.6.27
https://youtu.be/EUoVu73TIEY
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チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】自民2回生勉強会「PB黒字化破棄・消費税率引き上げ凍結」提言 / パレルモ条約に関する日本の報道-お詫びと説明-[桜H29/6/27]
https://youtu.be/nuCUPi0VPvw
http://www.nicovideo.jp/watch/1498546845
何度も繰り返し書いていますが(これからも繰り返し書きますが)、「財政健全化」の定義は政府の負債対GDP比率の改善(低下)です。
名目GDPの増減を決定するのは、当たり前ですが名目GDP成長率のみでになります。
それに対し、政府の負債残高を決定する要因は何で決まるでしょうか。二つあります。
一つ目が、国債金利。そして、二つ目がPBというわけです。
PBは国債関連費(国債の償還や利払い)を除く、政府の歳出と歳入(税収、税外収入)のバランス(収支)と定義されます。
より分かりやすく書くと、
「PBが赤字の場合は、政府の負債が新たに増えている。PBが黒字化すると、政府の負債が減少している」
となるわけです。
PBが均衡、つまりは政府の歳入と歳出が一致していた場合、政府に「新たな借り入れとしての負債」は増えません。
もっとも、PBが黒字だったとしても、国債金利の支払い分、政府の負債は増えます。ここでいう国債金利とは、
「政府の負債全体に対し、支払いが必要になる利子の金額を、負債金額で割ったもの」
と、理解して下さい。
PBが均衡していると仮定します。つまりは、国債関連費を除く歳出と歳入が一致している状況です。その場合、国債金利を名目GDP成長率が上回っていると、政府の負債対GDP比率は減少していきます。つまりは、財政健全化です。
無論、PBが正確に均衡するケースなどあり得ません。現実には、政府の負債対GDP比率は名目GDP成長率、国債金利、そしてPBという三つの要因の関係により決定されることになります。
現在の日本は、量的緩和政策の影響で、国債金利がゼロに近い状況が続いています。つまりは、政府の負債対GDP比率を考える際に、国債金利を重要視しなくてもいいという、極めて珍しい状況になっているのです。
ということは、PBの赤字額以上に名目GDPが増えれば、財政健全化が達成されます。
そのためには、(1)名目GDPを増やす、もしくは(2)PBの赤字額を減らす、のいずれかを選択する必要があります。
(1)の名目GDPの増大を目指すと、国民の「所得」が増えます。つまりは、国民が豊かになります。
(2)のPB赤字額の減少を目指すと、日本経済がデフレ化し、国民が貧困化します(統計的に、必ずそうなります)。国民の所得が減る、つまりは名目GDPの伸びが抑制されると、政府の負債対GDP比率は却って悪化(上昇)することになってしまうのです。
つまりは、(2)にこだわるプライマリーバランス黒字化教徒は、
「日本国民は貧しくなれ。財政は悪化させよ」
と、主張しているのも同然なのです。
『石破氏:PB黒字化変えたら終わり-異次元緩和「いつまでもは困る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2017-06-27/OS5AUO6TTDS001
▲国債が暴落しないのは「いつか必ず消費税上げると思っているから」
▲金融政策、物価上昇の自己目的化は「変ではないか」
自民党の石破茂元幹事長は、2020年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化目標について「変えたら終わりだ」と述べ、堅持すべきだとの考えを示した。物価目標の2%を目指して大量の国債を購入し続けている日本銀行の金融政策についても「異次元の政策がいつまでも続いてもらっても困る」と語った。
26日のインタビューで、「通貨に対する信認はすごく大事」であり、「PB黒字化は絶対必要だと思っている」と語った。財政赤字が拡大し大量の国債を発行しているにもかかわらず、国債相場が暴落(金利が急騰)しないのは、投資家が「いつか必ず日本は消費税を上げると思っているからであり、どうも本当に上げないみたいだということになったら、もういいや、ということになるのではないか」と述べた。(後略)』
うん。石破元幹事長は、自ら、
「日本国民は貧しくなれ。財政は悪化させよ」
と、堂々と宣言したわけですね。
別に、PB黒字化目標を変えたところで、終わり(何が?)にはなりません。厳密には、日本経済を衰退に追い込んでいる緊縮財政路線が「終わり」に近づきますが。
さらに、国債金利が上がらないのは、デフレで民間に資金需要がなく、さらに日銀が量的緩和を継続しているためです。「いつか消費税を上げると思っているから」云々は、石破幹事長の脳内ソースです。
むしろ、消費税を上げると、日本経済はさらなるデフレーションに突っ込み、民間の資金需要が縮小し、銀行はますます国債依存を強めるでしょう。つまり、国債金利は下がります。
そんなことは、「プライマリーバランス黒字教」という思考停止から脱し、「自分の頭」できちんと考えれば、誰にでも理解できるはずです。
逆に言えば、日本の政治家は「このレベル」なのです。
今の日本においてPB黒字化を主張することは、
「日本国民は貧しくなれ。財政は悪化させよ」
と語っているのも同然であるという「事実」を、日本国民は理解する必要があります。
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