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『少子高齢化が日本経済を救う(後編)①』三橋貴明 AJER2017.5.30

https://youtu.be/onEQa07GWBM
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 6月15日、欧州警察機関(ユーロポール)は2017年テロ年次報告書を公表。
 2016年、EUで起きたテロ事件は142件で、犠牲者は142人。負傷者は379人とのことです。


 テロが発生した加盟国は8カ国。イギリスが76件でトップ。フランス23件、イタリア17件と続きます。


 改めて、移民政策のトリレンマとは、
移民受入、安全な国家、国民の自由の三つは、同時に二つまでしか成立させることができない
 という法則です。


 シンガポールは「安全な移民国家」を実現していますが、その分、国民の自由を相当に制限しています


 欧州諸国は、国民の自由を認めたまま移民を受け入れたため、安全な国家が失われつつあります(結果、国民の自由を制限する方向に行く可能性が高い)。


 J-Castトレンドの「霞ヶ関官僚が読む本」に、徳間書店「移民政策のトリレンマ 」の書評が掲載されていました。


霞ヶ関官僚が読む本  世界第5位の移民受け入れ大国ニッポン 予想される「混乱」は避けられるのか
https://www.j-cast.com/trend/2017/06/15300749.html?p=all
   みなさんは「トリレンマ」という言葉をご存知だろうか。インターネットで検索すると「不可能の三角形」とあり、「国際金融のトリレンマ」が紹介されていた。これは、ロバート・マンデルが提示した説であるが、国際金融において、(1)自由な資本移動、(2)為替相場の安定(固定相場制)、(3)独立した金融政策、の3つを同時に達成することはできないということである。
   近年では、ハーバード大学教授のダニ・ロドリックが「世界経済の政治的トリレンマ」という仮説を立てている。(1)グローバル化(国際経済統合)、(2)国家主権(国家の自立)、(3)民主主義(個人の自由)、の3つを同時に達成することはできないというものである。
   英国のEU離脱や米国のトランプ政権の移民排斥ともとれる政策などは、日本では他の先進国の動向と合わせてナショナリズムの台頭のような形で報道されることが多いが、ロドリックの仮説に照らせば、グローバル化と国家主権、民主主義の3つのうち2つを達成しようとすれば残りの1つは犠牲にせざるを得ず、英国も米国も民主主義を犠牲にするという選択はないだろうから、本書は、これらの政策は過度のグローバル化に対する調整として合理的なものであるとしている。
◆「移民政策のトリレンマ」とは
   では我が国はどうか。日本はかねがね移民の流入が少ない(移民に対して厳しい)国だと思われてきた(実際、私もそう思っていた)が、本書によれば、国連やOECDが統計をとる際に用いる「移民」の定義、例えば本国以外の国に1年以上滞在している者、で数えると、日本は世界第5位の移民の受入国になるとのことである(以下、本文で「移民」というときはこちらの定義に従う「移民」を指す)。
   この定義に照らせば、海外赴任のビジネスマンなんかも移民になるが、私自身の肌感覚で言えば、コンビニの店員さんをはじめ、身近なところで外国人に接する機会が年々増えているという実感もある。特に最近は、介護従事者や家政婦等の受入れが増加しており、国内に滞在する外国人は今後増加の一途となるが、本書は、「移民政策のトリレンマ」を掲げ、近年のこうした政策に対して警鐘を鳴らしている。
   筆者が提唱する「移民政策のトリレンマ」とは、(1)移民の受入れ、(2)国民の自由、(3)安全な国家の3つを同時に達成することはできないとするものである。
   本書では、欧州諸国をはじめ多くの国の現状について、このトリレンマに照らして分析をしている。特に、3つめの「安全な国家」について、テロや犯罪からの身体的な安全に限らず、「安心して暮らせる」といった社会的な安全も含めて考えれば、スウェーデンやイギリスといった、以前は「福祉国家」として学校で習った記憶のある国々がいかにこのトリレンマに喘いでいるかがよく分かる。(後略)』



 先日、三橋経済塾 において、ゲスト講師として施光恒先生をお招きし、「なぜ、移民政策のトリレンマが成立するのか?」について、根本的なお話をして頂きました。


 施先生によると、
我々の享受している政治秩序とは、文化や慣習、道徳感覚の共有といった「半ば無意識のもの」にかなりの程度依拠している
 ことこそが、移民政策のトリレンマの背景にあるとのことでございます。


 我々の社会の秩序を形作っているものは、政治権力、法律、ルールのみではなく、「半ば無意識のもの」、具体的には文化、監修、常識、道徳感覚などの共有、さらには共有している人々の間に成立する「仲間意識」「連帯意識」により成り立っているわけです。


 無論、法律も重要ですが、加えて「日本国民」同士が何となく共有している感覚こそが、秩序の基盤にあるのでございます。


 ところが、この種の「無意識的に共有されているもの」は、数値化や言語化が難しいわけです。結果的に、目に見える「法律」にばかりが注目されるわけですが、社会秩序は法律のみで規定されるわけではありません。


 と言いますか、法律のみで社会の秩序を成立させようとすると、それこそシンガポールになってしまうわけです


 シンガポールは、元々が中華系、インド系、マレー系からなる移民国家です。結果的に、国民の「半ば無意識なもの」の共有は薄く、法律でガチガチに国民(及び移民)を統制しなければ、秩序ある社会を構築できないわけです。


 それに対し、我が国は移民国家ではなく「国民国家」になります。日本国民が「皇室」「歴史」「言語」「文化」「伝統」「慣習」「ライフスタイル」「コンテンツ」などを共有する、ガチガチの国民国家こそが日本国です(でした)。というわけで、我が国は「半ば無意識のもの」の共有度が高く、法律以外の秩序形成の力が大きかったという話なのでしょう。


 現在、安倍政権の移民政策をはじめとするグローバリズム政策により、我が国の国民の「共有」が大きく崩されていっています


 このままでは、日本国民は秩序(安全な国家)もしくは国民の自由、あるいは双方を失うことになります


 移民政策のトリレンマからは、誰も逃れることができないのです。

  

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