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『少子高齢化が日本経済を救う(後編)①』三橋貴明 AJER2017.5.30

https://youtu.be/onEQa07GWBM
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 先日のチャンネル桜「【討論】日本人として安倍政権に物申す[桜H29/6/3] 」 を観ていて衝撃を受けたのは、佐藤健志氏が「保守の定義」をされたときです。


『「保守的な改革姿勢」とは何か
 (国体の)変革を行う際にも、「問題のない箇所はそのまま残す」という先達たちの手法を踏襲するのが望ましい
 新しく建築する部分も出てくるだろうが、元の設計ができるだけ保たれるよう、十分に配慮した方が良い。』


 上記、エドモンド・バークの思想ですが、もちろん「常識」や「良識」の範囲だと思います。


 とはいえ、よくよく考えてみると、今回の骨太の方針2017において、財政について、
基礎的財政収支(PB)を2020 年度(平成32 年度)までに黒字化し、同時に債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指す。」
 と、まさに「玉虫色」的な表現になったことは、むしろ「保守」の思想に沿っているのではないかと考えてしまったのです。


 もちろん、PB目標は「経世済民」という価値観から見れば、「問題のない箇所」には該当しませんが、判断基準を「財政均衡主義」とした場合、話は変わってきます。価値観が「国民を豊かにする」ではなく、「財政を均衡させる」になっている奇妙な政治家たちにとっては、PB目標を破棄するなど、それこそとんでもない「革新」という話になってしまうわけです。


麻生財務相、PB黒字化「20年度目標変わっていない」 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL06HHS_W7A600C1000000/
 麻生太郎財務相は6日の閣議後の記者会見で、プライマリーバランス(基礎的財政収支)の2020年度の黒字化目標について、前週末2日に示した経済財政運営の基本方針(骨太の方針)案で「今まで通り明記しており、位置づけはなにも変わっていない」と述べた。
 2日発表の骨太方針案では、20年度までにPBを黒字化する目標に加え、債務残高の国内総生産(GDP)比率を安定的に引き下げるとの文言を併記した。PB目標達成の延期に向けた布石ではないかとの質問に対し「(債務比率が下がる経済状況をつくるのが)重要なのは当たり前のはなしだ」と話し、「経済成長と財政安定の2つを追う姿勢は今までと同じだ」と強調した。(後略)』


 凄いですね・・・・。
 五年前に、
【スペシャル対談 麻生太郎×三橋貴明】
http://www.nicovideo.jp/watch/sm18217653
 において、わたくしに「PB目標の異常さ」を教えてくれた麻生財務大臣が、現在はPB黒字化目標に固執している


 まあ、政治家として財務省におもねり、「国民を豊かにする」ではなく、「財務省の意向に沿う」政治を推進すると、政治スタイルを変えたという話なのでしょうが、麻生財務大臣的な価値観に沿うと、PB目標破棄は「革新に過ぎる」という話になってしまうわけです。

 もちろん、わたくしは「保守派」などと名乗ったことはありませんし、名乗る気もありませんが、PB目標の破棄は日本においてラディカル(急進的)というのが実情なのでしょう。その前提に立たなければならないという話です。


 何しろ、日本はPB目標が閣議決定されたのが2010年、PB目標を財政目標としたのが(これを「過去の」麻生財務大臣はおかしいと指摘していたのです。わたくしも同意しましたが)小泉政権期。より具体的に書くと、竹中平蔵氏が内閣府特命担当大臣(経済財政政策担当)だったときです。


 つまりは、過去15年ほど、日本は財政目標としてPBを採用し続けてきたのです。

 当然ながら、経路依存性が成立し、日本においては「PB目標を堅持することが保守」という、意味不明な状況になってしまっているわけでございます。


 つまりは、過去の経路を否定し、デフレ脱却と経世済民実現のために「PB目標破棄」「財政拡大」と訴える三橋貴明は、保守でも何でもないのです(元々、違いますが)。経世済民に反するPB黒字化目標が「保守路線」となってしまっている以上、表層的な財務省の問題以上に、我が国の病は重症であることが分かるはずです。
 

それでも「PB目標を破棄せよ!」と、思われた方は、

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