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『少子高齢化が日本経済を救う(前編)①』三橋貴明 AJER2017.5.23

https://youtu.be/qEAz82t1pRg
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 カール・ビンソン、ロナルド・レーガンに続き、米空母ニミッツが北東太平洋に向かっているという報道が流れています。

 また、米国防総省のミサイル防衛局は、5月26日に太平洋上空で初となる大陸間弾道ミサイルの迎撃実験を、5月30日に行うと発表しました。


 北朝鮮危機は続きます。


 さて、北朝鮮危機に備え、日本が防衛費を増額しようとしたとしても、やはりプライマリーバランス黒字化目標という重しがのしかかってしまいます。PB黒字化目標がある限り、
「防衛費を増やすなら、他の予算を削るか、増税」
 という話になってしまうのです。何しろ、PB黒字化は「国際公約だ」という話なのですが、実際には違います。


 藤井先生の、

 に詳しいのですが、2013年のG20サンクトペテルブルク首脳宣言では、

(1) 政府の負債対GDP比率の推移を持続可能なものにすべき
(2) 経済成長と雇用を促すべき
(3) 短期的な経済状況を勘案しつつ柔軟に実施されるべき
 という、三つが謳われたのです。


 そして、日本は、
<債務対GDP比目標>
 の項目で、
「政府は、中央と地方のプライマリーバランスのGDP比を2015年までに2010年水準の半分にまで削減し、2020年までに黒字化する。そしてその後に、債務対GDP比を安定的に引き下げていくことを目指す」
 こととなったわけでございます。


 すなわち、目標はあくまで債務対GDP比(政府の負債対GDP比率)の引き下げであり、PB黒字化は「手段」として謳われているに過ぎないのです。そして、手段は首脳宣言にもある通り、短期的な経済状況を勘案しつつ、柔軟に変更するべきです。


 というわけで、藤井聡先生のインタビュー。


藤井聡内閣官房参与インタビュー 「PB目標取り下げを」 経済底上げに特別枠5兆7千億円規模提言
http://www.sankei.com/politics/news/170526/plt1705260049-n1.html
 内閣官房参与の藤井聡・京大大学院教授が26日までに産経新聞のインタビューに応じ、達成が難しくなっている平成32年度の国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化目標を「取り下げるべきだ」と語った。財政支出を拡大してデフレ脱却を速めるためで、30年度当初予算では、経済を底上げする政策に重点配分する「特別枠」を5兆7千億円規模で設けるべきだとも提言した。一問一答は次の通り。
--来年の経済財政運営の指針「骨太方針」ではPB目標の扱いを議論する
 「PB目標は、達成時期を後ろ倒しにするのでなく堂々と取り下げるべきだ。PB目標があれば(国債発行が制限され)本格的な手を打てない。民間がお金を使わない現状では、政府が使わなければ経済が駄目になる。(積極的な財政支出を背景とする)PB赤字は経済を進める『ジェットエンジン』だ」
--PB目標が撤回されれば、日本の財政の信認が揺らぐとの意見がある
 「『デマ』だ。国際的な要請は、債務残高の対国内総生産(GDP)比率の引き下げで、PB黒字化はその手段にすぎない。英国やフランスは(財政)規律目標を撤回したが、国債市場に混乱は起きなかった。日本は低金利で債務拡大が抑制されている。GDPが成長すれば、債務残高の対GDP比率は下がる」
--金利高騰を不安視する声もある
 「日銀が放っておかず、国債の買い入れを進めるだろう。リスクはほとんど考えられない」
--支出は選択と集中が必要だ
「歳出改革はやめず、成長を上向かせる分野に大きく集中すべきだ。政権が32年を目指す名目GDP600兆円の達成には年3%の成長が必要となる。予算規模などから計算すると、30年度予算の特別枠は、29年度の概算要求基準で設けた4兆円から1兆7千億円上乗せすればよい」』


 わたくしも、最近は自民党の国会議員と本件について話す機会があるので分かりますが、
「PB目標はコクサイコウヤクで~、取り下げるとザイセイノシンニンが~」
「PB目標を取り下げるとコクサイノシンニンが~、コクサイボウラクが~、キンリボウトウが~」
 といった、認●知●的●不●協●和組が本当に多く、うんざりします。ちなみに、カタカナで書いた部分が、財政破綻論者たちの定義不明なデマ・レトリックです。


 この連中に、
「財政の信認って何ですか? 定義教えてください」
「国債の信認って何ですか? 定義教えてください」
 と突っ込むと、二の句が継げずに黙り込むので、大変面白いです。


 要は、この程度の「デマの言霊」に翻弄され、我が国は亡国への道を歩んでいっているのです。何と、情けない・・・・。


 そもそも、国際公約は「政府の負債対GDP比率を持続可能にすること」で、PB黒字化ではありません。PB黒字化は、国際公約を果たすための手段として記載されたのです。


 さらに、金利暴騰論者は、とりあえず、
「消費税増税が延期されると、コクサイノシンニンが~、コクサイボウラクが~、キンリボウトウが~」
 と言っていた連中が正しかったのかどうか、感想文を原稿用紙100枚で書いて提出しろ! てなもんでございます。


 とにもかくにも、来月の骨太の方針が「決戦」です。閣議決定される骨太の方針(いい加減、この呼び名やめるべきだと思います)にPB黒字化が残ってしまうと、安倍政権下におけるデフレ脱却はないでしょう。

 すでに、2016年に日本は再デフレ化しました。このまま2017年もデフレ化し、弱小国化が継続することになります。


「政府はPB黒字化目標を破棄せよ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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