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『世界経済の政治的トリレンマ(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.4.25

https://youtu.be/NYGAqqAuDZs   

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 ソーシャルレンディング最大手maneo代表の瀧本憲治様との対談シリーズ、第六回がリリースされました。 


【お金とは何か?お金を創る!】三橋貴明氏に教わる 第7回

https://youtu.be/iqkrCU-ZH3A


 今回は、おカネを発行してみました。カネを発行することで、よりおカネに関する理解が深まります。


 田母神俊雄被告に有罪判決が出ました。


田母神被告に有罪判決 懲役1年10カ月執行猶予5年
http://www.asahi.com/articles/ASK5Q32KTK5QUTIL009.html
 2014年2月の都知事選の後に運動員に報酬を支払ったとして、公職選挙法違反(買収)の罪に問われた元航空幕僚長・田母神俊雄被告(68)に対し、東京地裁は22日、懲役1年10カ月執行猶予5年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。(後略)』


 毎度毎度、思うのですが、この事件の判決の執行猶予は、なぜか「5年」と極端に長い猶予期間になります。というか、法律上最長期間です。会計責任者の鈴木氏の判決も、執行猶予5年でした。


 しかも、


【Front Japan 桜】種子法廃止の恐怖 / 日本庭園に見るモンサント種の元[桜H29/5/19]
https://youtu.be/nzxDQzu6l3Y
http://www.nicovideo.jp/watch/1495181862


 で取り上げた通り、水島氏が田母神被告を刑事告訴しています。こちらの件で「有罪」になると、買収罪の執行猶予が取り消されてしまいます

 よくもまあ、判決前の段階でWiLLに刑事告訴されかねない記事を寄稿することができるものです。まさか、無罪になるとでも信じていたのでしょうか。


 さて、プライマリーバランス(基礎的財政収支、以下PB)をめぐる議論に、榊原経団連会長が参戦してきました。発言内容から、財務省の指示か何かがあるものと予想します。


『基礎的収支の黒字化目標、「旗降ろすべきでない」 榊原定征経団連会長が牽制
http://www.sankei.com/economy/news/170522/ecn1705220018-n1.html
 経団連の榊原定征会長は22日の会見で、政府内で平成32年度に国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を目指す目標の見直し論が浮上していることに対し、「PB黒字化の旗は降ろすべきではない」とし、新たな財政目標設定の動きを牽制(けんせい)した。同時に、達成が厳しい状況にあることから、PB黒字化達成が「1、2年の遅延は起きるかもしれない」との認識も示した。
 政府では、新たな財政健全化目標として、債務残高の対国内総生産(GDP)比率を指標とする新たな目標策定に向けた検討が始まっている。ただ、PB目標を撤回すれば、財政規律の緩みが意識され、国債が売られ、金利急騰のリスクも高まるとされる。(後略)』


 相変わらず、産経新聞は、
「PB目標を撤回すれば、財政規律の緩みが意識され、国債が売られ、金利急騰のリスクも高まる」
 と、日本銀行が存在する以上、あり得ないリスクがクローズアップし、PB目標を正当化しようとしています


 本「懸念」については、藤井聡先生が以下で反論して下さっています。


【藤井聡】「プライマリー・バランス目標を撤回すれば、金利が急騰する」というデマ
https://38news.jp/economy/10403


 藤井先生が書かれている通り、「金利急騰云々」は、まさしく「とってつけたように」必ず付け加えられるテンプレです。この「懸念」を付け加えなければ、PB関連の記事は書いてはいけないと、財務省からお達しでも出ているのでしょうか。


 日本国債は、日本円建てです。日本銀行が最後の貸し手として、
市場の安定化を果たすため、国債市場にて国債の購入を始めます
 と宣言し、実際に買取を再開(今もやっているため)すれば済む話です。


 何しろ、日本銀行は国債買い入れに必要な日銀当座預金というおカネを、単にデジタルデータを増やすだけで生み出せます。日銀を相手取り、日本国債の「暴落」とやらを狙ったところで、勝ち目はありません。


 そもそも、消費税増税の議論をめぐっても、増税を延期すれば「国債が暴落する!」「金利が急騰する!」と、出鱈目をまき散らしていた連中がいました。実際に、二度、消費税増税が延期され、金利がどうなったかはご存知の通り


 それにしても、榊原氏は後略部で、
「PB目標は至上命題」
「(消費税10%への引き上げは)国民に対する、国際社会に対する公約でいずれにしても実施すべき」
 と強調しています。


 まさに、狂気です。PB目標という狂った目標があるため、国民が貧困化し、当たり前の話ですが経団連企業の売上も(国内市場では)伸び悩んでいるにも関わらず、自らの首を絞める行為を「至上命題」と言ってのける


 政府は、企業とは違います。


 企業にとっては、費用を削減することで利益を拡大することが可能です。というわけで、「利益」を目的として考えたとき(目的ですが)、費用削減は常に正当化されます。


 とはいえ、政府は企業とは目的が違うのです。政府の目的は利益ではなく、経世済民です。

 国民が豊かに、安全に暮らせるようにする、経世済民という観点から見ると、PB目標は最悪です。その最悪の目標を「至上命題」と断言し、増税も「公約(?)だから実施すべき」と、経団連会長が言ってのける。


 結局のところ、国民や財界人、政治家たちが「経済」の意味を取り違えているのが問題なのかも知れません。


 豊かになるとは、所得が増えることである。所得とは、誰かがおカネを使わなければ、創出されない。PB黒字化目標は、政府による所得創出(財政出動)を不可能にする。


 この当たり前の事実を多くの国民が認識しない限り、日本国が再び「豊かになる」日は訪れません。


 政府は、国民の豊かさを追求するならば、PB目標を破棄しなければならないのです。


「政府はPB目標を破棄せよ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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