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『世界経済の政治的トリレンマ(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.4.25
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ソーシャルレンディング最大手maneo代表の瀧本憲治様との対談シリーズ、第六回がリリースされました。
【お金とは何か？お金を創る！】三橋貴明氏に教わる 第7回
https://youtu.be/iqkrCU-ZH3A
今回は、おカネを発行してみました。おカネを発行することで、よりおカネに関する理解が深まります。
昨日、北朝鮮が再び中距離弾道ミサイルを発射し、金正恩が実戦配備を承認したと、国営メディアが伝えました。
一方、前日にアメリカ海軍が空母ロナルド・レーガンを北朝鮮近海に向かわせていると、ＣＮＮが伝えました。先行したカールビンソンと合流し、空母２隻による合同演習を実施する計画とのことです。
北朝鮮のミサイル発射を受け、安倍総理が記者会見を開き、
「世界に対する挑戦です」
「Ｇ７において、明確なメッセージを発出したいと思います」
「（各国と）連携をしていくことが大切です」
「毅然とした対応をとってまいります」
と、例によりテンプレ通りに話していましたが、現実問題として日本には「毅然とした対応を」「断固たる抗議を」と首相が発言する以外に、対抗策がほぼありません。
軍事力の行使を憲法九条により禁じられ、核兵器を保有することができず、敵基地攻撃能力すら持たない我が国は、「防衛」に関する主権がないも同然なのです。せめて、今回の北朝鮮危機を切っ掛けに、「憲法九条では国民を守れない」という当たり前の事実を理解する国民が増えることを願ってやみません。
さて、ＮＨＫが「新たな財政健全化指標」について報じています。
『新たな財政健全化目標設定へ 政府が検討に入る
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170521/k10010989401000.html
政府は、２０２０年度までに基礎的財政収支を黒字化するとした財政健全化目標を見直し、ＧＤＰ＝国内総生産に対する債務残高の割合に着目した、新たな目標を掲げる方向で検討に入りました。政府は当面、今の目標を堅持しつつ、来年度までに新たな目標を打ち出す方向で調整を進めるものと見られます。（中略）
こうした中、政府は今の財政健全化目標を見直し、ＧＤＰ＝国内総生産に対する債務残高の割合が、どれだけの大きさになるかを見る指標に着目して、新たな目標を掲げる方向で検討に入りました。
ただ、政府は、この指標は債務残高が増えても、ＧＤＰが高い成長を続ければ改善するため、財政再建の取り組みを後退させるという指摘が出ることも予想されるとしていて、当面は今の目標を堅持しつつ、来年度までに新たな目標を打ち出す方向で調整を進めるものと見られます。』
財政健全化目標の指標を、ＰＢ黒字化から「政府の負債対ＧＤＰ比率の引き下げ」に変更しようという話です。
そもそも、財政健全化目標などいらない、という本質論は置いておいて、とりあえず政府の負債対ＧＤＰ比率の引き下げは、ＰＢ目標よりは真っ当な目標です。
とはいえ、未だに、
「政府は当面、今の目標を堅持しつつ、来年度までに新たな目標を打ち出す方向」
などと悠長なことを言っているわけで、このままでは今年の「完全なる再デフレ化」は免れません。
なぜ、政府は思い切って「ＰＢ目標を破棄する」とできないのでしょうか。
「財政再建の取り組みを後退させるという指摘が出ることも予想される」
といった抽象的で、どうでもいいレトリックに縛られ、政治的に困難という話なのでしょうか。
分かりません。
分かりませんが、我が国はＰＢ目標という「呪い」により、多くの政策が制約を受けてしまいます。ＰＢ目標がある限り、例えば北朝鮮危機がさらに深刻化し、防衛費を増強しようとしても、
「他の支出を削るか、あるいは防衛増税で」
という話になってしまうのです。
何しろ、東日本大震災を受けてすら「復興増税」を実現した財務省です。北朝鮮のミサイル攻撃が始まった後も、「それでは、防衛増税ということで」とやりかねないわけです。
日本国民を守る「防衛」を実現する第一歩を踏み出すためにも、ＰＢ目標は破棄されなければならないのです。
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