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『世界経済の政治的トリレンマ(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.4.25

https://youtu.be/NYGAqqAuDZs   

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平成29年5月21日 第4回日台親善シンポジウムにて、三橋貴明と田村秀男先生が共演!

http://kokucheese.com/event/index/460716/

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  ソーシャルレンディング最大手maneo代表の瀧本憲治様との対談シリーズ、第六回がリリースされました。


【お金とは何か?失業率と戦争、基軸通貨】 三橋貴明氏に教わる 第6回

https://youtu.be/6-HCaOWRRi8


 今月の三橋経済塾は5月20日、土曜日です。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1970
 第五回のゲスト講師は、満を持して登場! 中野剛志先生!
※三橋経済塾の講義参加には、事前に入塾が必要です。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/


 時局 2017年6月号  に連載「三橋貴明の経世論  第3回 デフレ社会が招いた「国民の貧困化」問題」が掲載されました。


 さて、貧困化とは、「おカネがなくなること」では必ずしもありません。


 貧困化とは、モノやサービスを買えなくなっていくことです。具体的には、「パンを買える量が減る」という話ですね。


 例えば、名目の給料の額面が下がっていたとしても、物価が大きく下落すると、実質賃金が上昇し、買えるパンの量が増えます。


 逆に、名目の給料が上昇していたとしても、それ以上に物価が上がってしまうと、買えるパンの量が減ります。実質賃金の下落です。


 デフレの国では、確かに物価が下がるのですが、それ以上のペースで名目賃金が落ちるため、実質賃金が下落します。


 いずれにせよ、実質賃金の低下=貧困化、なのです


 この実質賃金。少子高齢化に端を発する生産年齢人口比率の低下を受け、人手不足が深刻化しているため、そろそろ上がってくると思っていたのですが、なかなか厳しい状況です。 


実質賃金、3月は0.8%減 2カ月ぶり減少
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL08HHB_Y7A500C1000000/
 厚生労働省が9日発表した3月の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月比0.8%減った。2カ月ぶりに減少した。名目賃金の減少に加えて、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)が上昇し、実質賃金を押し下げた。減少幅は2015年6月(3.0%減)以来1年9カ月ぶりの大きさだった。厚労省は賃金動向について「基調としては緩やかに増加している」との見方を示した。
 基本給や残業代など名目賃金にあたる現金給与総額は0.4%減の27万7512円だった。減少幅は15年6月(2.5%減)以来の大きさ。内訳をみると、基本給にあたる所定内給与は0.1%減、残業代など所定外給与が1.7%減だった。ボーナスなど特別に支払われた給与も3.6%減と落ち込んだ。(後略)』


 現金給与総額と、きまって支給する給与の実質賃金を、対前年比でグラフ化しました。


【日本の実質賃金(2015年平均=100)の推移(対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_56.html#Jchingin


 2016年は「物価下落」の影響で、実質賃金が対前値比でプラス化するという皮肉な結果になったのですが、現在は物価が持ち直しつつある中、名目賃金が「下がる」形で実質賃金が下落してしまいました


 ちなみに、名目で見た17年3月の現金給与総額は対前年比▲0.4%、きまって支給する給与は▲0.2%でした。


 第二次安倍政権発足以降の状況をまとめると、


●13年 物価が上昇に転じたが、名目賃金が下落し、実質賃金が下落
●14年~15年 名目賃金は上昇したが、それを上回る物価上昇が起き(消費税増税などで)、実質賃金が下落
●16年 物価が下落に転じた結果、名目賃金がほとんどプラス化しなかったにも関わらず、実質賃金が上昇
●現在 物価が上昇に転じたが、名目賃金が下落し、実質賃金が下落


 となります。


 名目賃金は、せっかく14年~16年にプラス化したにも関わらず、またもやマイナスに戻りつつあるのです。


 結局のところ、需要の堅実な拡大を伴わず、生産年齢人口比率の低下により人手不足が深刻化しても、賃金はなかなか上がらない、という話です。と言いますか、経営者が「上げられない」のです。


 需要が拡大し、生産性向上を伴って初めて、実質賃金は上昇します。と言いますか、マクロ的には、実質賃金上昇は生産性向上とイコールになります


 日本の実質賃金は、恐るべき状況になっていまして、


【日本の実質賃金指数(長期)の推移】



http://mtdata.jp/data_56.html#chouki


 何と、ピークの1997年と比較し、15%も下落してしまっているのです


 しかも、15%下落とは「平均」であるため、それ以上の貧困化に見舞われた家計が多数派でしょう。

 妙な話ですが、現在の日本は、
需要拡大がない状況で、人口構造の変化により人手不足が深刻化し、果たして実質賃金は上がるのか?
 とうい、ある種の社会実験の結果が見えてきている状況にあります。


 国民を貧困化から救うためには、やはり政府による需要拡大が不可欠、という結論が明らかになりつつあるのです。


「国民を貧困化から救うためにも、政府は需要拡大を!」に、ご賛同下さる方は、

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