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『世界経済の政治的トリレンマ(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.4.25

https://youtu.be/NYGAqqAuDZs   

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平成29年5月21日 第4回日台親善シンポジウムにて、三橋貴明と田村秀男先生が共演!

http://kokucheese.com/event/index/460716/

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 チャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」 」に出演しました。


【討論】迫る戦争の危機!その時日本は Part2[桜H29/5/6]
https://youtu.be/oAzoVTIvxDo
http://www.nicovideo.jp/watch/1493972063


 さて、フランス大統領選挙です。


フランス大統領選挙 きょう決選投票
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170507/k10010972521000.html
 フランス大統領選挙は7日、決選投票が行われ、EU=ヨーロッパ連合との関係強化を訴える無所属のマクロン候補と、EUに反対する極右政党のルペン候補の2人によって争われます。アメリカのトランプ政権の誕生やイギリスのEU離脱など各国で内向きな傾向が強まる中、フランスで有権者がどのような判断を示すのかに世界の視線が集まっています。(後略)』


 下馬評通り、マクロン候補が勝つと、これまで通り「ドイツ第4帝国」の構成国として、自由貿易、規制緩和、緊縮財政というグローバリズムのトリニティ(三位一体)が推進される


 ルペン候補が勝つと、EU離脱という「革命」的な方向に進み、欧州全域に混乱を巻き起こす


 右も左も、苦難の道というわけでございます。


 フランス大統領選挙は得票率24%のマクロン前経済相と、21.3%の
ルペン党首が決選投票に進んだのですが、フランス各地の投票状況を見ると、非常に興味深いことが分かります。


【仏大統領選挙で各候補が得票1位だった県】
http://www.asahi.com/articles/photo/AS20170426004791.html


 フランス東北部、および南部の地方はルペン、それ以外の地方及びパリではマクロンが勝利したと、地域別にくっきりと「色分け」ができてしまっているのです


 マクロン前経済相は、全体的に都市部で強く、人口が多い上位10市を見ると、元々国民戦線の地盤であったニース、マルセイユ以外では圧倒的に勝っています。


 特に、パリではマクロン候補が得票率36%であるのに対し、ルペン候補はわずか5%。まさに、マクロン圧勝です。


 イギリスのブレグジットと同様に、「地域間」「地域と都市部」と、複数の断層でフランス国民が分断されていることが分かります。


 フランス東北部は、炭鉱業が衰退し、地盤沈下が著しい工業地帯です。いわば、フランス版「ラスト・ベルト」でございますが、この地域では逆にルペン党首が圧勝しました


 グローバリズムの問題は、モノ、ヒト、カネの国境を越えた移動を自由化することで、国民を「所得階層別」で分断していくことです。昨日、トッド教授の、
「高齢者や中流、上流階層がマクロン、フィヨン両氏を支持し、若者や労働者階層がルペン氏や急進左派のメランション氏に多く票を投じた。」
 という言葉をご紹介しました。


  Odoxaの調査によると、月収1500ユーロ(約18万6千円)未満の有権者は、51%がルペンに投票するとのことで、マクロンを上回っています。それに対し、3500ユーロ(約43万4千円)以上は、ルペンが26%であるのに対し、マクロンは何と74%。


 グローバリズムにより、国民が所得階級、属性により分断されると同時に、地域毎にも分断されていくということが、イギリス、アメリカ、そしてフランスの事例から分かります。


 第一次世界大戦前の世界も、現在同様にグローバリズム(イギリスを覇権国とした第一次グローバリズム)が蔓延し、国民統合が分断され、一部の国々では「革命」が起きました


 皮肉なことに、第一次グローバリズムにより壊された国民統合を復活させたのは、「戦争」だったわけですが、今回のグローバリズムはいかなる結末をもたらすのでしょうか。


 グローバリズムにより国民が分断され、統合が壊されていっている当事国の一国として、我が国の国民はフランスや韓国で、今後、何が起きるのか、
「グローバリズムは不可逆的だ」
「保護主義は退化だ。ナショナリズムは、戦争をもたらす」
 といった、偏見的なレトリックなしで、しっかりと見届けなければならないと思うのです。


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