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『世界経済の政治的トリレンマ(後篇)①』三橋貴明 AJER2017.4.25
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平成29年5月21日 第4回日台親善シンポジウムにて、三橋貴明と田村秀男先生が共演!
http://kokucheese.com/event/index/460716/
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フランス大統領選挙(決選投票)が二日後に迫ってきていますが、実はその後、つまりは5月9日、フランス大統領選挙以上に我が国に影響を与える「選挙」が行われます。
すなわち、韓国大統領選挙です。
韓国大統領選挙は、一時は安哲秀が文在寅に迫ったのですが、急速に失速。冗談でも何でもなく、このタイミングで「親北朝鮮」というか、北朝鮮のスパイにしか思えない候補が、韓国大統領の座に王手をかけています。
『韓国大統領選 最大野党の文候補大幅リード
http://www.news24.jp/articles/2017/05/03/10360527.html
韓国の朴槿恵前大統領が罷免されたことに伴う大統領選挙を今月9日に控え、3日に発表された投票前最後の世論調査で、最大野党の文在寅候補が支持率42.2%と大きくリード。安哲秀候補は18.6%と失速、北朝鮮により厳しい姿勢の候補に支持が流れたか。(後略)』
安哲秀の失速は、皮肉な話ですが、北朝鮮危機が深刻化するに連れ、彼よりも対北政策が厳しい洪準杓に、保守派の支持が流れてしまっているためです。
安哲秀と洪準杓の支持率を合わせると、文在寅に迫ります。保守派が候補を統一することができたならば、勝負になるかも知れませんが、既に手遅れです。
文在寅が韓国大統領の座を射止める可能性は、現時点では極めて濃厚になっています。
文在寅は、朝鮮戦争の際に北から逃げてきた両親の下で、韓国に生まれました。
チェ・スンシル事件の関連で、朴槿恵大統領の弾劾手続きが進んでいたとき、文在寅は、
「(憲法裁判所が弾劾訴追案を棄却すれば)革命しかない」
と、発言しました。
それ以外にも、
「似非保守を火で焼き払え」
「国の大掃除が必要だ」
「(大統領に当選した場合)米国よりも北朝鮮に先に行く」
などなど、文在寅は親北発言、あるいは「革命」的な発言を連発しています。
さらに、文在寅は「戦時作戦統制権」について、韓国が持つこととする。THAAD(終末高高度防衛ミサイル)の配備は、先送りする。
と、明らかに北朝鮮を利する公約を堂々と掲げているのです。それで、現時点で支持率トップ・・・。
文在寅の支持層を見ると、20代、30代、40代が50%超と高く、50代以降はガクッと減ります。つまり、文在寅を支持している中心層は、韓国の若い世代なのです。
「恋愛」「結婚」「出産」「マイホーム」「人間関係」「夢」「就職」の7つを諦めざるを得ない、韓国の若い世代。いわゆる「七放世代」という言葉で総称される韓国の若者たちが、文在寅を支持しているわけです。
そして、なぜ韓国の若年層失業率が高く、七放世代といった言葉が生まれるほどに困窮してしまったのかといえば、もちろん「グローバリズム」の影響です。韓国は、97年のアジア通貨危機の際にIMF管理に陥り、グローバリズムの優等生として生まれ変わりました。
結果的に、日本以上にグローバル化が進み、国内が少数の勝ち組(財閥オーナー、オーナー家族、役員など)と大多数の負け組に分断されていきました。
グローバリズムが国内の格差を拡大し、「革命家」と呼んでも過言ではないような人物が、政権の頂点に立とうとしている。
カール・マルクスは、自由競争が「古い経済生活と古い半家父長制的諸関係」の破砕を促進すると指摘し、
「ただこの意味でのみ、諸君、私は自由貿易に賛成するものなのである。」
と、語ったと、レーニンが書き残しています。
要するに、自由貿易が保守的な社会を壊し、革命の下地ができるという話なのでしょうが、そのままの光景を、我々は玄界灘の向こう側に見ているのです。
北朝鮮危機に加え、日本は韓国で文在寅大統領が誕生し、廬武鉉を超える親北政策を推進するという、「朝鮮半島の危機」に備える必要があると考えるべきです。
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