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『移民政策のトリレンマ(後編)①』三橋貴明 AJER2017.3.28

https://youtu.be/KebYl0oUkzA                  

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一般参加可能な講演会のお知らせ。
平成29年4月25日一般社団法人東京都トラック協会物流フォーラムにて三橋貴明と藤井聡先生が共演!
【(一社)東ト協ロジ研第1回オープン物流フォーラム】
http://www.totokyo.or.jp/archives/11529
お申し込みは、以下から可能です(限定30名様まで)
https://ws.formzu.net/fgen/S81197452/
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 4月16日、北朝鮮が日本海側の新浦付近で中距離弾道ミサイルを発射。直後に爆発し、発射は失敗に終わったようですが、またもや挑発行為。


 一つ確実になったのは、現在の北京政府に北朝鮮をコントロールするパワーはないという点です。


 次なる山場は、4月25日の朝鮮人民軍創設記念日(創設85周年)になります。


 一部の報道によると、トランプ政権は北朝鮮の次なる核実験、長距離弾道ミサイルの発射実験をレッドラインとみなしているとのことです(公式かどうかは不明)。


 北朝鮮危機は続きます。


 さて、現在のわたくしは「移民政策のトリレンマ(仮)」の佳境を書いているのですが、次の執筆は「財務省亡国論(仮)」もしくは「グローバリゼーションのトリニティ(仮)」の仮タイトルを予定しています。


 グローバリゼーションのトリニティ(三位一体)とは、規制緩和、自由貿易といった構造改革の基盤には、必ず「緊縮財政」がなければならないという話です。規制緩和、自由貿易、緊縮財政は、グローバリズムあるいは構造改革のトリニティなのです。


 緊縮財政があるからこそ、特定の企業家や投資家の利益最大化に結び付き、経世済民を不可能にし、多くの国民を貧困化させるタイプの規制緩和、自由貿易が進むのです。


 ちなみに、相変わらずおバカさんがいるので書いておきますが、わたくしは規制緩和や自由貿易「イコール悪!」などと言っているわけではありません。例えば、橋梁検査において、ドローンの打音検査を認めるといった規制緩和は、現在の日本にとっては善となります。


 反対しているのは、あくまで経世済民に反し、国民貧困化に結び付く、レント・シーキングの色が濃い政策についてです。


 それはともかく、緊縮財政の「肝」は、結局のところ「利益」を価値観の中心に置いているという点になります。「利益」が価値観の第一に置かれてしまうと、
「将来、国民を豊かにする可能性がある技術」
 といった、短期の利益に結び付かない分野における支出が削られてしまいます。結果、技術は衰退します。


(参考)【【藤井聡】鮮明になる日本の科学技術の凋落――「PB緊縮財政」が日本をここまでダメにした】
https://38news.jp/economy/10268


 さらに酷い話ですが、基礎技術、基盤技術といった日本の技術力の大黒柱に対する予算も削られます。実際、財務省は大学の予算を削減し、さらに大学教授に対し「短期の利益」を求める傾向が強まっていきます。


 大学において「長期的な研究」を続けている教授までもが、短期的な成果を求められるのです。こんな有様で、日本の技術力が維持できたら、むしろ奇跡です(※奇跡は起きていません)。


 そして、緊縮財政、別の言い方をすると、
短期の利益にならない分野は、不要であると切り捨てる愚かしい考え方
 は、ついに地方の学芸員の分野にまで及ぼうとしています。


『「学芸員はがん」=山本担当相が発言
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017041600512&g=eco
 山本幸三地方創生担当相は16日、大津市内で講演後、観光を生かした地方創生に関する質疑の中で「一番のがんは文化学芸員と言われる人たちだ。観光マインドが全くない。一掃しなければ駄目だ」と述べ、博物館などで働く専門職員である学芸員を批判した。(後略)』


 日本に「がん」があるとすると、それは学芸員ではなく、山本幸三氏に代表されるように、文化、学問、技術等の貴重さを全く理解せず、短期の利益(観光ビジネス?)にならないものを「不要」と切り捨てる、愚かな政治家が蔓延していることです。


 ちなみに、山本地方創生担当相は、
『私の結論は、「デフレ脱却と消費税増税は全く関係ない。」ということである。その理由は、「デフレは貨幣現象であるので、金融政策がしっかりしてさえいれば、必ず脱却できる。」という点にある』
http://www.yamamotokozo.com/2013/09/130912report/
 と、デフレは貨幣現象であり、消費税増税しても問題ないという主張を広め、14年4月の消費税増税に貢献した、つまりは国民貧困化に協力した戦犯の一人です。


 まあ、デフレが「貨幣現象」であるならば、確かに消費税増税は関係ありません。ある意味で、当時の山本氏は首尾一貫していました。考え方が、根本から間違っているというのが、唯一の問題ではございましたが。


 今更ですが、デフレは貨幣現象ではありません。総需要の不足です。


 話を戻しますが、学芸員とは
「博物館資料の収集、保管、展示及び調査研究その他これと関連する事業を行う「博物館法」に定められた、博物館におかれる専門的職員」
 を意味します。


 当たり前ですが、日本国には「カネ」「利益」にならなかったとしても、あるいは博物館が観光資源にならなかったとしても、残さなければならない風土、風俗、風物、伝統、芸術、芸能、遺跡、出土品等は山のようにあります。何しろ、我が国は世界で最も長き歴史を紡いでいる国なのです。


 この種の「カネにはならないが、残さなければならない大切なもの」を守っている学芸員を、「一掃しなければ駄目だ」と言ってのける。


 とりあえず、山本大臣的な政治家を一掃した方が、間違いなく我が国のためです。


 それにしても、今回の山本大臣の「狂った発言」を目にし、ひたすら短期の利益を追求するグローバリズムは、冗談でも何でもなく文明を滅ぼすと、確信するに至った次第です。


※予め書いておきますが、本エントリーを山本幸三大臣の事務所に送りつける等、抗議活動にご活用頂いても、一向に構いません。

「山本大臣の【学芸員はがん】発言に抗議する」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

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