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『移民政策のトリレンマ(後編)①』三橋貴明 AJER2017.3.28

https://youtu.be/KebYl0oUkzA                  

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 何か勘違いしている人が多いですが、わたくしは別にドナルド・トランプアメリカ大統領を「支持」しているわけではありません。といいますか、日本国民がアメリカ大統領を「支持する!」「支持しない!」とかやっても、仕方がないでしょう


 アメリカ大統領とは、日本国にとっては単なる「環境」です。

 もちろん、わたくしは昨年6月のブレグジットや11月のトランプ当選は「歴史の必然」だと思っています。


 グローバリズム、すなわち「モノ」「ヒト」「カネ」の国境を越えた移動が推進され、各国で政府を小さくし、全てを「自己責任」にゆだねる小さな政府かを目指す規制緩和が推進された結果、各国の国民がグローバル化疲れに陥った。結果的に、民主主義により、各国で、
「行き過ぎたグローバリズムを是正する」
 動きが始まっている。


 これは、論理的な思考が可能な人であれば、誰でも予想できる「調整局面」でございます。


 だからと言って、別にわたくしはトランプ大統領を「支持」しているわけではありません。トランプ大統領様が世界を良くしてくれる、中国から日本国を救って下さる! などと、救世主願望を抱いているわけでもありません


 トランプ大統領は、あくまで「アメリカ国民」のために、グローバリズムを是正しようとしているわけです。


 アメリカン・ファースト。トランプ大統領の考え方は、歴史から見れば正しいかも知れませんが、「日本国民」としては、損を強いられるケースがあると予想するのは普通のことです。


米、日本製鉄鋼に制裁関税=トランプ政権初-商務省方針
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017033100336&g=eco
 米商務省は30日、日本、台湾など8カ国・地域が、鉄鋼製品の一つである炭素合金鋼を米国に不当に安く輸出しているとして反ダンピング(不当廉売)関税を適用する方針を決定した。米国際貿易委員会(ITC)が最終認定すれば、制裁的な関税の適用が確定する。(後略)』


消費税、米輸出を不利に=対抗措置も-米商務長官
http://www.jiji.com/jc/article?k=2017033100380&g=eco
 ロス米商務長官は30日、CNBCテレビのインタビューで、日本の消費税など外国で導入されている付加価値税によって、米国の輸出は不利な状況に置かれていると不満を訴えた。メキシコとカナダに対しては、両国と結んだ北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しで対抗措置を講じる構えを見せた。(後略)』


 自国企業を守るために、外国の製品の関税をかけ、税制に文句を言う。


 これは、果たして問題なのでしょうか。


 もちろん、「グローバリズム」という教義(というか「宗教」)が正しいと信じる人にとっては、問題なのかも知れません


 とはいえ、わたくしは国内の安全保障を毀損してまで、自由貿易を推進し、外国製品を「喜んで受け入れる」ことが正しいとは、微塵も思いません。日本国の需要を、可能な限り、日本国の企業や人材で満たす。これこそが、安全保障の基本です。


 外国が、消費税のように「事実上の補助金」を用い、自国の輸出企業を保護しているのであれば、それに文句をつける。


 トランプ大統領の手法は、アメリカの経済安全保障を考えた場合、「真っ当」としか言いようがないのです。


 ちなみに、消費税は事実上の「輸出企業に対する補助金」として始まりました。何しろ、外国では消費税が採られないため、その分の税金が輸出企業には還付されます。


 とはいえ、輸出企業は下請け企業などに対し「消費税分は上乗せしていい」などとはやりません。実際には、消費税と関係なく、「今年は、何%削ってね」と、相変わらず価格引き下げ「前提」の交渉をやっているのが現状です。


 輸出企業の下請けは消費税を「呑まされている」にも関わらず、輸出企業は税額を還付される。消費税は、フランスで「ルノー救済」のために始まった時点から、輸出企業に対する補助金なのです。


 アメリカは、消費税を導入していないため、「米輸出を不利に」というアメリカ商務長官の発言は、「実に真っ当」としか表現のしようがないのです。


 すなわち、我が国の今後の取るべき道筋は明らかです。


 消費税を減税もしくは撤廃し、アメリカ「様」の要求に応えつつ、我が国の経済安全保障を毀損する輸入に対し関税をかける。これでいいわけです。


 無論、アメリカ「様」に対しては、資源や武器を購入するといった「配慮」が必要だと思います。逆に言えば、それだけでいいのです。


 他の「小国」とは異なり、大国である我が国は、アメリカと「互いに利がある貿易はする。他はしない」という関係になったとしても、国内需要のみで経済成長できます。皮肉な話ですが、日本国が大国であるという自信を取り戻し、行き過ぎたグローバリズムを是正しようとすることで、トランプ大統領率いるアメリカの国益にも貢献することになるのです。


 日本は「内需主導」で成長することで、アメリカの国益にも貢献しうるという「現実」を、まずは日本国民が理解しなければなりません。


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