株式会社経世論研究所   講演・執筆依頼等、お仕事のご依頼はこちらから 

三橋貴明のツイッター はこちら
人気ブログランキング に参加しています。

新世紀のビッグブラザーへ blog

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

『移民政策のトリレンマ(後編)①』三橋貴明 AJER2017.3.28

https://youtu.be/KebYl0oUkzA                  

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆>

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


 日本の実質消費が減り続けています

 くどいほど書いていますが、実質消費の現象とは、
「米を買う量が減っている」
「パンを買う個数が減っている」
 という意味になります。つまりは、日本国民の貧困化です


2月の実質消費支出、前年比3.8%減 市場予想2.1%減 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL29H57_Z20C17A3000000/
 総務省が31日発表した2月の家計調査によると、2人以上世帯の消費支出は1世帯あたり26万644円で、物価変動を除いた実質で前年同月比3.8%減少した。減少は12カ月連続。QUICKがまとめた市場予想の中央値は2.1%減だった。季節調整して前の月と比べると2.5%増加した。
 勤労者世帯(サラリーマン世帯)の1世帯あたりの消費支出は29万8092円となり、実質で前年同月比0.3%減少した。2カ月連続で減少した。』


 というわけで、日本の実質消費の対前年比をグラフ化しました。


【日本の実質消費の推移(2人以上世帯、対前年比%)】

http://mtdata.jp/data_55.html#17Feb



 恐ろしいことに、日本の実質消費は昨年2月のうるう年効果を除くと、何と18カ月連続で対前年比のマイナスとなってしまっています


 日本の憲政史上、一年半もの間、国民の実質消費を減らした総理大臣は存在しません。安倍総理大臣は、憲政史上、最も国民の消費を実質的に減らしてしまった総理大臣なのです。

 各年の2月に絞ってみると、2013年2月を1とすると、17年2月は0.96です。国民は四年前と比べ、100個買っていたパンが、96個しか買えなくなっているという話になります。


 安倍政権の緊縮財政により、国民の貧困化が続きます。14年4月の消費税増税以降の我が国の実質消費の下落は、ほとんど「ギネスブックに登録できるのでは?」と思いたくなるほど、惨憺たる状況です。


「安倍晋三総理大臣は、日本の憲政史上、最も国民の実質消費を減らした首相」
 というレトリックは、与党を攻撃する上で、かなり効果的だと思うのですが、この手の議論は国会では全く行われません。

 与党の政治家も、野党の政治家も、双方が共に「国民の貧困化」から目をそらしているというのが、現実の日本です。

 特に、なぜ野党は日本の実質消費の下落を集中的に取り上げないのでしょうか?

 理由はもちろん、実質消費下落の切っ掛け、あるいは原因が「消費税増税」にあるためでしょう。消費税増税は、民主党の野田政権が決定した政策です。


 もちろん、当時の消費税増税法には「景気条項」があり、自民党に政権交代した後に、安倍総理が景気悪化、あるいはデフレ深刻化を理由に、消費税増税を凍結することはできませんでした。それにも関わらず、13年10月1日に総理が消費税増税の「判断」をしたわけで、安倍政権や与党が責任を免れるわけではありません。


 とはいえ、法律として成立させたのが野党第一党(民進党)というわけで、我が国は消費税増税及び増税による景気悪化、実質消費の下落について、
お互いに、触れたくない
 という状況が成立してしまっているわけでございます。

 つまりは、詰んでいます。

 そして、今後は「失業率改善」を理由に、さらなる緊縮財政が推進されることになるのでしょう


 実質消費が減り、実質賃金も上がらない状況で、雇用が改善している。生産年齢人口比率の低下という人口構造の変化以外で説明できるはずがないのですが、我が国では、
「アベノミクスの金融政策の効果で、雇用が改善した」
 と、金融緩和が「介護産業」の雇用を改善するという面白理論が蔓延し、財務省の緊縮財政をサポートすることになるのでしょう

 日本の実質消費が下落を続け、実質賃金も上昇していない以上、安倍政権の緊縮財政が「失敗した」という現実
を国民や政治家の大半が共有しない限り、政策が真っ当な方向に向かうことはないのです。


「安倍政権は緊縮財政を転換せよ!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!

新世紀のビッグブラザーへ blog   
◆本ブログへのリンクは以下のバナーをお使いください。
新世紀のビッグブラザーへ blog
 ◆関連ブログ
日本経済復活の会のホームページは↓こちらです。
 

 ◆三橋貴明関連情報
新世紀のビッグブラザーへ ホームページ はこちらです。
メルマガ「週刊三橋貴明~新世紀のビッグブラザーへ~」
は↓こちらです。