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『移民政策のトリレンマ(後編)①』三橋貴明 AJER2017.3.28
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チャンネル桜「Fornt Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】グローバリゼーションのトリニティ / ウィーン体制とポスト・グローバリズム(前編)[桜H29/3/31]
http://www.nicovideo.jp/watch/1490941485
さて、17年2月の雇用統計が発表されました。
予想通り、完全失業率がついに3%ラインを突破し、2.8%に低下。若年層失業率は、何と4.1%!
もちろん、主要国最低です。
『2月の失業率2.8% 22年ぶり2%台
http://www.asahi.com/articles/ASK3Z6TTDK3ZULFA02M.html
総務省が31日発表した2月の完全失業率(季節調整値)は前月より0・2ポイント低い2・8%となり、1994年12月以来、22年2カ月ぶりの2%台を記録した。
完全失業率は、リーマン・ショックの影響で雇用情勢が悪化した2009年7月に過去最高の5・5%を記録して以降、景気回復とともに低下傾向が続いている。2%台前半で推移した1990年前後のバブル期の水準には及ばないが、失業率の低下で労働市場の需給は引き締まり、人手不足感が強まっている。(後略)』
日本の失業率の下落について、安倍政権の経済政策の「おかげ」と、懸命に印象操作を図っている論客が少なくありませんが、もし本当にそうであったとしたら、就業者数が増えるはずです。ところが、現実には就業者数はすでに頭打ちになり、下落を始めています。
【日本の完全失業率・若年層失業率(%、左軸)と就業者数(万人、右軸)】
http://mtdata.jp/data_55.html#Unemp17Feb
2017年2月の就業者数は、ほぼ一年前の水準に戻ってしまっています。
就業者数が減り、同時に失業率が改善した。人口構造の変化(生産年齢人口比率の低下)により、雇用環境が改善している風に「見える」としか説明のしようがありません。
少子高齢化により、人口の瘤である団塊の世代が労働市場から退出したとしても、それを埋める若者は労働市場に入ってきません。日本の雇用の改善は、少子高齢化による生産年齢人口比率低下がもたらす「必然」なのです。
ちなみに、産業別就業人口をグラフ化すると、以下の通り。
【日本の産業別就業者数の推移(単位:万人) 】
http://mtdata.jp/data_55.html#san
日本で雇用が伸びている産業は、医療・福祉「のみ」といっても過言ではない状況なのです。すなわち、介護産業が現在の日本の失業率の低下をもたらしています。
少子化で、生産年齢人口比率が低下した。同時に、高齢化により介護分野の需要が拡大。
医療・福祉の就業者数が増加することで、失業率が2.8%に低下した。若年層失業率が、4%を割り込む寸前に至っている。
これが、日本の雇用改善の真実です。
なぜ、日本の雇用改善の真因が「生産年齢人口比率の低下」であると繰り返すのかといえば、失業率低下が、
「あ、ならばデフレ対策の財政出動はする必要がないね」
と、緊縮財政に活用(悪用)される可能性が濃厚であるためです。
現在の日本の失業率の低下は、安倍政権の経済政策の効果ではありません。もちろん、オールオアナッシングではなく、多少は影響しているでしょう。
とはいえ、その場合は「金融政策拡大により、介護分野の雇用が増えた」という政策波及経路について、説明する必要があります。少なくとも、わたくしには不可能です。
日本の雇用改善が「少子高齢化による生産年齢人口比率の低下である」と正しく認識し、民間や政府が人手不足解消のための「投資」を拡大することで、
「現在の需要(主に投資)不足を解消し、将来の生産性向上で人手不足を解消できる」
という、まさに一石二鳥の経済政策となり、将来の日本国の繁栄をもたらすのです。
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