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『移民政策のトリレンマ(後編)①』三橋貴明 AJER2017.3.28

https://youtu.be/KebYl0oUkzA                  

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ヒロカネプロダクション作画、三橋貴明監修 経済が簡単に分かる漫画 「デフコン!!」 

第2話 メディアリテラシーの重要性(日本青年会議所)公開!
 

 WiLL 2017年5月号  に、連載「反撃の経済学 移民政策のトリレンマ」が掲載されました。


 明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 ビジネス社から渡邉哲也氏との対談本「世界同時 非常事態宣言 ~トランプ以後の激変が始まった! 」が刊行になりました。



 見本が来たので、改めて読んでみたのですが、何というか「重いテーマ」を「軽いタッチ」で語り、渡邉氏とのやり取りを経て、がっちりと頭に入る一冊に仕上がりました。


 現代の世界は、1979年のイギリスに端を発した「第二次グローバリズム」が袋小路に突き当たり、各国の国民がグローバル化疲れ(エマニュエル・トッド)が政治を動かしている状況にあります。

 グローバリズムの政策には、自由貿易や投資自由化、移民政策、国際協定といった「国境を越えたモノ、ヒト、カネの移動の自由化」に加え、各国で行われた規制緩和、そして緊縮財政が含まれます。自由貿易、規制緩和、緊縮財政の三つは、グローバリズムの政策として「パッケージ」なのです。


 先日、第69回カンヌ国際映画祭パルムドール(最高賞)を受賞した「わたしは、ダニエル・ブレイク 」を観てきました。


 カンヌで賞を採ったためか、映画館は満員でした。テーマが固いため、観客が入るのかなあ・・・・、と思って映画館に入ったところ、逆に満員で吃驚しました。


 もっとも、観客の方々の何割が、本作に込められている「イギリスの緊縮財政批判」を明確に理解できるのかな、と、疑問に思いました。「わたしは、ダニエル・ブレイク」は、2010年以降のキャメロン政権による緊縮財政で、生活保護や失業手当の支給が「超」厳しくなった現代のイギリスを描いた作品です。


 ダニエルは、心臓病で仕事を医者から禁止されている状況であるにも関わらず、行政から「委託を受けたアメリカの民間企業の担当者」の紋切り型の質問と手続きにより、生活保護を止められてしまいます。日本で言えば、外国の派遣会社の社員が市役所の窓口で、生活保護の支給の可否を判断するようなものです。


 その後、ダニエルが、とにかく支給を認めたくない行政に振り回される形で物語が進むのですが、これ以上のネタバレはやめておきましょう。


 いずれにせよ、自由貿易、規制緩和、緊縮財政の三点セットにより、各国の国民は「疲れてしまい」、政治が動いているのが現代の世界です。

 そして、同時に大手メディアが、グローバリズムの袋小路から何とか抜け出そうとする国民の意志を認められない時代でもあります。


焦点:トランプ氏の未熟な政治交渉力、代替案撤回で露呈
http://jp.reuters.com/article/usa-obamacare-trump-idJPKBN16Y06P
 米共和党は24日、議会下院で予定していた採決直前になって医療保険制度改革(オバマケア)代替法案を撤回した。トランプ大統領と議会共和党指導部はぎりぎりまで採決に持っていくと主張していただけに、面目は丸つぶれとなった。(後略)』


トランプは張り子の虎、オバマケア廃止撤回までの最悪の一週間
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2017/03/post-7257.php
 ドナルド・トランプ米大統領にとって大きな敗北だ。3月24日、オバマケア(医療保険制度改革)の廃止代替案を議会採決直前に撤回せざるをえなくなったのだ。(後略)』


トランプ流 独善の限界があらわに
http://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20170327/KT170325ETI090004000.php
 トランプ米大統領の独善的な手法の限界を示したといってもいいのではないか。
 与党共和党は、オバマ前政権が取り組んだ医療保険制度改革(オバマケア)を撤廃して新たな制度をつくる法案を撤回した。
 オバマケアの廃止はトランプ氏の最重要公約の一つである。野党民主党だけでなく、与党議員からも反対され、可決の見通しが立たなくなった。
 鳴り物入りで打ち出したイスラム圏からの入国禁止令も裁判所に差し止められている。
 看板政策が次々に壁に突き当たったことで、支持率や求心力の低下は避けられない。今後の政権運営が不安定化し、内外に影響が出ることが懸念される。(後略)』


 トランプ政権がオバマケアの撤廃に失敗したことを受け、各紙が「それ見たことか(嘲笑)」的な記事を出しています。信濃毎日新聞の社説は、実際には書いているのは共同通信でしょう。

 とはいえ、オバマケア撤廃はトランプ大統領の公約でした。公約を推進しようとした大統領が議会調整に失敗したことを受け、これほどまでに「ざまあみろ」的な論調で溢れるのが、まさに「トランプ以後の世界」の特徴なのでしょう。


 いずれにせよ、グローバリズムの袋小路から抜け出そうとする動きと、逆に袋小路に追い込もうとする動きが衝突することで、世界は動いています。


 今後の世界の歴史はいかなるものになるのか? 特に、この期に及んでグローバリズムの袋小路に全速力で突っ込もうとする日本の未来は? トランプ大統領も選挙戦時に使っていましたが、日本や世界で流行しているルサンチマン・プロパガンダの問題。

 将来は、いずれにせよ不確実です。特に、昨年のブレグジット以降の世界は不確実です。

 不確実である以上、目隠しを取り去り、交差点を渡る必要があります。というわけで、日本国民に目隠しを取り、交差点を見て頂くための一冊「世界同時 非常事態宣言 ~トランプ以後の激変が始まった! 」が刊行になりました。
 

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