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『ポストグローバリズム時代に一番有利な国①』三橋貴明 AJER2016.12.27

https://youtu.be/qCnlVHWdptU

   

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 今週日曜日、1月22日に、いよいよ三橋経済塾第六期が始まります。

http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/


銀行は一体、何を担保に銀行預金というお金を発行しているのだろう?

 といった、経済の根幹たる「お金」について、完全なる理解を求める皆様、是非とも三橋経済塾 にご入塾くださいませ。第一回、第二回で「お金」の真実を取り上げます。

 実のところ、別に難しい話ではないのですが、日本国内で他に誰も語らないのです・・・。


 さて、先日来、対外直接投資や逆輸入問題、雇用の問題について取り上げていますが、実は今、世界では不思議な現象が起きているのです。

 すなわち、世界的な失業率の悪化「と」、先進国の雇用改善の同時発生です。


世界の失業率悪化へ ILO予想、17年5.8% 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM13H1L_T10C17A1EAF000/
 国際労働機関(ILO)は12日、2017年の世界の失業率が5.8%と前年より0.1ポイント悪化するとの予想を発表した。先進国は米国の改善などを受けて低下するが、新興国はブラジル経済の苦戦などが響くとみている。失業者数は初めて2億人の大台を超える可能性があり、ILOは「多くの地域で社会不安のリスクが高まっている」と警告している。(後略)』


 日本の失業率については、繰り返し解説したため触れません。もっとも、失業率が改善しているのは、実は日本だけではないという事実も知っておいてください。


 アメリカの失業率は、直近で4.7%。失業率が予想よりも「低い」からこそ、FRBが利上げを繰り返すのではないかという見込みが織り込まれつつあります。


 イギリスの失業率は、直近で4.8%。イングランド銀行の金融政策委員会であるマイケル・ソーンダーズ委員は、1月13日に、17年のイギリス失業率は当初予想と異なり、現在の11年ぶり低水準近辺にとどまる見込みだと述べました。


 ユーロ圏にしても、ドイツが4.1%。もっとも、ユーロ圏の場合は、ギリシャが23.1%と高止まりしており、域内格差が目立っています。


 と言いますか、日米英独という先進国の失業率が改善している反対側で、世界的な失業率の悪化が見られる。世界的な「雇用格差」が発生しつつあるのが現代という時代です。


 さらに言えば、英米の失業率は全体では低水準になっていますが、若年層失業率は二桁です。


【2015年 主要国若年層失業率(%)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_55.html#Jakunen


 あるいは、アメリカを例に取り上げると、「労働参加率の低下」が失業率を押し下げている面もあります(日本もあります)。


 そもそも、失業率とは「労働力人口」に占める完全失業者の割合なのです。すなわち、失業者が就職をあきらめ、労働市場から退出してしまうと、失業率は「改善」します


 韓国が、ハローワークを訪れた人について、紹介した職に就かなかった場合、労働市場から排除してしまい、失業率を「良く見せる」という統計マジックを駆使しているのは、何度かご紹介しました。


 ついでに、韓国では2月に「公務員の採用」が始まるため、労働市場から退出していた人たちが一斉に職を探し始め、失業率が一か月で1%も跳ね上がるという笑えない事態が起きています。


 日本において、一か月で失業率が1%も跳ね上がった日には、内閣が吹き飛びそうですが、韓国では別に問題になりません。所詮は「統計マジック」の話であり、まあ、韓国ですから


 それはともかく、現在の世界では、雇用に関連して二つのポイントがあるという話です。


 一つ目は、一部の先進国(日米英独など)の失業率が低下する反対側で、新興経済諸国などの雇用環境が悪化し、二極化が進んでいることです。


 そして二つ目は、雇用改善国において、
「景気が良いために、需要が増え、失業率が改善している」
 とは、必ずしも限らないという点です。労働参加率が低下した結果、失業率が改善しているのでは、手放しに「失業率が下がった!」と喜ぶことはできません。


 同時に、失業率が低下したとはいっても、生産性向上を伴わない場合は、実質賃金は低迷し続けるだろうし、同時に労働分配率の問題も見なければなりません


 要は、日米英独などの国は、今後は「雇用の質」に目配りした対応をしなければならないという話です


「失業率が下がった! 政策がうまくいった!」
 などと、思考停止的な思い込みをするのは、一般国民はともかく、政治家はやめるべきです。真に「国民経済」について思いを馳せるならば、政治家は「雇用の質」についても真剣に考えなければならないという時代なのです。


「政治家は雇用の質についても考えろ!」に、ご賛同下さる方は、 このリンクをクリックを! 

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