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『ポストグローバリズム時代に一番有利な国①』三橋貴明 AJER2016.12.27
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1月22日に開講となる三橋経済塾第六期 では、毎月のわたくしの講義に加え、ゲスト講師をお招きし、ご講演頂きます。初回は、以前も書きましたが、完全なる理解を目指し「経済」「お金」に関する知識を集中的に叩き込むため、ゲスト講師はお招きしておりません。
というわけで、2月以降は講義の後半にゲスト講師にご講演頂くことになります。現時点で決定しているゲスト講師の皆様は、以下の通りです。
第二回:ゲスト講師:竹村 公太郎氏(日本水フォーラム代表理事・事務局長)「水力発電が日本を救う」「日本史の謎は「地形」で解ける」など著作多数!
第三回:ゲスト講師:藤井 聡氏(京都大学大学院教授、内閣官房参与)
第四回:ゲスト講師:青木 泰樹氏(京都大学レジリエンス実践ユニット・特任教授)
第五回:ゲスト講師:中野 剛志氏(評論家)
第六回:ゲスト講師:施 光恒氏(九州大学准教授)
第十回:ゲスト講師:柴山 桂太氏(京都大学大学院人間・環境学研究科准教授)
どうですか!豪華絢爛でしょう!
七回、八回、九回、十一回、十二回は未だ決定しておりませんので、決まり次第、ご報告いたします。ちなみに、青木先生には「シムズ論文」を取り上げてもらう予定です。
もちろん、講義当日に会場にお越し頂かなくても、インターネットから受講、あるいはゲスト講師の講演を視聴できます。
三橋経済塾の入塾申込は、以下から可能です。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/
さて、経済「学」的には、インフレ率と失業率は負の相関関係にあります。すなわち、インフレ率が上昇すれば失業率が下がり、インフレ率が下落し、デフレになれば失業率が上がるのです。
くどいようですが、デフレとは「総需要の不足」です。総需要とは「仕事の総量」という意味を持ちます。
デフレで仕事の量が不足すれば、人が余り、失業率が上昇する。当たり前ですよね。
というわけで、わたくしは以前はインフレ率と失業率の負の相関を示したフィリップス曲線で、デフレ脱却の重要性を訴えていました。
ところが、最近、異変が生じています。
前にも書いた気がしますが、フィリップス曲線を作成する際の「インフレ率」は、コアCPIよりもGDPデフレータの方が良いです。と言いますか、GDPデフレータの方が「美しい曲線」を描けます。
というわけで、わたくしは以前からフィリップス曲線作成時には、インフレ率についてGDPデフレータを採用しています。
以下が、内閣府、統計局のデータを用いて作成した、95年以降の日本のフィリップス曲線です。
【日本のフィリップス曲線 95年-16年(単位:%)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_55.html#Philips
上図から、大きく二つのことが読み取れるでしょう。
(1) 消費税を上げると、GDPデフレータがプラス化する
消費税を上げると、名目の物価が上がります。名目の物価上昇は、名目GDPを嵩上げします。
ところが、消費税増税で実質の生産は減ってしまうため、名目GDPの拡大率が実質GDP成長率よりも大きくなり、GDPデフレータが上昇するわけです。
少なくとも、1997年、2014年は確実でしょう。
(2) 2016年は、失業率が95年以降で最も低いにも関わらず、インフレ率がマイナス
逆に言えば、インフレ率が低いにも関わらず、失業率が過去二十年間で最低。これが、2016年という年だったのです。
ある意味で、人類の理想です。何しろ、物価は上がらないにも関わらず、雇用環境が改善していくのです。フィリップス曲線を完全に無視してしまっております。
「フィリップス曲線によれば、インフレ率の低下は、雇用環境の悪化をもたらすのではないですか!? 経済学者の皆さん!?」
てなもんでございます。
別に、説明がいるとは思いませんが、現在の日本は、
「安倍政権の失政(緊縮財政)により、デフレが継続している(物価が下がっている)」
と、
「少子高齢化による生産年齢人口比率の低下により、雇用環境が改善している」
と、二つの現象が同時並行的に進んでいるだけなのです。
それにも関わらず、経済学者もしくは経済学に「かぶれた」方々は、
「いや、雇用環境の改善は、安倍政権の金融政策のおかげだ!」
と、強弁したいのでしょうが、ならばインフレ率が「マイナス」というのはおかしくない? なぜ、インフレ率がマイナスであるにも関わらず、雇用環境が改善しているの? フィリップス曲線を否定する気?(してもいいけど)
というわけなのでございます。
しつこいですが、わたくしは金融政策に反対したことは一度もなく、現時点で金融緩和を止めるなど「とんでもない!」と、繰り返し発言しています。
単に、雇用環境の改善を、金融政策の「おかげ」としてしまうことが、財務省の緊縮財政路線をサポートすることになるため「危険だ」と主張しているに過ぎません。何しろ、雇用環境の改善が金融政策のおかげならば、
「ならば、金融政策だけやって、政府の需要創出策はいらないじゃん」
という話になり、財務省は間違いなく上記のレトリックでやってくるという話なのです。
昨日と同じオチになりますが、安倍政権は雇用改善が人口構造の変化によるもので、「自分の手柄ではない」という現実を認識し、その上で早急なデフレ脱却策を講じなければならないのです。
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