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『ポストグローバリズム時代に一番有利な国①』三橋貴明 AJER2016.12.27

https://youtu.be/qCnlVHWdptU

   

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 SAPIO 2017年2月号 に「グローバル化が遅れた日本こそが世界の経済覇権を握る」が掲載されました。


 経済界 2017年 1/24号 に連載「深読み経済ニュース解説 安倍政権の緊縮財政」が掲載されました。


 陛下の譲位問題と、韓国の反日を並べるのは自分でもどうかと思うのですが、二つの問題に共通した「世論」について、本日、取り上げたいと思います。


 陛下の譲位問題では、当初、「生前退位」という、これまで聞いたこともない「フレーズ」で大々的に報道された時点で、プロパガンダ色満載でございました。生前退位って何なんだ? 「譲位」ではないのか、と疑問に思ったわけですが、その後、いくつかの新聞は「譲位」と書くようになりました。


19年元日に新天皇即位、元号は半年前までに
http://www.yomiuri.co.jp/politics/20170110-OYT1T50130.html
 政府は、2019年1月1日に皇太子さまが新天皇に即位し、同時に元号を改める検討に入った。
 新元号は改元の半年以上前に公表する方向だ。
 平成30年(2018年)の区切りで天皇陛下の退位を実現するとともに、国民生活への影響を最小限に抑えるため、新元号は元日から始め、事前に公表することが望ましいと判断した。政府は一代限りの退位を可能にする特例法案を20日召集の通常国会に提出する方針で、陛下の退位日は政令で定めることを法案に明記する。(後略)』


 産経の記事に続き、読売など各紙で報じられている以上、陛下が特措法で譲位されることは確実なのでしょう


 陛下の譲位の件で怖かったのは、本問題について「世論調査」が行われたことです。例えば、朝日新聞は昨年の9月10、11日に全国世論調査を行い、
「天皇陛下の生前退位「賛成」91% 朝日新聞世論調査」
 という見出しの記事を出しました。


 陛下の問題や、皇室のあり方について、我々日本国民は「民意」「世論」で決定していいのでしょうか? そんなはずがありません。


 神話において、日本列島を創った伊弉諾尊と伊弉冉尊との間に、三貴子たる天照大神、月夜見尊、素戔嗚尊の三柱の神々が生まれました。(日本書紀)


 太陽の神である天照大神の孫にあたる邇邇藝命(ににぎのみこと)が、葦原の中つ国を治めるため、高天原から日向国の高千穂峰へ天降りました。天孫降臨です。


 瓊瓊杵尊の曾孫にあたる神日本磐余彦は、
「東に美しい土地があるという、青い山が四周にあり、その地には天から饒速日命が下っているという。そこは六合の中なれば、大業を広げて、天下を治めるにふさわしい土地であろう。よって、この地を都とすべきだ」
 と、東征を開始。瀬戸内海を東進し、当時は海で会った浪速国に到達。当地の支配者であった長髄彦の軍と孔舎衛坂で戦い、敗北。


 その後、紀伊半島をぐるりと周り、八咫烏(天照大神の分身)の案内で大和の国に到達。長髄彦の軍を下し、大物主の娘である五十鈴姫を妻とし、52歳で始馭天下之天皇(はつくにしらすすめらみこと)として即位しました。


 すなわち、神武天皇です。現在の第125代天皇陛下は、神武天皇の血を引くお方、すなわち天照大神の子孫ということになります。


 神話の時代から続く皇室を戴いている国は(「王室」であっても)、世界に我が国のみです。


 陛下や皇室は、日本国の「国体」そのものであり、憲法やら民意やらで決めていいものとは思えません


 我々、現在に生きる日本国民は、皇室や天皇について、どれほど理解しているのでしょうか。二千年という長期にわたり、万世一系を維持してきた歴史、意義を、本当に理解しているのでしょうか。


 国体の問題について、
「陛下がお可哀想だから・・・」
 といった感情的な判断をして、本当に構わないのでしょうか


 メルマガでも書きましたが、陛下の譲位問題について、一般国民が無責任に「意見」を表明するのは、いかがなものかと思います。皇室の行く末を決めるということは、二千年近く前から存在する我が国の「国体」について物申すという話になるのです。


 少なくとも、移ろいやすい「世論」に従って「国体」のあり方を考えてはいけないと思うのです。特に、今回の譲位問題を巡っては、「世論」で「生前退位」を実現し、皇室典範も変更。「女系天皇」を実現したいのではないかという「邪な意図」が見え隠れしていました。


 この種のプロパガンダが展開されているときに、気軽に「意見」を表明するのは、かなり危険なことなのではないかというのが、わたくしの「意見」です。


 さて、韓国。


韓国、合意より世論 慰安婦象徴の少女像設置 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H8D_Q7A110C1EA1000/
 ソウルの日本大使館前に続いて釜山の日本総領事館前に従軍慰安婦を象徴する少女像が設置された問題は、強硬な市民団体や世論、野党の影響力が強く、国家間の約束を軽視しがちな韓国内の風潮を浮き彫りにした。日本政府は対抗して長嶺安政駐韓大使らを一時帰国させたが、日韓の慰安婦合意で残された懸案は解決の見通しが立たない。(後略)』


 韓国にとって、反日は国是です。しかも、長年の反日教育、反日工作により、国民「世論」が熱狂的に支持するようになった国是なのです。


 韓国では、反日世論が政治、司法、そして憲法の上に立ちます。この手の国と、まじめに「交渉」「合意」をした安倍政権が間違っているのです。


 韓国が慰安婦に関する合意を破棄した場合、「国際的信認を失う」どうのこうのと、2015年末の安倍政権による日韓合意を支持した人たちがいましたが、「国際的信認」とは何なのでしょうか。国際的信認を失えば、韓国が消滅するとでもいうのでしょうか。


 抽象的用語で安倍政権の失政(日韓合意)を庇おうとする人たちには、本当に呆れかえってしまいます。いわゆる、認 知 的 不 協 和なのでしょうが、日韓合意も、その後、約束通り10億円を支払ったことも、安倍政権の外交的失政なのです。


 国家間の約束は、守られる。守らなければ、国際的な信認を失い、国が立ち行かない。


 などと、甘いことを考えるのは日本国民くらいなものです。頻繁に約束が覆され、そのたびに各国が自己正当化のためのプロパガンダを展開するというのが、現実の世界です。


 今回のケースで言えば、韓国側は、
「大使を帰国させるなど、安倍政権の強硬姿勢が現在の事態を招いた。合意破棄の原因は、安倍政権だ
 と、自己正当化しようとするに決まっています。そして、日本側がどれだけ「正論」で反論しようとも、韓国は滅びませんし、日本を貶めるプロパガンダもやむことはないのです。


 そもそも、反日の「世論」が優先される韓国が、合意を守ると考える方が間違っているのでございます。


 いずれにせよ、世論とは「常に正しい」とは限りません。だからといって、世論を完全に無視していいとも限りません。

 あるいは、世論に問うてはいけない問題もあります


 ならば、どうしたらいいのか! と、問われても困ります。「完全に正しいシステム」など、この世に存在しないのです。国民、企業、政治家、官僚など、各主体が喧々諤々の議論をし、グダグダ、グダグダと泥の海を進み、何とか状況を改善するべく、足掻くしかないのです。


 スパーンッ!と、割り切れる問題など、実際にはそれほどないのです。この冷たい現実を理解することこそが、「何とか状況を改善する」の第一歩になるのではないかと考える次第です。


「世論」について、改めて考えて下さった方は、  

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