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『ポストグローバリズム時代に一番有利な国①』三橋貴明 AJER2016.12.27

https://youtu.be/qCnlVHWdptU

   

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 本日はチャンネル桜「日本よ、今...「闘論!倒論!討論!」」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1587


 明日は11時55分からテレビ朝日「ビートたけしのTVタックル」に出演します。
http://www.tv-asahi.co.jp/tvtackle/


 さて、チャンネル桜の番組でも解説いたしましたが、

【Front Japan 桜】2017年とお金の話 / 英語ペラペラ国際人にならずにグローバル社会で生きる法[桜H28/12/16]
 デフレーションとは物価の下落に加え、所得が(それ以上のペースで)縮小するという問題です。なぜ、所得が物価以上のペースで下がるのかと言えば、所得が、
所得 = 付加価値の価格 x 販売数量
 で計算されるためです。

 デフレ期には、価格が下がるのに加え、販売数量が減るのです。そのため、「所得の下落率>価格の下落率」という状況になり、実質賃金が下がっていきます。


 デフレのポイントは、「販売数量の減少」すなわち需要の縮小なのです。ところが、経済学的には価格の下落が販売数量の拡大をもたらす「ということになっている」ため、話が混乱するわけです。


 それはともかく、16年11月の実質賃金速報値が出ました。


実質賃金、11カ月ぶりマイナス 11月0.2%減 
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS06H12_W7A100C1MM0000/
 厚生労働省が6日に発表した2016年11月の毎月勤労統計調査(速報値、従業員5人以上)によると、物価変動の影響を除いた実質賃金は前年同月と比べて0.2%減った。マイナスとなるのは11カ月ぶり。名目でみた賃金は人手不足などを背景に緩やかに増加しているが、伸びは小幅で勢いを欠く状況が続いている。(後略)』


 日経の記事にある▲0.2%とは、現金給与総額です。わたくしが重視する「きまって支給する給与」では、±0%でした。


【日本の実質賃金(きまって支給する給与)の推移】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_55.html#JC1611


 きまって支給する給与の名目値は、11月速報値で+0.3%でしたが、物価上昇で打ち消されてしまったわけです。


 まだ日本は「物価が下落するが、それ以上に所得が下落するため、実質賃金が下がる」という「完全にデフレ」の状況には至っていません。例えば、きまって支給する給与で、物価が▲0.1%になったにも関わらず、名目の給与が▲0.2%となり、実質賃金低下、などという状態に至れば、まさに「完全にデフレ」という話になります。


 とはいえ、次第にそこに近づいているのは間違いないのです。


 インフレ率はすでにマイナスでは? と、疑問を持った方がいるかも知れませんが、確かにコアCPI(生鮮食品を除く総合)は▲0.4%です。ただ、実質賃金計算時に使われる「消費者物価(持家の帰属家賃を除く総合)」は、未だプラスです。


 いずれにせよ、グラフを見ればわかりますが、現在の日本国民の所得は、まさに「停滞」と呼びうる状況にあります。精々「良くて横ばい」では、第二次安倍政権発足ごの急激な実質賃金落ち込みを取り戻すことができるのが、いつになるのやら、情けない思いに駆られます。


 実質賃金の上昇のためには、「人手不足」と「生産性向上」の二つが必須です。当たり前ですが、人手不足を「外国人労働者投入」で補い、生産性向上(生産者一人当たりの生産の拡大)がなされなければ、実質賃金は低迷します。現在のイギリスやアメリカ、さらには欧州の大陸諸国を苦しめているのは、まさにこの問題なのです。


 幸いといっては何ですが、現在の日本は人口構造の変化を受け、人手不足が深刻化していっています


 政府は「外国人労働者を~」ではなく、公的インフラの整備を進め、企業サイドに生産性向上のための投資を促す「財政出動」を推進しなければなりません


「内部留保を貯めすぎだ。賃上げしろ。投資をしろ」
 と、政府が企業側に要求するのではなく、生産性向上のための投資を促す「税制」「助成金」を考案し、同時に自らも投資(公的インフラの整備)をするのです。


 同時に、企業の経営者は目の前の人手不足を「生産性向上のための投資」で解消するために、知恵を絞らなければならないのです。


 ここからは、経営者の端くれである「株式会社経世論研究所」の社長として書きます。

 人手不足とは、経営者にとっては厳しい環境です。投資をしたところで、生産性向上で人手不足が解消するか、事前には誰も保証できません。


 それでも、やるのです。将来が不確実であっても、生産性向上のための投資を決断し、自社はもちろん、国民経済をも成長させる。その経営者の根性こそが、経済学者には理解できない、経済成長の根源たるアニマル・スピリッツなのです


 かつて、今以上に人手不足だった高度成長期。日本の経営者は果敢な投資を実施し、日本を世界第二位の経済大国に押し上げました。


 高度成長期と同様に、現在の日本は「経営者の真価が問われる時代」に突入したことを理解する必要があります。


「生産性向上のための投資で人手不足解消を!」にご賛同下さる方は、

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