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『ポストグローバリズム時代に一番有利な国①』三橋貴明 AJER2016.12.27
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明日は6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
『伊勢神宮に大勢の人が初詣 三重
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170101/k10010826471000.html
新年を迎え、三重県伊勢市の伊勢神宮には大勢の人が初詣に訪れています。
伊勢神宮の内宮には午前中から大勢の人が初詣に訪れ、入り口に架かる宇治橋を渡り、玉砂利が敷き詰められたおよそ1キロの参道を歩いて正殿へと向かいました。
正殿では次々とさい銭を投げ入れ、それぞれの思いを込めて静かに手を合わせていました。(後略)』
唯一神明造の神宮や、エジプトのピラミッドなどは、まさしく「文明」の象徴ですが、建設に従事する「生産者」の食料について、それ以外の生産者が生産可能でなければ建設不可能です。
一人分の食料生産のために、「一人」が必要である。すなわち、生産性が極端に低い場合、ピラミッドや本宮を建設する余裕は出てきません。何しろ、誰もが食糧生産に従事しない限り、飢えが発生してしまいます。
十人分の食料生産を「一人」でできるとなると(生産性が十倍です)、九人分の余裕が生まれます。食料生産に従事しなくても構わなくなった人々が、「文明」の象徴である土木・建設サービスを提供するわけです。
すなわち、生産性向上こそが文明の鍵なのです。
生産性とは、マクロ的には「生産者一人当たりの付加価値生産量=所得」で示せます。すなわち、生産性向上こそが「豊かになる=実質の所得が増える」そのままなのです。
産業革命前、人類の生産性はほとんど上がらず、「最低生存費」程度の所得しか稼ぐことができなかったのは、以前、取り上げた通りです。
もっとも、産業革命前にしても、「国」や「時代」により、生産性に違いが生じます。ちなみに、柴山桂太先生によると、我が国はデフレ突入前は常に「経済成長率>人口増加率」の状況にあったそうです。すなわち、産業革命後ほどではありませんが、日本は歴史的に生産性の向上=国民の豊かさ拡大が続き、「文明」的な建設を継続する「余裕」を持ち続けてきたのです。
ところで、文明を象徴する建設を妨げるのは、「低い生産性」には限りません。もう一つ、デフレーションという障壁があるわけです。デフレとは、モノやサービスの生産能力が需要を上回り、人々の実質賃金が低下し、貨幣=貯蓄を選好するようになり、さらなる需要不足を招くという循環的経済現象です。
デフレの時代には、誰もかれもが「お金」を愛好します。実際には、お金とは「誰かの債務」なのですが、その手の基本的な知識を持たない国民、政治家は、デフレ期にはとにかく、
「節約!節約!」
「予算!予算!」
「カネ!カネ!」
とやるわけです。結果的に、デフレを深刻化させる。
デフレが深刻化すると、経済人的な「経済合理性」とは関係がない神宮の式年遷宮について、
「なんで、わざわざお金を払ってまで、二十年に一度、お宮を建て替えるの? コンクリート製にしちゃえばいいじゃない?」
となってしまういかねないのです。
ちなみに、一度の式年遷宮には500億円ほどのコストがかかります。(※政府がお金を支出しているわけではありません)
カネ! カネ! カネ! と、カネが大好きになってしまった日本国民は、果たして「経済合理性」に満ちているとは言いがたい式年遷宮に、費用を支出することを認め続けるでしょうか。
あるいは、古代エジプトがデフレ化しており、ファラオが「雇用創出のために、ピラミッドを建設しよう」と言い出した際に、
「そんな無駄な金を使うな!」
という声が大きかった場合は、どうなるのでしょう。
デフレーションとは、ある意味で「生産性が高すぎる」という問題でもあります。生産性が低い場合はもちろん、逆にデフレーションが長期化した場合も、文明は退化せざるを得ないのです。
すなわち、我が国のデフレが継続すると、古代より続いた日本文明が退化せざるを得ないというのが現実なのです。
デフレーションは、文明をも滅ぼすのです。世界に冠たる日本文明を発展させるためにも、早期のデフレ脱却が必要なのです。
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