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『文明とアメリカ①』三橋貴明 AJER2016.12.20

https://youtu.be/eenbzoqxyd0

   

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 明日は文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/


 昨日のコメント欄を見ると、やはり「銀行のお金の発行」について、理解していない方がほとんどのように見受けられました。


 銀行が現金を貸し出す場合は、BS上で「現金」という資産が「貸付金」に変わります。つまりは「貸し出すためのお金」が必要なのです。

 ところが、現実の世界において、銀行は(あり得ませんが)「貸し出すためのお金」がゼロだったとしても、貸し出しが可能です。単に、借り手の銀行預金の口座に貸出金を記帳するだけです。


 その時点で、昨日も書いた通り、銀行のBS(バランスシート)の借方に「貸付金○○円」が、貸方に「銀行預金○○円」が「出現」します。同時に、借り手のBSの借方に「銀行預金○○円」が、貸方に「借入金○○円」が「出現」するのですが、
「銀行は○○を貸し出す」
 という固定観念に縛られている人
がほとんどでしょうから、なかなか理解できないと思います。


 というわけで、ブログで細かく取り上げるのは本日までとし、今後は「三橋経済塾 」「月刊三橋 」あるいは著作などで図と映像を使って解説していきたいと思います。「三橋経済塾 」は第一回の集中講義(恐らく第二回も)の際に取り上げ、「月刊三橋 」では一年通じた特別カリキュラムを組む予定です。(著作は、今のところ未定) 


 ミクロな「お金」について完璧に理解して初めて、マクロな「経済」が分かってきます


 さて、インフレ率です。


 本日発表された総務省発表の統計によると、2016年11月のインフレ率は、


●総合 0.5%
●コアCPI ▲0.4%
●コアコアCPI 0.1%

 という結果に終わりました。


 コアコアCPIは、10月が0.2%だったので、「もしかして、回復し始めた!?」と思わせたのですが、また上昇幅が縮小です。


 日本のインフレ率の指標のコアCPIは、相変わらずマイナスの海に沈んでいます(コアCPIは10月も▲0.4%)


【日本のマネタリーベース(左軸)とインフレ率(右軸)】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#MBCPI1611


 マネタリーベースの方は、11月の平均残高が417.7兆円。2013年3月と比較し、約283兆円の増加です。もちろん、増加分のほとんどは日銀当座預金です。


 上記の「お金に関する誤解」が解けない場合、「インフレに関する誤解」が発生します。すなわち、あたかも「お金の量」が静的に一定であり、「お金の量」を増やせばインフレになるという誤解です。


 それはまあ、この世に現金というお金しかなく、預貯金(タンス預金含む)は禁止というルールがあれば、お金の量を増やせばインフレになるでしょう。とはいえ、現実の世界において、社会で使用されているお金の大半は預金です。ここでいう預金には「日銀当座預金」を含みません。理由は、我々が日銀に当座預金を持っていないためです。


 銀行は、単に「貸し出し」を行うだけで、MS(銀行預金)を拡大できます。そして、貸し出しは、我々に資金需要がない限り伸びません


 さらに、貸し出しが行われたとしても、土地や金融商品(株式、為替、先物など)が買われてしまうと、インフレ率は上昇しません。インフレ率とは、モノやサービスの価格のことであり、土地や金融商品はモノでもサービスでもないためです。


 要するに、我々が生産者として生産した「付加価値」が買われ、初めてインフレ率が上昇するのです。


 というわけで、政府がインフレ率を引き上げたいのであれば、


(1) 政府が国債を発行し、日銀当座預金を借りる(政府は日銀に当座預金を持っています)
(2) 民間からモノやサービスを購入し、代金を政府小切手で支払う
(3) 民間は政府小切手を銀行に持ち込み、銀行預金に変える
(4) 銀行は政府小切手を政府の日銀当座預金と変えてもらう

 という、一連の「国債発行+財政出動」のプロセスが必要なのです。


 ところが、安倍政権は相変わらず財務省の呪縛から逃れられておらず、国債発行を「抑制」しようとしています。「お金」「インフレ」に関する社会的な誤解を解かなければ、我が国がデフレから脱却する日は、遠のくばかりです。


「安倍政権は国債発行抑制路線を撤回せよ!」にご賛同下さる方はこのリンクをクリックを! 

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