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『文明とアメリカ①』三橋貴明 AJER2016.12.20

https://youtu.be/eenbzoqxyd0

   

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 本日はチャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。

http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651



 昨日、解説した通り、政府と銀行、企業の間では、


(1) 銀行が国債を購入すると、銀行保有の日銀当座預金は、政府の日銀当座預金勘定に振り替えられる
(2) 政府は財政出動の際に、請負企業に政府小切手で代金を支払う
(3) 企業は政府小切手を銀行に持ち込み、「政府からの取り立て」を要求する
(4) 政府小切手を受け取った銀行は、相当する金額を企業の預金口座に記帳すると同時に、代金の取り立てを日銀に依頼
(5) 日銀は、「政府保有の日銀当座預金」の該当額を、「銀行保有の日銀当座預金」に振り替える
(6) 銀行は、戻ってきた日銀当座預金で、再び国債を購入することができる


 というプロセスで、国債発行、財政支出が行われます。国債発行において、政府と銀行間の貸し借りに使われるのが日銀当座預金というわけでございます。


 重要なポイントですが、これは中野氏も「富国と強兵 」で強調していますが、政府は民間の資産(銀行預金)を借りているわけではないのです。むしろ、政府が国債を発行し、財政出動することで、民間の資産(預金)が生まれます。


 日本において、
国の借金(政府の負債)が家計の資産を超えると破綻する~っ!!!
 などと主張している連中が、いかに無知蒙昧化が分かると思います。政府の財政支出が家計の預金を(企業経由で)生み出す以上、「国の借金が家計の資産を超える」などという現象が起きるはずがありません。


 というわけで、2016年9月末時点(速報値)の日本国家のバランスシートです。前回から、「中央銀行」を金融機関の外に出しています。


【2016年9月末(速報値) 日本国家のバランスシート(単位:兆円) 】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#BS


 一年前、15年9月末(速報値) と比較してみてください。


 政府の負債は1213兆円から、1266兆円に増えましたが、家計の資産も1684兆円から1752兆円に増えています。というか、政府の負債が増えたから、家計の資産も増えたのです。


 当たり前でしょ、という話なのですが、この手の「当たり前の話」がなかなか浸透しないのが我が国なのでございます。


 なぜなのでしょうか。


 大きな理由の一つは、やはり日本国民のお金に対する勘違いがあるのだと思います。お金とは、債務と債権の記録であり、それそのものに価値があるわけではないのです。例えば硬貨の素材である貴金属そのものの価値に求める、あるいは紙幣の「担保」として貴金属の存在を求める「金属主義」は、お金の本質を完全に見誤っています


 そもそも、銀行がわたくしにお金を貸し出したとき、銀行預金というお金が生まれます。あるいは、わたくしが小切手を振り出したとき、小切手というお金が生まれます。


 銀行預金も、小切手も、
● お金の単位
● 債務と債権の記録
● 譲渡性
 という、三つのお金の条件を完全に満たしています。とはいえ、銀行預金や小切手に、貴金属の担保などありません


 ところが、これまた中野氏が「富国と強兵 」で指摘している通り、経済学は金属主義を引きずっているのです。結果的に、政策がゆがめられる。具体的には、
「マネタリーベースを増やせば、マネーストックが増え、デフレ脱却できる」
 といった、珍妙な説が蔓延してしまったのです。(元祖はミルトン・フリードマンですが)

 お金について、正しく知ってください。さもなければ、日本の経済政策の正常化はできません。



 というわけで、お金に関する一冊を書かなければならないと考え、先日、ヒカルランドから「日本人が本当は知らないお金の話 」を刊行したわけでございます。


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