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『改めてデフレを知ろう①』三橋貴明 AJER2016.11.29

https://youtu.be/yJCBGtoreh4

    

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 宍戸駿太郎先生が亡くなられた・・・。今年、一番のショックです。
 ”二度の大恐慌"を経験された先生に、日本国が自力でデフレから脱却する光景をお見せしたかったのですが、果たせる前に逝かれてしまいました。
 悲しいです。ご冥福をお祈り申し上げます。


 さて、北陸新幹線の大阪延伸のルートがようやく決まったようです。小浜-京都ルートとなりました


小浜・京都ルートに延伸決定 北陸新幹線 政府・与党、20日に
http://www.nikkei.com/article/DGKKASFS07H6U_X01C16A2MM8000/
 政府・与党は7日、北陸新幹線で未着工となっている福井県敦賀市以西の延伸について、同県小浜市を経由して京都、新大阪に至る「小浜・京都ルート」を採用する方針を固めた。候補となった3ルート案のうち所要時間が最短で、投資効果も見込めると判断した。整備新幹線の建設推進を話し合う与党プロジェクトチームで20日に正式決定する。』


 わたくしとしては、山陰新幹線へのコミットの意味を込め、京都-舞鶴-小浜のルートが望ましいと考えていたのですが、京都-小浜の方が所要時間が短くなるのは確かです(15分ほど)。

 総工費は2兆700億円と試算されていますが、現在の予定では着工が31年で、完成が46年(!)となっています。三十年後ではあまりにも遅すぎるため、着工時期及び建設費投入の前倒しが必要でしょう。

 新大阪を起点に、京都、敦賀、金沢、富山と一本で迎える北陸新幹線の実現は、金沢延伸以上に大きな経済効果(GDPの拡大)をもたらします。


 とはいえ、我が国では交通インフラの意味を考えないマスコミが、
「新幹線は無駄だ!」
「元が取れるのか!」
 などと、批判キャンペーンを始めることになるでしょう


 というわけで、この種のマスコミのキャンペーンに洗脳されないために、ご紹介したい一冊がこちら。


 


 中野剛志氏の「富国と強兵 地政経済学序説 」です。台湾への飛行機の中で、読んでおりましたが、500ページを超す大著になっています


 中野氏は本書の中で、いわゆる「経済学」の間違いを証明し、地政学との融合を提唱されています。(というわけで「地政経済学序説」なのです)特に、前半の「財政問題」(の嘘)に関する部分は圧巻です。


 また、氏は国家についてマイケル・マンを引用し「専制的権力」と「インフラストラクチャー的権力」の二つがあると解説しています。インフラストラクチャー的権力とは、市民社会と政府が交流・調整しつつ、様々なインフラ(制度)を通じ、政治的決定を執行する国家の能力になります。


 例えば、日本は決して「専制的国家」ではありませんが、警察や消防、公衆衛生、社会保障、交通インフラ、教育、ライフラインにおいて、国家の行政サービスが社会に浸透しています。当たり前ですが、この手のインフラストラクチャーを「国家」が管理しないことには、社会は無秩序状態に陥ります

 そして、我々は有権者として、インフラストラクチャー的権力を発揮する国家の意思決定に関与するわけです。


 現在の日本の言論は、この種の「国家のインフラ」を軽視する論調で溢れかえっており、このままでは普通に「亡国」に至るのではないかと危惧しています。


 中野氏は書籍出版に合わせ、東洋経済に以下を寄稿されました。


トランプ勝利もBrexitも「衆愚政治」ではない エスタブリッシュメントの誤りが証明された
http://toyokeizai.net/articles/-/145294
 衰退著しい覇権国アメリカ、混乱する中東、クリミアを強引に奪取するロシア、東シナ海・南シナ海で挑発行為をやめない中国……。
 パワー・バランスが大変動する今、「地政学」という、古めかしく、禍々しいニュアンスすら伴った言葉が現代によみがえってきている。一方、これまでの地政学的思考だけで、世界を分析し、生き抜くことは非常に困難ではないだろうか?
 『TPP亡国論』において、日米関係のゆがみを鋭い洞察力でえぐり出した中野剛志氏による『富国と強兵 地政経済学序説』が、このほど上梓された。
 本稿では、「富国」と「強兵」をキーワードに、トランプ現象や英国のEU離脱の背景にある「イデオロギー」をえぐり出す。』


「米国の民意が拒否したのは、自由貿易体制そのものではなく、エスタブリッシュメントが過剰に進めたグローバリゼーション(TPPはその象徴)なのだ。(引用)」


 その通りです。さらに、皮肉なことに、グローバリゼーションがアメリカの力を相対的に弱め、世界の警察官としての地位を放棄しつつあります。グローバリゼーションとは、いずれかの国が「覇権国」として、各国にルールを守らせる強制力を発揮しなければ、成立しえないのです。


 「富国と強兵 地政経済学序説 」で中野氏が書かれている通り、前回のグローバリゼーションの覇権国は、イギリスでした。イギリスは、グローバリゼーション(自由貿易)によって相対的に覇権国としての力を弱め、ドイツやアメリカという新興国が勃興し、最終的にはグローバリゼーションが終焉に向かいます。


 今回も、全く同じことが起きているのです。


 しかも、我が国はグローバリゼーションで相対的にパワーを強めた「中華人民共和国」が仮想敵国なのです。この現実を、多くの国民や政治家が理解しない限り、将来的に中国の属国化する運命を免れないでしょう。


「中国の属国化を回避するために、一人一人が真剣に考えよう!」に、ご賛同下さる方は、

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