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『若年層失業率が世界主要国最低の国①』三橋貴明 AJER2016.9.27
https://youtu.be/4EupfftcyPY
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恐怖プロパガンダ、正しくは「恐怖に訴える論証(appeal to fear)」は、相手に恐怖と先入観を植えつけることで自身の考えを支持させようとするプロパガンダ手法です。
2013年4月2日、国連は「東電福島第一原発事故に関するUNSCEAR報告について」という報告書において、、
『≪3.公衆の健康影響≫
心理的・精神的な影響が最も重要だと考えられる。甲状腺がん、白血病ならびに乳がん発生率が、自然発生率と識別可能なレベルで今後増加することは予想されない。また、がん以外の健康影響(妊娠中の被ばくによる流産、周産期死亡率、先天的な影響、又は認知障害)についても、今後検出可能なレベルで増加することは予想されない。 』
と、報告しました。
その少し後だったと思いますが、テレビの収録で「UNSCEAR報告」が話題になった際に、原発反対派の人に向かって、
「福島第一原発の事故では、放射線では誰も死んでいませんよね。UNSCEAR報告でも、がんの発生率が自然発生率と識別可能なレベルで増加することは予想されないとあります」
と、発言したところ、その人が薄ら笑いを浮かべて、
「あと、三年もすれば分かりますよ」
と答えたのを見て、ゾッとした記憶があります。
福島第一原発の事故の「将来の健康被害」を煽っていた連中は、福島の皆さんのがんの発生率に「上がってほしい」わけです。何しろ、彼らは散々に「恐怖」を与える言説を撒き散らしていたため、実際には福島第一原発の事故で健康被害が発生していないことが「許せない」という、狂った思考に陥っているのです。
恐怖プロパガンダに染められた一般人も同じです。彼らは、自分が感じた恐怖は「正しいはずだ」という強迫観念にかられ、いわゆる「認 知 的 不 協 和」に陥り、福島で健康被害が「起きていなければならない」と思い込みます。そして、懸命にネットを検索し、福島で健康被害が起きている(実際は起きていませんが)証を探し求めるのです。
彼らは、福島の皆さん、すなわち同じ日本国民の「不幸」を願っているわけですね。
ひたすら不気味です。
いわゆる「国の借金で破綻する」も、恐怖プロパガンダそのものです。現実には、そんな問題はないにも関わらず、それどころか日本銀行の量的緩和で、政府の負債は実質的に物凄い勢いで減っていっているにもかかわらず、
「このままだと財政破綻する! 将来世代にツケを残すのか!?」
と、国民に「恐怖」を植え付け、財務省主導の緊縮財政を推進してきたわけでございます。
先日来、話題にしている「財政ファイナンス」も同じです。日本銀行が国債を買い取ると、政府の借金は消えるでしょ、と理をとくと、
「それは財政ファイナンスだ! ハイパーインフレーションになる!」
と、強圧的(しつこいですが、必ず「強圧的」)に否定し、相手に恐怖を植え付け、黙らせるというわけでございます。
そもそも、「ファイナンス(財政)・ファイナンス」という言葉にいかなる意味があるのかはどうでもいいのです。相手をビビらせ、恐怖を与えることができれば、それで勝ちなのです。所詮はプロパガンダですから。
さらには「ハイパーインフレーション」という言葉。信じがたいかも知れませんが、講演の後の懇親会などで、未だに「わたくし」に、
「日銀が国債を買い取ると、ハイパーインフレになりませんか?」
と、真顔で聞いてくる人がいます。というわけで、わたくしが「ハイパーインフレって、インフレ率が何%のこと?」と聞くと、誰一人として答えられません。(答えは年率で13000%)
【日本のマネタリーベース(左軸)とインフレ率(右軸)】
http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_54.html#MBCPI
黒田東彦氏が日本銀行総裁に就任して以来、すでに250兆円を超す日本円が発行され、マネタリーベースは410兆円を突破いたしました。政府の負債は、実質で130兆円以上も消えてしまいました。
それにも関わらず、インフレ率は▲0.5%。
なぜ、このような事態になったのかは、今更、解説しませんが、いずれにせよ「国の借金」「財政ファイナンス」「ハイパーインフレーション」といった日本を蝕んできた恐怖プロパガンダのメッキが剥がれつつあります。
恐怖プロジェクトに対抗するためには「言葉の定義」と「データ」で、懇切丁寧に、繰り返し、繰り返し「事実」を説明していく必要があります。人間は、恐怖を覚えるのは一瞬ですが、例えば「政府の負債」「国債の貨幣化」「インフレ率上昇の仕組み(需給のバランス)」といった正しい知識を身に着けるには、時間がかかるわけです。
まさに、
「恐怖は覚えるのは一瞬。正しい知識を得るには時間が必要」
という、このタイムラグが活用されてしまっているわけでございます。
一つ一つ、恐怖プロパガンダを「言論」で打破していきましょう。迂遠に思えるかも知れませんが、他に方法はないのです。
「恐怖プロパガンダを打破しよう!」に、ご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
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