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 『若年層失業率が世界主要国最低の国①』三橋貴明 AJER2016.9.27
https://youtu.be/4EupfftcyPY

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 それにしても、新幹線というのは本当に優れたインフラです。わたくしは、週に何度も新幹線に乗るような生活をしているため、つくづく思います。


 なぜ、新幹線に乗るかといえば、もちろん講演のお仕事なのですが、新幹線が整備されていることで、「三橋貴明の講演」というサービスの市場が、本来よりも大きくなっているわけです。


 しかも、新幹線は揺れが少ないため、移動中も仕事ができます。わたくしが出版する本は、新幹線の中で書かれて箇所が多いのです。


 新幹線は、「市場」と「市場」を短時間で結びつけることで、各地域の商圏を拡大します。特に、東京圏という世界最大のメガロポリスを市場に取り込むことができれば、地方経済は一気に活気づきます。

 開通前は散々に不評だった北海道新幹線も、JR北海道が9月末に発表した数字で、利用者が3月の開通からの半年間で143万5千人と、開通前の在来線の1.8倍水準を維持しています。乗車率も、当初は26%程度と予想されていたのですが、実際には39%と、四割近くに達しています。


 興味深いことに、北海道新幹線開通後も、羽田-函館の航空便の利用者は減っていません。東京ー新函館北斗間が最短4時間2分なので、
行きは新幹線、帰りは飛行機
 という東京圏の観光客が少なくないようです。見事に相乗効果が発生しています。


 函館の観光シンボルである「五稜郭タワー」の4~9月の来場者数は、前年比で約4割増加。宿泊する客も増えており、函館としては初の外資系ホテルも進出しました。


 さらに、注目するべき現象は、「東北地方」から函館に向かう観光客が激増している点です。


『<北海道新幹線半年>函館観光 東北から急増
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201610/20161007_13023.html
 北海道新幹線開業(3月26日)から半年が過ぎ、東北から北海道函館市を訪れる観光客が宮城、岩手両県を中心に急増している。半年間で、観光名所の来訪者は前年同期比で2倍、同市方面の旅行商品の利用者は3倍近くに伸び、開業効果が鮮明に表れた。仙台-新函館北斗間は2時間半。市や観光業界は「宮城、岩手は重要なターゲット。さらに誘客に力を入れる」と期待する。
 今月2日、ツアーを利用し、同市の五稜郭タワーをきょうだい6人で訪れた宮城県富谷町の無職鶴田とも子さん(65)は「新幹線で来てみたかった。仙台から函館まであっという間だった」と笑顔を見せた。
 盛岡市の会社員高橋恵さん(34)は同僚と函館駅近くの函館朝市に足を運んだ。「1泊2日の温泉旅行に来た。盛岡駅からとても近く感じた」と利便性を実感する。朝市で海産物販売店を営む竹田玲子さん(69)は「東北からは3割ほど増えた印象。新幹線で来る人が多い」と話した。(後略)』


 仙台から新函館北斗まで、「はやぶさ」で最短2時間半。盛岡から新函館北斗まで、同じく最短1時間50分。


 考えてみれば当たり前ですが、北海道新幹線が開通することで、函館は100万人都市の仙台を始め、東北の各都市に対しても商圏を広げることになったのです。(もちろん、逆も真なりですが)


 本ブログのコメントでも散見しますが、日本人の多くは未だに「人口が減るから需要も増えない」と、勝手な思い込みをしています。あのね、日本の人口減少ペースは年間20万人台に過ぎません。割合で言うと、総人口の0.2%程度なのです

 それに対し、新幹線開通による乗客数「という需要」の拡大ペースは桁が違います。函館の例で言えば、新幹線開通により利用客が63万人も増えたのでございます。0.2%程度の人口減など、軽く吹き飛ぶ「需要増」です。


 「人口が~需要が~」論者が極めて卑怯なのは、決して数字で語らない点です。

 それはともかく、新幹線の整備自体が「需要」です。さらに、新幹線開通で地域と地域を結びつけることで、新たな「追加的需要」が生まれます。上記、函館に追加的に生まれた「63万人分の需要」は、新幹線が整備されなければ生じなかったものになります。


 結局、問題は日本人に染みついてしまった「負け犬根性」なのです。需要は「意思」に基づき、創出することができます。ところが、様々な理由をつけ、需要創出を否定し、結果的にデフレが深刻化。さらなる、負け犬根性に染まるという悪循環が続いています。


 典型は、もちろんこの新聞。


新幹線効果は1年、函館だけ? 北海道で開業半年
http://www.asahi.com/articles/ASJ9Q6JTRJ9QIIPE01S.html
 北海道新幹線が開業してから26日で半年。乗客数は当初の想定を上回り、沿線の観光地はにぎわいを見せる。政府の経済対策で新幹線の建設加速が打ち出され、「新幹線熱」は全国に広がる。ただ、少子高齢化で人口が減るなか、巨額の投資に見合う経済効果を得るのは簡単ではない。(後略)』


 新幹線は、そもそも国家の基盤インフラであり、国家の安全保障、地域の発展等を意識しつつ建設されるべきで、「経済効果」ばかりを強調するのは間違っている。という、根本的な問題は置いておいて、北海道新幹線は新函館北斗までの開業だけで、十分に「経済効果」が出ているのです。


 しかも、新幹線整備は各地域の市場を統合するという「需要面」の効果に加え、移動を短時間化することで生産性向上に貢献し、「少子高齢化による生産年齢人口比率の低下」という問題の解決に貢献します。

 ところが、朝日新聞に代表されるように、「人口が減るから~」といった負け犬根性が日本国民に染みわたり、さらなる負け犬の道を進もうとしています。


 北陸新幹線にせよ、北海道新幹線にせよ、「経済効果」に限っても、十分な効果を出しているのです。負け犬根性を払拭し、日本中を新幹線ネットワークで結び、「日本の各地域の市場を統合」する。これこそが、インフラ面から見た日本繁栄の道なのです。 


「需要創出を妨げる、負け犬根性を捨てよう!」に、ご賛同下さる方は

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