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『お金の担保①』三橋貴明 AJER2016.9.20(7) 
https://youtu.be/sjOa8Z-ezqA

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 「月刊日本10月号 」に、インタビュー記事「グローバル化は亡国への道」が掲載されました。 


 先日、ベルリン市議会選挙が実施され、AfD(ドイツのための選択肢)が躍進。メルケル首相が率いるキリスト教民主同盟(CDU)は得票率17.6%、と歴史的な大敗を喫しました。得票率トップの社会民主党(SPD)は、CDUとの連立を解消する見通しです。


 AfDは得票率14%と、何とベルリンでまでCDUに迫りつつあります。

 メルケル首相は、「時計の針を戻したい」と、難民政策の誤りを認めました。


『難民対応で問題認める=「時計の針戻したい」-独首相
http://www.jiji.com/jc/article?k=2016092000072&g=int
 18日のベルリン市議会選挙で「反難民」を掲げる新興右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が躍進し、国政与党が大きく後退した結果を受け、ドイツのメルケル首相は19日の記者会見で、中東などからの難民受け入れ対応に問題があったことを認めた。
 難民への寛容姿勢を貫く首相の方針には、国民の不満が根強い。首相としては、こうした世論に配慮することで、来秋の連邦議会(下院)選までに国民の反発を和らげたい考えとみられる。
 首相は会見で、昨年殺到した難民の問題を十分に管理できない時期があったとし、「あの状況の再来は、私を含め誰も望んでいない」と強調。「できることなら時計の針を何年も戻し、政府全体で備えをしっかりし直したいくらいだ」と率直に語った。
 難民受け入れの決意を込めて首相が昨年用いた「われわれは成
し遂げられる」というスローガンについても、「ほとんど空虚な決まり文句」になってしまったと指摘。今後は使用を控える考えを改めて示した。
 ただ、人道的見地から難民に国境を開いた判断自体は「完全に正しかった」と明言。連立与党の一部から出ている受け入れ上限設定要求をのまない立場も崩しておらず、今回の「反省」が首相と与党の人気回復にどの程度つながるかは不透明だ。』


 もっとも、「時計の針を戻したい」とは、2015年の難民受け入れに際した大混乱に際し、「政府の準備が整っていなかった」という話であり、メルケルが難民・移民制限派に転じたという話ではありません。


 それにしても、改めて考えてみると、ドイツは15年9月4日の「あの一枚の写真」(トルコ沖でシリア人の男の子が亡くなった写真)で一気に世論が「シリア難民を受入れろ!」となり、メルケルは、
政治難民受け入れに上限はない
われわれは成し遂げられる
 と、スローガンを連呼し、ポピュリズム的に難民受入路線を突き進んだわけです。


 ドイツの無制限難民受入は、ドイツ社会を不安定化させた挙句、EU諸国の連帯までをも壊しました。すでに、シェンゲン協定は有名無実化しています。

 メルケルとしては、
「人道的見地から難民に国境を開いた判断自体は完全に正しかった」
 と、明言せざるを得ないのでしょうが、「ドイツ国民の人道」はどうなるのでしょうか。ロイターによると、16年1-3月期にドイツで発生した移民による犯罪数は、何と約6万9000件! 

 犯罪の内訳をみると、29.2%が窃盗。28.3%が財産犯または文書などの偽造、23%が身体への危害、強盗、違法監禁。6.6%が麻薬関連。1.1%が性的犯罪とのことでございます。


 メルケルの間違った判断により、ドイツ国民は「本来はあうはずがなかった犯罪」に苦しむ羽目になったのです。犯罪被害者であるドイツ国民の「人道」は、メルケルにとってはどうでもいい話なのでしょうか。

 もちろん、政治難民と化したシリア人やアフガニスタン人の人道よりも、ドイツ人の人道を優先すべき、といった、不毛な議論をしたいわけではありません。この手の「リアルな危機」が進行している際に、「人道」とやらを持ち出すのは、政治家として極めて汚いという話です。

 国民国家の政治家である以上、メルケルは「ドイツ国民の豊かさや安全」に責任を持つ立場です。「他国民への人道的見地」を持ち出し、自国民の幸福を破壊する行為は、一般人ならともかく、政治家としては許されない態度だと思います。(日本にも、この手の政治家は山のようにいるでしょうが)


 無論、メルケルは「世論迎合」し、先の勇ましいスローガンを叫び、難民受け入れを開始したに過ぎません。「シリア人難民を受け入れるべき」と叫んだのは、ドイツの国民やメディアなのですが、「政治家」として一線を引く必要があったように思えます。


 いずれにせよ、ドイツは「グローバリズムに基づき、大量の難民・移民を受け入れ、グローバリズムが否定される」という、「ドイツ第四帝国の支配と崩壊 」のラストで書いたオチそのままの状況になってきました。


 今後のドイツが、あるいは「ドイツ社会」がどのような道を辿るのかは、現時点では分かりません。

 分かりませんが、一つだけはっきりしていることは、EUというドイツ第4帝国の女帝であるメルケルと言えども、「時計の針は戻せない」こという事実です。ドイツの問題は、既に手遅れなのです。


 日本国民は、今こそドイツや欧州諸国の「失敗」に学び、外国人労働者や外国移民の受け入れを拒否しなければなりません。時計の針は、戻せないのです。


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