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『ヘリコプターマネー①』三橋貴明 AJER2016.8.23

https://youtu.be/1UzK-Gn-vpU
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 「あの」産業競争力会議が、「未来投資に向けた官民対話」と統合し、未来投資会議として再スタートしました。議員には、もちろんパソナグループ取締役会長の竹中平蔵氏も入っています。
http://www.pasonagroup.co.jp/company/outline.html


 とはいえ、もちろん未来投資会議の議員名簿では、竹中氏の肩書は「東洋大学教授、慶應義塾大学名誉教授」となっています。

 頑なに「パソナグループ取締役会長」という肩書を拒みますね、この方は。何か、やましいことでもあるのでしょうか?
 
 さて、9月12日に未来投資会議の第一回会合が開かれました。


『未来投資会議 新司令塔で成長策を加速せよ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20160912-OYT1T50111.html
 日本経済の活性化には成長戦略の推進が何より重要だ。新たな司令塔の力量が問われよう。
 官民で成長戦略の具体策を練る政府の「未来投資会議」が初会合を開いた。議長の安倍首相は「第1弾として、2025年までに建設現場の生産性20%向上を目指す」と述べた。
 新組織は、既存の産業競争力会議と、企業に設備投資などを促す官民対話を廃止して一本化した。乱立する会議を集約し、迅速な施策を目指す狙いは理解できる。(後略)』


 総理は未来投資会議後の記者会見で、以下の通り語っています。


『(前略)「これまで3年間の成長戦略、構造改革を総ざらいして、民間部門の活動の本格化には何が足りていないのか、近年のめざましい技術革新を国民生活や社会に取り入れるためには何が障害となるのかを明らかにし、躊躇なく改革を断行します。
  『未来投資会議』は、成長戦略の新たな司令塔です。
 国民生活の利便性を抜本的に高める、地方を主役に世界を目指す、新たな技術革新の芽を社会変革につなげるような産業構造に改革していく、という3つの切り口で検討を深めていきます。
 本日、早速、第一弾として、第4次産業革命による『建設現場の生産性革命』に向け、具体的な方針を決めました。 
 建設現場の生産性を、2025年までに20%向上させるよう目指します。
 そのため、3年以内に、橋やトンネル、ダムなどの公共工事の現場で、測量にドローン等を投入し、施工、検査に至る建設プロセス全体を3次元データでつなぐ、新たな建設手法を導入します。
 人手による現場作業が置き換わり、これまで習得するのに何年もかかったノウハウも数か月で身に付けられるようになる。
 3Kのイメージを払しょくし、多様な人材を呼び込むことで、人手不足も解消します。全国津々浦々で中小の建設現場も劇的に変わります。(後略)』


 第1回「未来投資会議」のドキュメントを一通り見たのですが、「外国人労働者受け入拡大」といった悪夢のソリューションは、今回は入っていませんでした


 先日もご紹介した「i-Construsction」を中心に、技術投資や現場と「製造」の統合などにより、「生産性向上」を達成。人手不足を埋めるという、珍しく真っ当な政策になっています。


 いずれは、竹中氏らが「外国人労働者」の受け入れを言い出すのでしょうが、取り合えず第一回目は、普通に「生産性向上のための投資」が議論されたようです。

 要するに、徳間書店「第4次産業革命 」の方向ですね。

 未来投資会議では、
「過去3年半にいわたる成長戦略では、農業・エネルギーなどの岩盤規制を抜本的に見直し、多くの構造改革を実施。しかしながら、第4次産業革命をはじめとする未来への投資の本格化には至らず、アベノミクスは道半ば」 
 と、過去の構造改革が総括されています。


 国民の生活や安全にかかわる農業、エネルギーなどの規制に「岩盤規制」とレッテル貼りし、農業や電力産業で働いている人々の生活を脅かし、レント・シーカーたちのビジネスチャンスを作ることで、
「未来への投資が始まる」
 などと考えていたとしたら、本気で頭がおかしいと思います。


 しかも、農業や電力産業の需要が拡大を続け、供給能力不足で国民が飢え、停電に苦しんでいるといった有様ならともかく、両産業共に需要はデフレで停滞しています。デフレ期に、しかも安全保障と密接に関連する分野の規制緩和により、外資系含む新規参入を呼び込んだわけです。農協改革も、電力自由化も、完全なるレント・シーキングです


 今回の第一回未来投資会議では、珍しく、
「インフレギャップ状態(供給能力不足)の産業において、生産性向上のための投資を拡大する」
 という、資本主義として真っ当な政策の方向性になっています。


 とはいえ、「規制改革推進会議」の方では、先日もご紹介した「生乳流通の自由化」といった構造改革が進められようとしています。


 そもそも論として、未来投資会議にせよ、規制改革推進会議にせよ、なぜ竹中氏らに代表される「経営者」たちが構造改革の旗振り役をやっているのでしょう? 議員が「国会議員」で占められているならば理解できますが、民間議員と称する民間の経営者たちが影響力をふるっているのです。


 レント・シーカー、あるいは「政商」。この手の連中が「○○会議」に入り込み、自社のビジネスのための政策を推進しようとしている状況が終わらない限り、我が国の亡国路線は続きます。


 安倍総理は、未来投資会議といった諮問会議から、「民間の経営者」を排除するべきです。


「諮問会議から民間の経営者を排除せよ!」に、ご賛同下さる方は、 

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