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『安倍政権は財政拡大に舵を切るか?(その2)①』三橋貴明 AJER2016.7.26

https://youtu.be/XIjo7tLLIzQ
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 本日は、七十一年前、大東亜戦争で大日本帝国が敗北し、アメリカを中心とする連合軍の占領下に置かれ、サンフランシスコ条約が発効する1952年4月28日まで、日本国民の主権喪失が始まった日となります。


 占領軍を「進駐軍」と呼び、敗戦の日を「終戦の日」と呼ぶ。


 戦闘員はもちろん、民間人を空襲や原子爆弾で虐殺されたにも関わらず、アメリカに対し国際法違反を問えず(もちろん、国際法違反)、国民に主権がない状況で成立した憲法(日本国憲法)に手足を縛られ、欺瞞の平和が始まった記念すべき一日です。


終戦の日 戦後71年 全国で集会や催し
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160815/k10010635921000.html
 終戦から71年を迎える15日、およそ310万人の戦没者を追悼し、平和について考える集会や催しが全国各地で開かれます。
 このうち、東京の日本武道館では政府主催の全国戦没者追悼式が開かれ、戦争で亡くなった人の遺族などおよそ6600人が参列する予定です。
 式典では、安倍総理大臣が式辞を述べ、正午の時報にあわせて全員で1分間の黙とうをささげます。そして、天皇陛下がおことばを述べられたあと、参列者が式壇に菊の花を手向けて、およそ310万人の戦没者を追悼します。(後略)』


 今週末、開催される「三橋経済塾 第五期」には、元産経新聞社『月刊正論』編集長 上島嘉郎先生にゲスト講師としてお越しいただき、我が国の欺瞞の平和についてお話しいただきます。8月のゲスト講師は、可能な限り上島先生にお願いするようにしています。


 日本の教科書やマスコミでは、大東亜戦争について「太平洋戦争」と呼んでいます。とはいえ、我が国は1941年12月12日に、東条内閣が1936年の支那事変以降の戦争について「大東亜戦争」と呼称することを閣議決定したのです。


 敗戦後、日本を占領した連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は、1945年12月15日に「國家神道、神社神道ニ對スル政府ノ保証、支援、保全、監督並ニ弘布ノ廃止ニ關スル件」(いわゆる「神道指令」)を発します。神道指令において、占領軍は、『大東亜戦争』および『八紘一宇』などの使用を公文書において禁止されてしまいました。


 さらに、12月8日から占領軍の指令に従い、日本の各紙にGHQ民間情報教育局作成の「太平洋戦争史−真実なき軍国日本の崩壊」が掲載され、いつしか日本国政府が定めた「大東亜戦争」が「太平洋戦争」に置き換わってしまったのです。

 オーウェルではないですが、現在を支配する者は、過去をも支配できるという話ですね。


 もちろん、戦勝国であろうとも、敗戦国に対し「歴史観」を押し付ける権利はありません。1907年に締結されたハーグ陸戦条約には、
『第五章 休戦
 第三款 敵国の領土における軍の権力
 第43条:国の権力が事実上占領者の手に移った上は、占領者は絶対的な支障がない限り、占領地の現行法律を尊重して、なるべく公共の秩序及び生活を回復確保する為、施せる一切の手段を尽くさなければならない。』
 と、明記されています。当たり前ですが、ハーグ陸戦協定は日本同様に、アメリカ合衆国も批准していました


 ちなみに、ハーグ陸戦協定は「交戦中」の規定になりますが、我が国と連合諸国との戦争状態が終結したのは、法的にはサンフランシスコ講和条約(1951年)です。アメリカが占領中に日本国の歴史観を「変革」したことは、明確に国際法違反に該当します。というわけで、わたくしは1936年から45年まで、先人たちが戦い抜いた戦争について「大東亜戦争」と呼びます。


 話は変わりますが、沖縄の在日米軍です。


 実は、わたくしは沖縄県の翁長雄志知事同様に、「米軍は沖縄(のみならず、日本国)から出て行くべき」と考えています。何しろ、在日米軍は歴とした「占領軍」なのです。何が悲しくて、敗戦後、七十年以上も他国の軍隊に占領され続けなければならないのでしょうか。


 もっとも、在日米軍撤退後は、当たり前ですが日本国の軍隊が領土、領空、領海を防衛しなければなりません。現在の自衛隊に、独自で日本国防衛が可能な能力があるとは思えませんし、在日米軍との連携も不可欠です。

 自主防衛、への道は、一朝一夕には実現しません。青山さんではないですが、今後、早くても四半世紀はかかるでしょう。それまでの間、日本国の防衛は米軍に相当程度、依存し続けなければならず、自主防衛が実現したとしても、日米同盟は必要です。


 翁長知事ら、沖縄で反米軍活動を続けている皆さんは、米軍撤退後の「日本国防衛」についていかなる構想を頂いているのでしょうか。米軍が駐留するか、もしくは日本「軍」の防衛力が十分でなかった場合、単に、中華人民共和国に飲み込まれるだけでしょう。


 以前は、「いわゆる太平洋戦争」について「大東亜戦争」と、閣議決定された名前で呼んだり、あるいは、
「米軍は沖縄や日本国から出て行くべき」と考えています。何しろ、在日米軍は歴とした「占領軍」なのです」
 といった主張をすることが、何というか「憚られるような空気」がありまし。この空気こそが、欺瞞の平和の落とし子であり、同時に欺瞞の平和の増幅者だったのだと思います。

 今は、わたくしはテレビでも1945年までの戦争について「大東亜戦争」と呼び、「沖縄から米軍は出て行くべき。翁長知事に賛成(理由は全く違いますが)」と発言できるようになりました。少しずつ、少しずつ、状況は変わってきているのでしょう。


 ともあれ、欺瞞の平和に浸るのもいいですが、せめて一年に一度だけでも、日本国民は「敗戦の日」「占領軍」「大東亜戦争」について真剣に考えるべきだと思い、本日は常日頃の三橋的ではないエントリーを書いてみました。


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